帯広で映画を観た！シネマ de 十勝映画『劇場版ドクターX』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.38

2024.12.12

帯広で映画を観た！シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ（美味しいご飯・趣味・脳内妄想など）で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定（とかち検定）上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。今週の映画は『劇場版ドクターX』です。

前回のコラム「帯広で映画を観た！」はコチラ

2024.12.05

帯広で映画を観た！シネマ de 十勝映画『グラディエーターⅡ　英雄を呼ぶ声』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.37

帯広で映画を観た！シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ（美味しいご飯・趣味・脳内妄想など）で足る...

この記事の目次

時代劇に通じる『定番』の多さに安心感
今作は登場人物の関係性をある程度知っている人向け
『劇場版ドクターX』はシリーズの集大成
『東京コミコン』に参戦するミッションも完遂！

時代劇に通じる『定番』の多さに安心感

手術の腕で渡り歩く一匹狼『ドクターX』は時代劇の末裔だ。
そんなふうに勝手に思っています。

民放で時代物のドラマがあまりつくられなくなった昨今。（コスパの悪さか、価値観のそぐわなさなのか……＞年末の『忠臣蔵』が消えたのは両方だと思うけれど）

事実準拠の歴史物（実在の人物・職業のリアルを伝える）より、時代劇（エンタメ性優先のフィクション）の進化系としての医療ドラマの一つが『ドクターX』だと感じています。

基本、単話で完結するので話が見やすい。

「私、失敗しないので」という決め台詞あり。

「よくもつれないな」と思う長い脚＆高いヒールでカツカツ歩きなど、風車や銭を投げるような定番の見所あり。

「プライベートでは金銭感覚等、色々ダメ人間」＆「刀（手術用具）を持って本気出したらすごいんです」という世を忍ぶ仮の姿とのギャップあり。

終盤は、印籠や桜吹雪を出したり「余の顔を見忘れたか」という権力パワーの変わりに、手術のスキルというパワーの振るいどころあり。

からの入浴シーンあり。

最後は未知子の腕に周囲が「ハハーッ」とねじ伏せられ、傍若無人さが許されたりトラブルが解消して終わるという。

時代劇を見て育った昭和人には安心して見ていられる、たいへん懐かしい様式を感じます。

他にも「御意」とか、手術後に『神原名医紹介所』の晶さん（岸部一徳）が登場し「メロン＆請求書」を持ってくる『お約束』というか、とにかく『定番』が多い。実家のような安心感。

総統

『水戸黄門』でいうなら、大門未知子（米倉涼子）が、御老公＆お銀（由美かおる）の入浴シーン&うっかり八兵衛の役割を担っている気がします。

今作は登場人物の関係性をある程度知っている人向け

基本単話で分かりやすい一方、『ドクターX』はこの『定番』『お約束』を楽しむ側面があるので、「世界観を知らない全くの初めてさんだと楽しめきれないのではないか？」という懸念があります。

（それまでお高いご飯を食べてきた蛭間が、庶民的な焼肉屋で焼き台を囲んでいるとか、そこでもワイン飲んでるとか、凋落ぶりが伝わるのか？等）

まして今回『ラスト』と謳うシリーズ集大成なので。

晶さんと未知子（そして蛭間）との関係性をある程度把握している人向けだと思います。

本作は、そこをベースに泣かせに来ている。

けれど「君達、つい最近知り合っただけで、そこまで感情移入する？」と関係性の浅い登場人物まで泣きだすので、私は逆に醒めさせていだきました。

あと森本（田中圭）の顔がいいから誤魔化されそうになるけれど、大きな手術を受けた後で思考力・判断力とか落ちてたり、生死の境界線を彷徨った直後とはいえ、やり始めたことが、気になる未知子の故郷まで行って、知ってる人に話を聞こうとするとか、ちょっとしたストーカー……。

その上、証言外の『過去の未知子の姿を幻視する』というスピリチュアルまで入ってきて、ちょっと「うーん……」となりました。

総統

しかしそうした点も、『時代劇の後裔』と考えると「まあいいか」と思えるのでした。

『劇場版ドクターX』はシリーズの集大成

ともかく、本作は田口トモロヲのナレーションが入ると「『ドクターX』の始まりはこうでなくちゃ！」と気分が上がる人向けと申せましょう。
（映画版はあえてなのか意図せずなのか、『プロジェクトX』風味から離れた喋り方だった気がします）

今回、作中で生死がかかっていたのは他の登場人物ですが、先日急逝された西田敏行さんの演技は『ドクターX』を支える見どころの一つです。

時に権力を持ち続けてきた側の凄みを感じさせるものの、時にコミカルで、嫌いにはなりきれない人間味を感じさせる蛭間の存在感は健在でした。

とはいえ、電池が弱まっていくような声の弱りを感じ、寂しくなりました。（これは訃報を受けての後付けの感覚かもしまれせん）

シリーズの区切りとなる集大成にして、『私、失敗しないので』のルーツが明かされる本作『映画でも、私、失敗しないので』のコピーに偽りはありませんでした！

総統

『東京コミコン』に参戦するミッションも完遂！

さて先日、ポップカルチャーの祭典『東京コミックコン2024（通称東京コミコン）』（幕張メッセにて12/6〜12/8開催）に行ってきました！

映画の感想文を書く人間なら、行っておかねばならない！

といえのは名目で、「推しに会いたい」という完全なる私利私欲でしかないんですが！！

企業展示・物販・アーティストアレイ、映画で使われた車や小道具等の展示もあれど、課金すれば豪華ハリウッドスターと一緒に写真が撮れたり、サインが貰えるイベントなのです！！

今年転職したてにも関わらず、毎週映画が見られるのも、「仕事があるから会期中半日しか参加できない……」と思いつつ、思い切って遠征ができるのもスマヒロさんのおかげです！！　ありがとうございます！！
（コラム代で遠征費は実質タダなので！＞推しへの課金は除く）

「羽田空港へのバスに乗り遅れたら（乗れても道が渋滞したら）詰む」という状況下、全ての目的を果たし、無事に帰ってくることができました！

私、失敗しないので！（映画を見れば、この使い方が理解していただけるはず）

洋画、特にスター・ウォーズや、アメコミ原作の作品に関わる展示が多い中、映画『ドクターX』のポスターが掲げられていたのが、エアガン・モデルガンの『東京マルイ』さんのブースです。

「医療ドラマなのに、Why？　なぜに？」と思ったものの、作品を見て納得しました。

総統

私、全く詳しくないので、登場した銃がどれだったか見分けがついていませんが。分かる人にはお楽しみに……！！

PROFILE

三崎裕美子 | 腐女子 / 総統
1980年生まれ。北海道帯広市出身｜釧路→新橋のサラリーマン（港区女子）→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ（美味しいご飯・趣味・脳内妄想など）で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定（とかち検定）上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。

2024.12.05

帯広で映画を観た！シネマ de 十勝映画『グラディエーターⅡ　英雄を呼ぶ声』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.37