TIP10オープニングムービー
TIPは事業構想・起業家育成プログラム
とかちイノベーションプログラム(TIP)は、2015年に地域の起業家精神を育むためのプログラムとしてスタート。野村総合研究所(NRI)が開発し、帯広信用金庫と十勝19市町村が共同で運営しています。プログラムでは、地域に根ざした創造的なビジネスアイデアを実現するための場として、毎年多くの参加者を迎えてきました。
TIPは、地域に根ざした独自のビジネスアイデアを生み出すことを目指し、参加者の「やりたいこと(Wants)」を出発点にしています。これまでに述べ630人が参加し、74件の事業構想が発表され、そのうち24法人が誕生しました。
十勝から24法人が誕生!
過去の参加者の中には、成功を収めて地域に貢献している例が数多くあり、1期目に誕生した帯広の「馬車BAR」はいまや、帯広まちなかの観光資源に成長。ほかにも、本別町のグランピング事業「KOYA.lab」、上士幌町の「Fant」、7期を経て誕生した株式会社スマヒロが運営する十勝に特化した求人マッチングWebメディア『TCRU(ティクル)』は、十勝の求人サイトのなかで最も閲覧される求人サービスとなるなど、地域に根付いた多様な事業がTIPをきっかけに次々に誕生しています。
7月16日から5ヶ月間の旅がはじまった
7月16日に行われたキックオフセッションでは、主催者と参加者が一堂に会し、TIPの今期のスタートを切りました。今期の参加者は52人で、これから5ヶ月間にわたるセッションを経て、11月28日に予定されている事業構想発表を目指します。
帯広信用金庫 高橋常夫理事長が挨拶
冒頭、帯広信用金庫の高橋常夫理事長が挨拶に立ち、「とかち・イノベーション・プログラムから輩出された事業は、今や十勝の看板事業として地域に定着しているものも数多くあります。これまで9年間で述べ630人が参加し、74件の事業構想が発表され、そのうち24件が事業化(法人設立)されました。プログラム参加者同士の繋がりも生まれ、プログラム外の活動も活発に行われており、形成されたベンチャー・コミュニティから、新たな事業や地域の中心となって活躍する人材が生まれています。これから5ヶ月間にわたるセッションを経て、事業創発される姿が楽しみです」と語りました。
プログラム開発者 齊藤義明氏がTIPを解説
続いて、イノベーションプログラムの開発責任者である野村総合研究所の齊藤義明2030研究室長が挨拶。
齊藤氏は、「地域産業の創出を目指すイノベーション・プログラムを9年間に亘り実施してきました。これまで十勝をはじめとした山形、新潟、沖縄など5地域で展開するなか、現在までに800名を超える起業家、170以上の新事業構想、27の新会社が誕生しています。なかでも、十勝はプログラム創業の地です。他の地域に展開するなかでも10年が続く十勝はすごいことなんです。今後5ヶ月間で11種類のセッションを受けてもらいます。大事なことは、単独ではなくチームを形成して事業創造していってもらうことです。そして、ニーズではなくウォンツを何よりも大切にしてください。ニーズを探すのではなく、自分が何をしたいかが大事なんです」と解説しました。
過去の参加者による成功事例の共有
キックオフセッションには、過去のTIPプログラムを経て起業あるいは起業準備に入った方々がゲストスピーカーとして招かれました。第5期と第6期に参加した松山千紘さんと、第9期に参加した小松ゆうとさんがそれぞれの経験談を共有。
松山さんは音楽家としての経験を生かし、「とかちフレーズミュージック」を主宰しています。彼女はTIP参加を通じて得た仲間と知識を活用し、音楽教育と地域交流を融合させた独自のビジネスモデルを確立。
そして、小松さんは、帯広の「モール温泉」を全国に広めるための「移動式天然モール足湯プロジェクト」を立ち上げました。彼は地元のふく井ホテルに勤めながら、このプロジェクトを進め、クラウドファンディングで目標額を大幅に上回る寄付を得るなど、着実にプロジェクトを進めています。
参加者全員による ひとり1分あいさつ
キックオフセッションでは、恒例となった参加者一人ひとりが自己紹介と意気込みを1分以内で伝える参加者あいさつも……。
参加者たちはそれぞれの背景や目標を語り合い、TIPへの期待を高めました。
「TIPの存在は知っていましたが、やっと10年目で参加できました。これまでやりたくても諦めていた気持ちを奮い立たせて頑張ります」
「やってみたいを実現するために参加しました」「ふるさと十勝のためになる事業を立ち上げたいです」など、それぞれの熱い思いが共有され、参加者の熱量で会場もヒートアップ!
米沢則寿帯広市長がエール!
最後に、TIPの立ち上げから携わる米沢則寿帯広市長が登壇し「地域の新たな可能性を見出すために全力を尽くしてほしい」とエール。
米沢市長は「このプログラムは、参加者の原体験や内面の欲求を起点とし、情熱を持った起業家を育成することを目的としているんです。つまり、1人や1社ではできないことを目指すプログラムなんです。過去にリクルートホールディングス創設者の江副浩正氏はこう言いました。『みずから機会をつくりだし、機会によって、自らをかえよ』と。皆さんの検討を祈ります」と熱く語り締めくくりました。
米沢市長が語るTIPについては、7月22日(月)発売の雑誌『経済界』で「北の大地に根付くスタートアップ・エコシステム 北海道十勝の起業ラッシュはいつまで続く?」と題した8ページにわたる十勝特集で読めます。ザ本屋さんで購入できますよ!
TIP10の今後のスケジュール
TIPの特長は、チームを組んで事業構想を進める点にあります。多様な視点が融合し、事業の成功率が高まるからです。そして、参加者同士の絆が深まり、プログラム終了後も続くコミュニティが形成されることも大きな魅力なんです!
新設会社数が10年で1.5倍!
TIPの成果のひとつとして、十勝の新設会社数は2012年の149社から2022年には215社と約1.5倍に増加しました。また、帯広では市税収入の増加や公示地価も上昇し、将来推計人口の激減が確実視される道内の中でも、その減少率が2番目に低い。まさに、「不景気などどこ吹く風」の様相で、むしろ旺盛な経済成長で労働力が足りないほど、十勝には最高の環境(舞台)が整っています。
TIP10は、2024年7月から11月にかけて全12回のセッションを開催します。各セッションでは、ビジネスアイデアの創出から実現に向けた具体的な手法まで、多岐にわたる学びが得られます。(原則各回13時から4時間前後)
各セッション
① 7月16日(火)キックオフセッション
② 7月30日(火)相互理解セッション
③ 8月6日(火)アイデア創出セッション
④ 8月28日(水)チーム形成セッション
⑤ 9月4日(水)ビジネスデザインセッション
⑥ 9月18日(水)中間発表セッション
⑦ 10月2日(水)スパーリングセッション
⑧ 10月24日(木)プレゼン資料制作セッション
⑨ 11月5日(火)スパーリングセッションⅡ
⑩ 11月20日(水)リハーサルセッション
⑪ 11月28日(木)事業構想発表セッション
※日付は未定ですが、途中、革新者刺激セッションを開催
※セッションの日程・内容は募集開始時点のもので、今後参加者やセッション等の状況に応じて変更が生じる可能性があることをご了承ください。
TIP10は、2024年7月から11月の期間で全12回開催されます。各セッションは約4時間にわたって行われ、参加者たちは新たなビジネスアイデアを具体化し、事業創発に向けて着実に歩みを進めていきます。次回のセッションは7月30日に予定されており、今後の進捗状況についても随時お伝えしていきます。
過去のTIP事業構想発表レポート
過去のTIP最終発表の様子は、以下の記事からご覧になれます。
歴代の最終発表者の多くが発表後に起業あるいは事業化しています。
とかち・イノベーション・プログラム2023(TIP9)「事業化支援セッション」レポート
とかち・イノベーション・プログラム2022(TIP8)「事業化支援セッション」レポート
とかち・イノベーション・プログラム2021(TIP7)「事業化支援セッション」レポート
とかち・イノベーション・プログラム2020(TIP6)「事業化支援セッション」レポート
とかち・イノベーション・プログラム2019(TIP5)「事業化支援セッション」レポート
過去の修了生(TIP9期)が伝えるTIPで得られるもの
過去のTIP修了生が書き記したTIPで得られるものです。ぜひご覧ください。