作品名:夏休みの空欄探し
著者:似鳥鶏
出版社:ポプラ社
2024.11.01作品名:人は話し方が9割
著者:永松茂久
出版社:すばる舎「この本、いいよね!」のオンパレードがきっかけで読んだ1冊
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「今までのオススメ本を撤回します!」とイチオシな1冊
強く、熱くオススメされたこの「夏休みの空欄探し」ですが、正直言うとはじめはピンとこなかった。
はい。ピンではなく、スンだったのです。
失礼ながら、著者の似鳥鶏さんの作品を今まで読んだことがなかった。そのため、どんな作風なのか、どんな文章なのか、未知の領域です。
「食わず嫌い」ならぬ「読まず嫌い」がここに発動してしまっていたわけで。今だからこそ言えます。
それは…すごーくもったいないと。
はじめての著者の作品に手を出すのは、どれだけ読書経験がある人でも、ちょっとした冒険。未知の世界へ足を踏み入れる感覚。それを楽しめるかどうかが鍵。
ボクの場合、ちょっと度胸が足りないので、信頼できるリアルな友達のオススメに頼ることが多い。「読書の案内人」みたいな存在です。
そんな頼れるリア友からのイチオシがこの本。
今度はボクからあなたへと繋いでいきたい1冊です。
SNSでの本の紹介も参考になるけれど、リア友からの紹介はいいですね!
感想をシェアできるのも、リア友の良きところですよ!
読み始めたら止められない「青春×謎解きミステリー」
まず、ここで告白します。実はボク、案外忙しいんです。笑
「だから何?」って言われたら、まさにスラムダンクよろしく、そこで試合終了。
でも、ここで伝えたいのはたったひとつ。そんな忙しい中でも、寝る間も惜しんで読み進めた。それだけの魅力がこの本に詰まっていたのだ。
じゃあ一体全体、どんなストーリーなのか気になると思うのでちょっと説明。
物語の中心にいるのは、クラスで人気者の成田清春(通称キヨ)。そして、ちょっと影に隠れがちな「じゃない方」の成田頼伸(ライ)。
彼ら二人は、同じ名字だけれど全く交わることのない、異なる世界に生きていた。
でも、ひょんなことから美人姉妹が挑む謎解きに巻き込まれ、いや、飛び込んだ?そんなこんなで一緒に手伝うことに。
甘酸っぱいとは言い切れない青春ストーリーと、それを引き立てるのが、次々と出てくる謎と暗号。その解き明かしが、読んでいるボクの前に立ちはだかる睡魔よりも強力で、気づいたら時間がどんどん過ぎていったというわけ。
はい。これぞ青春と謎解きの二刀流。
しかも、ただの謎解きじゃない。ラストには巧妙な仕掛けがあって、読み終わった後にもう一度最初から読み返し、確認したくなる。
何度も楽しめる、そんな粋な作品なのがこの本の見どころ。
寝不足覚悟で手に取ることをオススメします。
陰と陽、光と影の融合が感動的
ライとキヨ、この二人を今の時代の言葉で言うなら「陽キャ」と「陰キャ」がぴったりだと思う。この物語が面白いのは、そのどちらか一方に偏ることなく、両者の光と影を丁寧に描いているところ。
陽キャのキヨは、クラスの人気者で、表向きは華やかで充実した日々を送っているように見える。でも、そんな彼にも人知れず抱えている影やコンプレックスがある。
一方で、陰キャのライは、その名の通り、目立たず、周囲にあまり関心を持たれない存在ですが、彼には彼なりの強みや輝きがある。
それを物語の中で少しずつ発見していくのが、とても胸に響くんです。
この二人の対照的なキャラクターを通して、物語は「人は誰しも光と影の両面を持っている」という普遍的なテーマを見事に描いている。この描写が、僕たち現実を生きる読者にも強く響くと思うのです。
ボクは仕事柄「障がい」と向き合うことが多いんです。障がいというのは、どうしても社会の中で「影」や「陰」として捉えられがちな側面がある。
もしかしたら、障がいを抱える人たちが、世間からはその「影」の部分ばかり見られてしまうことがあるかもしれない。でも、この物語が教えてくれるのは、誰にでも光と影の両方があり、そのバランスが大切だということです。
この物語に登場するキャラクターたちが、そんな風に平等に光と影を持って描かれていることは、読んでいてとても心強く感じます。
だからこそ、この物語の描写に救われる人も少なくないでしょうし、ボク自身も大いに共感した。
この作品を読むことで、社会の中で「陰」として見られる部分が実は「光」となる瞬間があることに気づかされます。
輝いて見える人にある影の部分、すごく興味あります!
どの人にもある光と影は、リアルな人間性を感じます。
たくさんのワクワクポイントが詰まっているこの「夏休みの空欄探し」は、若者から大人まで、幅広く楽しめる1冊です。
Profile
小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当
楽しく生きるためのヒントが詰まったこの1冊は、未来の自分に期待をさせてくれるかもしれません。
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2023.09.08作品名:夢と金
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2023.09.01作品名:市場
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2023.08.18作品名:百年の藍
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2023.08.11作品名:たゆたえども沈まず FLUCTAT NEC MERGITUR
著 者:原田マハ
出版社:幻冬舎目から大きめの鱗が...
2023.08.04作品名:スタートライン 一歩踏み出せば奇跡は起こる
著 者:喜多川泰
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