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釧路で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『カラオケ行こ!』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.08

帯広で映画を観た!シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。

前回のコラム「帯広で映画を観た!」はコチラ

釧路で映画を観た!

いきなり「帯広で映画を観た!」という看板・コンセプト・プロフに偽りの発生した出張編でございます。「“迷い道”案内も何も、帯広から出て釧路とか、当の本人が迷いすぎやろ」という気がしないでもない今回のコラム……。

帯広じゃなくたって
いいじゃないか
やってなかったんだもの
みさを

と居直りの心境で、自分で自分を誤魔化していきたいと思います!!

釧路を訪れたのは5月5日。

映画ファン垂涎のイベント、大阪コミコン2024(5/3~5/5)最終日でした!

私も去年行きましたとも! 何なら年末の東京コミコンも行きましたわ!!

“北欧の至宝”マッツ・ミケルセンと至近距離で会って、その美しさを目の当たりにするとか。

あまつさえ、横に並び立って一緒に写真を撮るとか、記憶も語彙力も失いましたとも!!(写真はイメージです。平たい顔族が……とてもじゃないけれど現物は見せられないんだ……)

同志とキャッキャと腐ったトークをすることも含め、魂の栄養補給になりました!!

「推しは推せる時に推せ」

お互い、明日何が起こるか分からない身。

チャンスの女神には前髪しかないのです。

得難いチャンスと魂の滋養のためなら、財布の風邪など大事ではありません……。(※推し活も用法・容量を守って適切に行いましょう)

そこで出会った同志たちが再び大阪に結集していたその頃、寂しいかというと別にやりたいことや脳内妄想には事欠かないのがオタクというもので、釧路に遠征していました。

遠征といっても帯広からは約120㎞。

私のような運転が苦手な人間からすると、まあまあ根性の必要な距離ですが、運転が得意な道民からすると大した距離ではない、いずれにせよ日帰り可能な隣の市、です。

目的は『カラオケ行こ!』成田狂児大生誕祭!!!

『カラオケ行こ!』という映画作品の登場人物、綾野剛さん演じるヤクザ・成田狂児というキャラクターの誕生日が1980年5月5日という設定のため、全国の映画館で開催されたものです

同い年、「だからどうした?」という話でしかなくとも、架空のキャラクターの設定でも、ハリー・ポッター氏に引き続き、同年生まれとの出会いはちょっと嬉しくなってしまいます。(逆に凹むのは、『週刊少年ジャンプ』作品の主な登場人物の年齢を追い越したことに気づいた時などです……)

「カラオケ行こ!」は既に上映終了しており、各種配信サービスで見られるようになっている作品です。なので、見れる人は見てください!

そういう意味でも今回のコラムは特別版。

『カラオケ行こ!』はコミコンで出会った腐女子仲間の反応がとてもよかった作品でした。

そこへ、見逃していたことを残念に思っていたところで発見した限定イベント。

つまり、その層に人気というだけでも、ブロマンス(恋愛に限らない男性同士の熱い友情)要素が無視できない程度にはあるのだろう、と推測されるわけで。

さらに特別イベントが開催されるほどの人気があるというのは、それだけに止まらない汎用的な面白さがあると思われるわけで。

嫌が応にも期待とワクワク感が高まりして……。

推せるものには賛同・いいねの課金がしたい習性を持つ生物としては、フラフラ〜と吸い寄せられてしまったのでございます。

結論「見て!」

『カラオケ行こ!』成田狂児大生誕祭では、入場者特典のポストカードとタトゥーシールもいただき、映画が始まる前に「お祝い特別映像」の特典上映があったということを差し引いても、満足度の高い作品でした。

本来接点がないはずの二人――カラオケ好きの組長を持つヤクザ・成田狂児と合唱部長の岡聡実(中学生)――が出会い、歌を教わるため「カラオケ行こ」と声をかけることから始まるこのお話。

和山やま『カラオケ行こ!』(KADOKAWA、ビームコミックス)が原作です。

笑いどころが随所に散りばめられていて、非常にテンポと間合いの良い作品で推せます!!

『カラオケ行こ!』のここがすごい!

主人公・岡聡実を演じる齋藤潤さんの演技力!

ヤクザを怖がりながらも、時に言うことははっきり言ったり、フードを注文できる芯の強さ、大変よかったです!

綾野剛さんの間合いと演技、そして「紅」(絶唱)!

嘘つき&人誑しという感じで、本当に素晴らしかったです!聡実に対して終始いい顔をしているし、マメで親切な分、「こういうふうに人に近づき間合いに入って信用を得ようとする生き方をしてきた」人種という、凄みと怖さを逆に感じさせられました。

北村一輝さんの贅沢使い!

その役ですか!!??そのほんの少しのシーンのために出てくれたのんですかっつ!!??と驚きの、でもとても大事な役での登場。さすが(?)でした。

余韻が良かったり、「原作はどんな話だったんだろう? 買ってみよう」とか「カラオケに行きたくなる」とか「作中の飲食物が食べ飲みしたくなる」とあやかった次の行動が促される作品は良い作品。

原作と映画を比較すると、細かい部分の差異はありましたが、私は気にならない範疇でした。オリジナルキャラが登場していたり、原作には無い部分が肉付けされていても、映画化にあたって必要な脚色で、全然ありと思いました。(傘のエピソードとか、好き!)

狂児が聡実にクロージングしていくテクニックだとか、少し距離が近づいたと思ったらヤクザだと改めて思い知る出来事が起こり距離を置こうとする……という過程が丁寧に描かれていたのがよかったです。

原作有り作品の映画化・ドラマ化というと、怖い部分もあるんですが。原作の骨子が大事にされ尊重された作品って、本当に素晴らしいですね!

「ヤクザがなぜ中学生に歌を教わろうとするのか?」」「狂児は組長主催のカラオケ大会で罰ゲームを免れることができるのか?」「イベントで配布されたタトゥシールの意味は?」

答えは全て作中にあります。

これは完全に個人の嗜好なんですが、海外ロケを挟んでようが、男女の恋愛物が苦手なんです!制約だと思ってるの本人の思い込みで話し合ったら難なく解消するとか、結局別れるべくして別れるとか、その「勝手にやって!?」のための約2時間は辛いんです……。

大した障壁なく、本人同士がその気になったらすぐ簡単にくっついたり離れたりできる関係性に萌えないというか……。話のテーマや軸は別にあって、恋愛は添え物くらいが丁度いいというか……。

だから腐女子といっても男性同士の恋愛しか興味がないわけではなく、『SPY×FAMILY』の黄昏とヨルさんのような(あるいは「じなん」くんとアーニャのような)関係性は好物なんです

近づくようで近づかない関係性の、ダモダモしているアオハルって、本当に素晴らしいですね!!

本作の『カラオケ行こ!』はBLといえるほどのBLでもなければ、ブロマンスとも言い切れないアオハルのお話だったので、特にそういうのに興味ない人でも楽しめる娯楽作品だと思います。

中学校の合唱部長とヤクザがカラオケ。どうあっても活動範囲が狭くて小さい話なのでは? と思われるかもしれませんが、脚本構成や盛り上げ方が巧みなせいか、私はそこは全然気にならなかったです。

逆に、「こういうのでいいんだよ、こういうので」な作品でした。(必要以上にお金をかけなくても以下略)

「なにその甘い口車!? 怖い!!」

さて、いつもは映画の内容と十勝・帯広を無理やり結びつけていますが、今回はヤクザが重要なファクター……。

ちょっと不穏当なので、今回は「共に発展を! 十勝民にとってシネマ太陽帯広の次に近い、身近な(?)映画館のご案内!」ということで釧路のイオンシネマの紹介と、さらに地元の本屋さんの応援をしてお茶を濁――終わりたいと思います

狂児じゃないですけれどお、イオンシネマも優しい顔で近づいてきて、怖い思いをさせられたんですよ!!

会員サービス「ワタシアター」プラスに入ると、400円の年会費を払っても、通常料金で1本見るより安くなる――だの……。

「なにその甘い口車!? 怖い!!」と思わず入ってしまいました。

すると会員は6/27まで、ポップコーンとドリンクMサイズセットが通常料金より100円ほど安くなるというではありませんか!

歯に挟まる感触が苦手で、普段映画を見る時にはポップコーンを食べないんですが、まあそういうことなら

「見せてもらおうか、イオンシネマの実力とやらを」

と安易な気持ちで注文しましたら、酷い目に遭いました!!!

「何これ!? 怖いんですけど!!??」「Mサイズとは何か?」という根源的な問題に足を踏み入れかけました。

またイオンシネマでは他系列と違い、買い物促進にも繋がるからか、売店で販売されているもの以外の飲食物の持ち込みが可能です。積極的にOKと明示されてはいませんが、現時点でNGとはなっていません。(他館で4DX鑑賞となると、こぼすという観点で持ち込めないものはあるでしょう)

匂いや音など、他の人の迷惑にならない範囲内で、好きなものをおともに映画を楽しむこともできそうです。

つい私も、ついでに買い物をしていたら、たらふく飲食物の入った買い物袋を抱えることになりましたが(気づけば車に置きに行く時間もなかった――)、堂々ビニール袋を抱えていても、何も言われずに中に入ることができました。

「推しは推せるときに推せ」

今回に限らず、帯広で上映されていない映画が釧路では上映されている、ということもあります。運転できる人は、少し足を伸ばした第二の選択肢として、たいへんオススメです!

また帯広の「ザ・本屋さん」について語らずにいられないので、聞いてください。

会員カードの割引、200円でいポイントですぐ貯まるのに、1枚貯めたら100円引きなんです。

薄利多売の本屋さんでこのサービス、大丈夫ですか!?」と心配になります。

北海道どうせ配送が遅れるんだし、と発売日が待ち遠しい新刊も店舗で予約して買うようにしていますが、地元資本の本屋さん達、これからも頑張ってほしいです!!

ついでに脈絡のない話を言うと、「モノ・マガジン情報号」NO.937 途中59pまで、広告や連載を挟みながらも、ほぼゴジラ!!

特集といっても3、4ページとかで「それでも買っちゃう」に慣れている身には、たいへん充実の内容でよかったです。

「推しは推せるときに推せ」

人やフィクション作品に限らず、映画館・本屋さんも含め、失ってからでは遅いのですから……。

ノーモア・藤丸閉店! ノーモア・映画泥棒!

ということで、次は『カラオケ行こ!』の続編『ファミレス行こ!』の単行本を買いに行きたいと思います。







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三崎 裕美子

三崎 裕美子

腐女子 / 総統

1980年生まれ。北海道帯広市出身|釧路→新橋のサラリーマン(港区女子)→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。

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