帯広で映画を観た！シネマ de 十勝 映画『パディントン　消えた黄金郷の秘密』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.69

帯広で映画を観た！シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ（美味しいご飯・趣味・脳内妄想など）で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定（とかち検定）上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。今週の映画は『パディントン　消えた黄金郷の秘密』です。

前回のコラム「帯広で映画を観た！」はコチラ

バランスのいい優等生的作品！とその前に……

現在、シネマ太陽帯広で『教皇選挙』上映中！
同じく、17日までの期間限定上映作品で（18日から『鬼滅の刃』が来るー！）
他の映画館での上映はあらかた終わっているかもしれない。

映画『パディントン　消えた黄金郷の秘密』（吹替版）に行ってきました。

エリザベス女王の即位70周年の祝賀動画にも登場した、イギリスの有名なクマ・パディントンが主役の、バランスの良い優等生的作品！！

映画『パディントン』シリーズとしては３作目に当たり、イギリス・フランス・アメリカ・日本製作です。

と、その前に。
映画館で３回目の『コンクラーベ』に隣席してきました。
7/30にはPrime Videで配信が始まると分かっていても、なのですが。

「よくぞ地元で上映してくれました！！」とチョイスに敬意を表しての「映画館応援視聴」です。

『コストのかかった』作品が好き！！

映画の最近見た中で「こういう作品が見たくて私は洋画を見続けているんですよ！」の
『動』の映画代表が『F1』なら、『静』の映画代表は『教皇選挙』なのです！

とにかく、お金がかかっているとか。
演者が時間をかけてトレーニングを積んでいるとか。
脚本がよく練られているといった、『コストのかかった』作品が好き！！

いや、邦画でもそうなんですけれども。

『国宝』は映画館へ見に行くだけの映像体験価値は感じても、脚本・ストーリーとしては『フロントライン』や『ババンババンバンバンパイア』の方が好きです。

いくら感想は個人でまちまちといっても、『新聞記者』がよくて『フロントライン』が日本アカデミー賞にかすりもしなかったら、一生当てこすると思いますが。

『教皇選挙』はアカデミー脚色賞を取ってくれたおかげで（？）、地方の映画館でもかかってくれて嬉しい。

地方に住んでいると、映画館でかかるのは邦画やアニメ、洋画でも往年のファンが逆に敬遠するようなド派手なメジャー大作が大勢を占めていて、そもそも「洋画と邦画が同じ土俵に乗っていない」と感じるので。

よかった作品は何度も見る

同じ映画を見るのに何度も映画館に行く行為、あまり興味がない人には疑問に思われるかもしれませんが。

良いと思った映画には「すごくよかったです！」「こういう作品をまた作ってください」という意思表示の課金であり。

「こういう作品を上映しても、客が来ない」と思われないよう、少しでも興行収入に貢献したい気持ちでやっております。

さて『教皇選挙』３回目でも、やっぱり良かったです。

何度見ても、冒頭で教皇が亡くなった後、TVドラマ版ダンブルドア（予定者）から改めて「The Holy See is vacaned.（教皇の座が空いた）」みたいなセリフを告げられた時、ヴォルデモート卿（違）が示した悲しみの演技、しんみりきました。

最初に見た時よりも字幕がアップデートされていて、英語には普通に字幕がつき、ラテン語は＜＞（かっこ書き）で表記され、その他の言語（イタリア語やスペイン語など）は日本語と英語の併記になっていたの、大変良かったです。

安心して観られる作品

今回見た本題の『パディントン　消えた黄金郷の秘密』はそうした字幕の妙が発揮されない、吹替版だったんですけどね！

私は字幕至上主義なので、できれば演者本人の口から発せられるセリフを聞きたいのです。

『F1』のプラッド・ピットも、みんながお通夜みたいに沈んでいるところへ格好良く現れ「ここはモルグ（死体置き場）か？」というセリフの言い方だけでも、いかにもオールド・カウボーイというか風来坊という感じで痺れた！

しかし『パディントン』の場合、選択肢が吹替版しかなかったとはいえ、主役はクマ（CG）。

なので「『本人』とは？」と、そんなに違和感を覚えずに済みました！

家族で見ていて恥ずかしくなるお色気シーンとかもないし、過度な流血・暴力シーンもないし、多少ハラハラする場面はあっても「こういう世界観の映画なら安全は担保されている」と、安心して見ていられる作品でした。

小さい時から、毒や尖ったところのある作品が好きだったので、逆に新鮮。

一方私はというと、英国市民としてパスポートを取得できたパディントンが高級な傘をプレゼントされた時「分かった！この傘で戦うのか！！」と思ったくらい毒されています……。

疲れないやさしい映画

若い時にこうした作品を履修してこなかったので、結構知らないことが多く。

パディントンは、くまのプーさんやテッドのような動くぬいぐるみではなく、本物のクマ設定だったことを改めて認識しました。

ぬいぐるみは関連グッズだったんですね！？
とかなり出遅れ感のある人間でも、入りやすかったです。シリーズ３作目。

さすがにマーマレード好きなことは知っていて
「ペルー出身と黄金郷、そしてマーマレードがこんなふうに結びつくとは！！」と感心しました。

心拍数バクバク上がったりアドレナリンが出るような映画でもないから、見た後にぐったり疲れないのも良く。

疲れが回復しにくい、疲れを重ねないことが大事な世代（？）が、娯楽として休日に見るべきなのはむしろこういう作品なのかもしれません……。

そうは思っても、私はこうしたバランスの良い「優」な作品より、バランスが悪くても毒があったり、尖ったところのある作品を好んでしまうんですが。

『パディントン』シリーズのような作品の存在も、とても大事だと思います！

自分の趣味・嗜好に全振りした映画を、母や姪と見に行けるかというと、そうではないので……。

この作品は、礼儀正しい英国紳士パディントンの優しい世界も良かったですが、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』で、無駄遣いというか贅沢使いされていたアントニオ・バンデラスが（出てきた甲斐のある見せ場の最高潮はどこだったのか？）この作品では堪能できたのも良かったです。

むしろ１人６役とかベテランなのに使い倒されている姿、『教皇選挙』同様、映画館での上映は終わっても配信サービスなどで見てほしいです。

PROFILE

三崎 裕美子 | 腐女子 / 総統
1980年生まれ。北海道帯広市出身｜釧路→新橋のサラリーマン（港区女子）→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ（美味しいご飯・趣味・脳内妄想など）で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定（とかち検定）上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。