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帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『陰陽師0(おんみょうじゼロ)』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.06

帯広で映画を観た!シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。

前回のコラム「帯広で映画を観た!」はコチラ

今回の映画は、『陰陽師0(おんみょうじゼロ)』。原作・夢枕獏『陰陽師』。若き日の安倍晴明と源博雅の物語。「ゆこう」「ゆこう」そういうことになった。(一人の脳内確認)

結論は『解釈違い』であった……。

晴明&博雅が、晴明が陰陽師になる前に出会っていたという、映画独自の別ユニバースというか、オリジナルストーリーです。

それはいいのです。この映画は、あくまで夢枕獏『陰陽師』をベースにしているけれど、原作者が全面協力で、あれやこれやは了承済み。改悪ではなく、原作へのリスペクトが感じられます。

また「アカデミー賞視覚効果賞を受賞した『ゴジラ -1.0』の白組というけれど、ちょっとVFX盛りすぎ!」とか「私、男女の色恋沙汰に興味ない」とか「バディ結成が早すぎる! もっと衝突とかいざこざがあっての段階的がいーのー!」ということすら瑣末なことで、大した問題ではありません

「いい男」博雅が解釈違いだったのです!

この映画の博雅は、ムロツヨシ系「いい男」と言うべきか……。(よくムロツヨシさんがドラマで演じているような役柄の「いい人」系の意。大泉洋さんほどコミカルではない)

素材は好きなんだけれど私の口には、合わない。
ただ取り扱いというか、調理法が好みじゃない。

大事なのは、それは素材や提供された調理物の瑕疵ではない、ということです。

むしろ「誰かが悪いわけではない」どころか、言いがかりに近いというか。

自分のこだわりの強さで「これはアレルギー」「受けつけられない」と心のシャッターが降りるのは、本人の問題なんですよね……。

ですので本作品は、今まで紹介した「予習してから臨んだ方がいい」作品とは逆に、『陰陽師』に強いこだわりや固定イメージのない人の方が、見やすいのではないでしょうか。

なので本作が『解釈違い』なだけで、同じスタッフ・キャストで別作品が出るならまた見ることでしょう

『相棒』で右京さんと相棒、時には職場関係者とのやりとりを楽しみにしているのに、恋愛要素のウェイトが重いと「これは私の好きな『相棒』回じゃない……」みたいな感覚が近しいです。

【ここが良かった! 『陰陽師0』ベスト3!!】

・陰陽師・嶋田久作

陰陽寮の暦博士役に嶋田久作さんがーー!!!あの『帝都物語』で魔人・加藤保憲を演じた嶋田久作さんが、陰陽師役として五行の循環を教えてくれます!!(優しい! 帝都も安心!!)

それだけでテンション爆上がりで「ありがとう!! ありがとう!!」という気持ちになりました。(北村一輝さんこそ、博雅か賀茂保憲かと思ったら、陰陽寮の人間でも賀茂保憲ではなかったことなど、どうでもよくなりました)

・オープニングが津田健次郎さんのナレーション

冒頭でこの作品世界の大前提を、いい声で教えてくれます。津田さんのナレーション――からの山崎賢人さん登場という既視感(デジャヴ)半端ないって!!

先日『ゴールデンカムイ』で見たよ!!!あと陰陽寮が、『ハリー・ポッター』のホグワーツのような学び舎として現代風アレンジで映像化されているのも面白かったです!

・安倍晴明!!!!!!

骨太で熱い杉元佐一(『ゴールデンカムイ』)役からの、飄々とした細身の晴明への転身がすごい!!!(「不死身の杉元役は引退した長瀬智也さんがいい!」とか思ってました。ごめんなさい)

本当に、この間見た杉元と同一人物ですか!!!???

生身の感情を見せない、狐の子という伝承もなきにしもあらずと思わせる不気味さを漂わせる存在感がりました。あと優美。

その点については、夢枕獏さんの安倍晴明のようでいて、岡野玲子さんの安倍晴明にも通じるものがあるように感じました

夢枕獏『陰陽師』の良さは、バディものの面白さと、『呪(しゅ)』などについて、感覚的なのだろうけれども平易な現代言葉で本質を突きにいくところであり、それを更に膨大な知識で裏打ちして増幅させたのが岡野玲子版マンガ『陰陽師』だと思っています。みんな違ってみんないい。(私は、岡野玲子版『陰陽師』に圧倒されっぱなしです)

さて十勝は開拓の歴史が浅いため、陰陽・五行思想にちなんだ場所は少なめですが、「気」が良いと言われている場所の一つに、鹿追町の然別湖(しかりべつこ)があります

隣接するホテルは、その名も「風水」!!

北海道の湖の中で最も標高の高い810mに位置するため、「天空の湖」とも呼ばれています。アイヌの伝承も残るこの湖の中には、普段上陸できない小さな島(弁天島)があり、そこには金運を司る弁財天が祀られています。

その弁天島がいい具合に湖の水と周囲の山のエネルギーで守られているだとか、気がたまりやすい「山環水抱(さんかんすいほう)の地」だとか、旭岳から来るエネルギー(龍脈)がどうのこうのとか、キーワードは上げておくので興味のある人は検索ください。信じるか信じないかはあなた次第です

私は全ての事象は「人の役に立つか」が重要だと思っているので、スピリチュアルもオカルトも否定はしていない立場です。

それで過剰な金銭を要求したり、依存して現実の努力を放棄することを嫌悪するだけで。

本気で思っている訳ではなくても、よくできた人を見て自分との差は何なのかと考えたとき「あの人は、人生7周目くらいなのだろう」という発想の選択肢ができるのは少し便利です。

納得がいかない出来事があるけれど原因が思い至らない時(特に、重い病気になったり事故に遭うなど、因果応報だとか信賞必罰が行われてほしくてもそうはなっていない時)「前世で何かあったのかしら……」「先祖が猫を……?」と『過去世』や『呪』に原因を求めたり。

別に、気軽に使えるものは使っていこうの精神でよいのではないか。

逆に、生活ギリギリで苦しいのにガソリン代等をかけ、一発逆転を狙って金運のパワースポット巡りをするくらいなら、働いた方がよい。

そんなスタンスです。

そういうところを訪れたからといって、全員がお金持ちになるとか「運気が上がる」はずもないですが。ただ「そういうことがあるかもしれない」と思うのも、また『呪』。自分で自分にプラセーボ効果をかけようというのも、それはよいことなのかもしれません。

気分転換や出かける口実の一つになって気分転換になって、何かが起こっても起こらなくても「楽しかったー」と満足できるなら。

全ては自分達の幸福のために用いるための道具であって、道具に振り回されるのは本末転倒な話で。これは、趣味でも推し活でも、いろんなことが一緒だと思います。

ちなみに優等生から奇人変人までを輩出する私の母校・帯広柏葉高校は、帯広市の北東に位置しています。

艮(うしとら)・鬼門と呼ばれる、死と再生、春の陽気の芽生えを象徴する方位です。だから私のような、陽気に頭の湧いた人間が時々出るのです。

またスピードスケードでの金メダリスト・清水宏保さんが出た白樺学園高校と、高木菜那さんと美帆さん姉妹を輩出した帯広南商業高校は、帯広市の西に位置しています。西は五行では「金」

――などと言うと、もっともらしいですが。

清水宏保さんが通ってた時代の白樺は芽室のあの場所ではない、とか。
緑陽・工業・農高&畜大など近くにある学校群は、その違いをどう説明すればいいのか、とか。
帯広市街地の地図だったらそうかもしれないけれど、農村地帯含めた全体図だと上記の話は意味を失う、とか。

そういうところを無視して、恣意的に一部分だけ取り上げ、もっともらしいことを言うのが詐欺の手法。

それもまた『呪』。

全てが渾然一体だった陰陽師の時代から一転、今日では科学的に事実と言えないものは擬似科学として分離されました。

そんな時代に、世に蔓延する大半の『呪』に懐疑的な、でも自分はチート能力者でバリバリ異能を使う未来の陰陽師・安倍晴明が登場する『陰陽師0』。(量子力学で物質の基本の姿が説明できることと同じように、陰陽五行で世の理を全て説明できると思ってそうな、そういうところがある)

『呪術』が大事なテーマとなっている作品です。(蠱毒も出ます!)





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三崎 裕美子

三崎 裕美子

腐女子 / 総統

1980年生まれ。北海道帯広市出身|釧路→新橋のサラリーマン(港区女子)→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。

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