帯広 ふく井ホテルに集結する意気軒昂な若者たち
1月18日、帯広市内のふく井ホテルで幕を開けたのが、「第1回 とかち帯広の国際的なまちづくり実行委員会」。一般社団法人帯広青年会議所(JC)のメンバーを中心に、JICA(国際協力機構)の関係者、地域おこし協力隊など、多彩なバックグラウンドを持つ若者が一堂に集まりました。
一見“百花繚乱”の集まりに見えますが、彼らの共通する目標はひとつ――「世界が認めるTOKACHIブランド」を確立し、観光・産業を国際水準へと押し上げること。
3か年計画の2年目、富裕層ターゲットで“まち”を変える
同委員会は、昨年グローバルカントリータウン構想を掲げて設立。今年で2年目を迎えます。2024年はアドベンチャーツーリズム(AT)のモニターツアーを実施し、一定の成果を上げたとのこと。
「今年は富裕層をターゲットに、帯広の魅力を再発見しながら世界発信していきたい」――そう力説したのは、一般社団法人帯広青年会議所の米澤祥隆理事長。この壮大な野望が「暗中模索」では終わらず、大きな光へ繋がるかは、今後の彼らの取り組み次第とも言えそうです。
おびひろ氷まつりにも参戦! 地域を活かすアイデア続々
十勝帯広には数多くの“宝”が眠っていますが、そのひとつが毎年恒例の「おびひろ氷まつり」。実行委員会の若き面々は、この祭りで「回転ソリ」や「国際交流ブース」といった多国籍感のあるカフェやアトラクションを企画し、イベントの国際色を高めるべく奮闘中。
「冬の帯広こそ真の魅力がある。雪と氷の世界を、多様な文化背景を持つ人々に楽しんでもらいたい」と語るメンバーもおり、地元の祭りに国際感覚をプラスする試みは、他所にはない新鮮さをもたらしそうです。
多様な人材が集結――若き“十勝の賢人”たち
実行委員会のメンバーは、帯広青年会議所だけでなくJICAや地域おこし協力隊、ホテルの開発部門、大学生ボランティアなど多岐にわたる組織から集結。まさに「一心不乱」に“国際的なまちづくり”を追求する集まりと言えるでしょう。
実行委員会メンバー
- 米澤祥隆(JC理事長)
- 川合佑介(JC事務局長)
- 能登祐輔・浜野祥一・進藤朗(JCメンバー)
- 開琢海(JICA)
- 工藤陽司(帯広市地域おこし協力隊)
- 小松勇斗(ふく井ホテル事業開発部長)
- 木原淳兵(帯広畜産大学ボランティア団体)
彼らが一同に集まると、議論は国際化戦略から観光の実務的な課題まで、実に幅広い話題に及びます。多国籍対応のインフラ整備や、富裕層向けラグジュアリーツアーのプランニングなど、斬新なアイデアが“次々誕生”していくのが会議の醍醐味だとか。
見えてきた課題!滞在時間の少なさ、言語バリア、そして…
とはいえ、課題は山積。海外からの観光客が十勝に来ても、「滞在時間が短い」「交通手段が限られる」「多言語対応が追いつかない」といった声が絶えません。
そこで、今年は行政や地域団体と連携を強化し、インバウンド事業の拡大を図るとのこと。加えて、2026年には「国際アカデミー」を帯広で開催する構想まで飛び出しています。世界各国の青年会議所メンバーを誘致し、アドベンチャートラベルなどで地域経済を活性化する狙い。
「失敗を恐れるより挑戦し、観光地としての知名度を一気に高めたい」という意気込みが、メンバーのあちこちから感じられました。
“飛躍か、幻か”――それでも立ち止まらない若き力
こうした若き集団が描く壮大なプランは、いかにも“夢物語”のように見えるかもしれません。しかし、彼らが力を結集して地元イベントや国際ツアー開発を積極的に実行していることは事実。
一部関係者の間では「胎動の時期を経て、今年こそ十勝帯広の国際化が本格的に動き出す」と期待する声も聞かれます。果たして、“新たな観光創世記”が幕を開けるのか、はたまた道半ばで頓挫してしまうのか。いずれにせよ、彼らの存在が帯広をさらに盛り上げる原動力になることは間違いなさそうです。
「地方から世界へ――困難は多いですが、一歩ずつ形にしていきたい」
そう語るメンバーの瞳は輝きを増し、行く末への期待感をにじませていました。
もし「国際的なまちづくり」という言葉にわくわくするなら、次なるイベントで彼らの奮闘を覗いてみてはいかがでしょうか。