帯広で映画を観た！シネマ de 十勝 映画『スーパーマン』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.70

帯広で映画を観た！シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ（美味しいご飯・趣味・脳内妄想など）で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定（とかち検定）上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。今週の映画は『スーパーマン』です。

前回のコラム「帯広で映画を観た！」はコチラ

しばらくの間、映画を見る際は混雑に注意！！

今回は、見た映画の話をする前に、大切な注意喚起をさせてください。

帯広だけの話ではないと思いますが、映画『鬼滅の刃』の影響です。

シネマ太陽帯広の場合、ホームページに混雑予想による注意喚起が掲載されています。

（映画を見ると駐車料金無料な提携駐車場「ノルテパーク第１駐車場」と、その北側に隣接する「ノルテパーク第２駐車場」の２つに駐められないケースまで想定し、公共交通機関での来場まで呼びかけられていました！！）

「コナン君の映画でもそこまでだったかしら……？」
とちょっと腰が引けるくらい、上映回数がとても多いです。

商業活動として、来場者が見込めそうな映画に力を入れるのはとても正しいことですが。

他の映画がお目当ての人にとっても、しばらくは「その分、上映機会が割りを食う」だけでは済みそうにない状況が続くことでしょう。

何しろ、駐車場、チケット購入、飲食売店、グッズ売店……全てが混んでいました！！！

当分の間、映画館に行かれる際は、帰りを含めてお時間に余裕を持って訪れるのが安全でしょう。

私の場合、注意喚起を見ての早めの行動により「映画を見る」までは大変スムーズでしたが、
帰りは「大ホールでイベントがあった後の長崎屋の駐車場か！？」
という懐かしい感覚が久々に甦りました。

さすが『スーパーマン』！

さて今回見に行った映画は、旧知なようで新しい！

リブート（既存のストーリーや設定など一新した、仕切り直し）作品『スーパーマン』です。

予告編で見どころになる場面を使いすぎてそれ以上のシーンが出てこない
「予告がクライマックス」ではない作品！

さすが『スーパーマン』！！

『ミッション：インポッシブル／ファイナル・レコニング』でも
似たようなセリフが登場した気がしますが
「今までしてきたこと・どうあるかが大事」なお話でした。

それに合致したかのように、登場人物は多くとも、誰がどんな背景を背負った人なのか等、説明しすぎないことでスッキリしていて分かりやすかった。

それがリブート作品のはずなのに「これって前作ある続編？」と思うくらい、過去の因縁や背景設定の説明が必要最低限で、簡潔。

（敵陣営の人達が、揃いも揃ってなぜそこまでスーパーマンを敵視するに至ったのか、すら！）

そのためか敵が「新世界の神になる」くらい大きいことをやっている割に、小さく見えるけれども。

取捨選択がハッキリしていて、私は見やすかったです。

アクションシーンも見やすい！

アクションシーンは、体当たりスタントの『M:I』シリーズのトム・クルーズとは真逆の、ブルーバック撮影！

リアリティを大切にする作品も。（トム・クルーズがリアリティのある存在かどうかは置いておいて）
合成前提、中の人だけ生身の３Dアニメに近い作品も、みんな違ってみんないい。

映像の情報も人数が多くてもそれほどゴチャゴチャに見えなかったのは、さすが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督作品だけあるということか。

多勢に無勢の団体戦の描き方が、見やすいと思いました。

また、SNS炎上の怖さと大衆の心許なさと、外国人への偏見・排他の危うさを扱っていったのがタイムリー。

炎上・粘着の経験者でもある監督自身の経験が生かされていると感じました。

まさにヒーローである、人間味を感じた

今回のスーパーマン、よそ者（クリプトン星人という地球外生命体）という出自から
ヒーローから一転、「アメリカの国際問題に干渉するよそ者」そして「侵略者」という疑いの目を向けられます。

先日の、日本の参院議員選挙でもゴタゴタしていたものに通じるものを感じまして。

恣意的な大量のコメントによってイメージが作りあげられたり、それを真に受ける人への警鐘でもあり、皮肉が効いていてよかったです。

本作の『スーパーマン』が良かったのは、大きな「強大な敵をどうするか！？」な話だけでなく、小さき命（人間か否かは問わない）を守るヒーロー像を見せてくれたことです。

それを「初心に帰る」というのかどうかは分かりませんが。

私だったら、クラーク・ケント君くらい掌クルーされたら不信感いっぱいで「もう地球人どもなんて守れない……」と思ってしまいかねないところ。

地球で、良い養父母に愛されて育てられた、育ちの良さと真面目さを感じました。

お手本のようなヒーロー映画

約２時間の中に、困難があって盛り上げがあって、お手本のようなヒーロー映画でした。

そこに育ての両親との絆というエッセンスに次いで、作中で「バカ犬」と呼ばれているクリプトが良い仕事をしていたと思います。
人間の役者陣に負けないくらいの存在感を示していました。

この映画で引っかかりを覚えたのは、一人だけとても可哀想で救いがない人の存在です。
話の進行の都合上とはいえ、他の部分に比べ、あの人だけ「どうした！？」という唐突感がありました。

それと、スーパーマンを超える存在として敵陣営がつくりあげた強敵の名前が、「ウルトラマン」て……。
「スーパー＋マン」ときたら、それを超越する存在が「ウルトラ＋マン」は……。

まぁ、「そらそうか……」と思わなくもないし、何の変哲も無い普通名詞の組み合わせではあるんですが……。

ザラッとした引っかかりを覚えるネーミングでした。

何度か見に行きたい作品

しかしそれ以上に、あれだけポリコレだとかを気にするアメリカの映画で、悪い役が二人とも（二人揃って女性とか有色人種ならどこからか叩かれそうなイメージなのに）頭髪が不自由な人なのは「そこはいいんだ……」という気づきを得た作品でした。

他の作品も同様ですが、作品自体がどうこうではなく同時期に『鬼滅』が来たという不可抗力で、公開直後に上映回数が少なくなってしまったのがMOTTAINAI！！

暑さ対策にも、良かったと思う作品は「良かったよ！」と応援の意味を込めて、何度か見に行きたいと思った夏でした。

PROFILE

三崎 裕美子 | 腐女子 / 総統
1980年生まれ。北海道帯広市出身｜釧路→新橋のサラリーマン（港区女子）→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ（美味しいご飯・趣味・脳内妄想など）で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定（とかち検定）上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。