作品名:「育てにくい子」と感じたときに読む本 悩み多き年齢を上手に乗り越えるためのアドバイス
著者:児童精神科医 佐々木正美
出版社:主婦の友社
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何年経っても変わらない子育ての基本の「キ」
まずこの本の発行はあの北島康介が「なんも言えねぇ」と言った日から11日前である2008年7月31日。
あれから長い年月がなっているにも関わらず色褪せない子育てへの向き合い方が書かれています。
悩みなく子育てを楽しめている方にはより良い学びになるアドバイス、日々の壁にぶつかり少し子育てに疲れ気味の方には心が軽くなるような特効薬のようなアドバイスをいただけるありがたい内容。
雑誌「コモ」で4年半にわたって続いてきた「子育て悩み相談室」へ寄せられた悩み、それに答える佐々木先生のアドバイスという形式なので、どのエピソードも共感でき身近に感じることでしょう。
各章の後半にあるコラムでは「発達障がい」についても触れていますので、そちらも目から鱗が落ちること間違いありません。ボク自身何度も読み返し、その度に初心に返り、自分の軸を中心に戻しています。子どもと関わるすべての人におすすめしたい1冊です。
人には言いたくない悩みもあるので、本からアドバイスをもらうことも大切です。
「親」になるための教科書と言っても過言ではない
さきほどもお伝えしましたが、この本は何度も読み返していいます。そして読み返すたびに自分の傲慢さに気付かせてくれたり、その時もモヤモヤが晴れるような言葉に出会うことができるんです。
そうなんです。必要な言葉は、必要な時に、必要なだけ届けられるんです。
そんな中でもベスト・オブ・頭を鈍器で殴られたような衝撃ワードを挙げるとすれば、間違いなくこれです。
「親が望むような子にしよう」と思うのではなく、「子どもが望むような親」に自分自身がなるといいのです。
ね。自分の傲慢さがどれほどか身に染みたでしょ?
日々生活していると「親の都合」「大人の都合」で、子どもを育てようとしていることに気が付きます。ボクの場合は、そのバランスを考えるいいきっかけになりました。
子どもが生まれる前に読んでもいいかもしれません。
子どもの状態が親の心をつくり、親の状態が子どもの心つくる
はい。さっそく一休さんもびっくりするトンチからスタートです。
子どもが〝いい子〟であるときには、親としての自分を肯定できるのですが、いったん〝育てにくい子〟と思ってしまうと、不安になり、自分を否定してしまったりし、結果的に子ども追い詰めてしまうこともあるでしょう。そんなふうに親の状態と子の状態は連動しているのですが、子どもの状態を変えるのは難しいと思います。
はい。まだまだ成長過程ですから。
だからこそ、佐々木正美先生の言葉から答えやヒントを得て、親の状態を整えて子に繋げて行くべきだとボクは思っています。
人を変えたければ自分を変えよ!って言葉もありますもんね。
そうなんです!子育てはまさにそうなんだなと実感です。
語り口調で書かれているこの本は、読んでいるだけなのに実際にアドバイスをもらったかのように心が楽になり、実際に寄り添ってもらっているかのように心がポカポカします。
ひとりで読んでも、ひとりじゃないって思える温かさがあります。
心が疲れる前に、手元においておいてはいかがでしょうか?
Profile
小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当
楽しく生きるためのヒントが詰まったこの1冊は、未来の自分に期待をさせてくれるかもしれません。
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