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【書評】本の虫 小川の本棚 「黒い絵 Les tableaux noires」presented by Book cafe & bar Sen 024

作品名:黒い絵 Les tableaux noires
著者:原田マハ
出版社:講談社

アート小説でお馴染みの原田マハさんが描くアート×ノワール小説

最近は、キネマの神様や総理の夫が映画化されて話題になっている原田マハさんなのですが、実は元キュレーターで数多くのアート小説を出版しているのです。以前、ここで紹介したゴッホの生涯を描いた小説「たゆたえども沈まず」の著者でもあります。

その原田マハさんが、アートの世界の〝闇〟の部分をこの短編集で描いているので大注目。6つの作品で構成されているのですが、どれも衝撃的。黒光するその世界はまるで十勝石(黒曜石)のように多くの人を魅了すること間違いありません。

私自身、あまりの衝撃にドキドキすることもありましたが、それ以上に続きや結末が気になるワクワクが気になり、夜を更かしながら一気に読んでしまいました。

あなたは、どのストーリーに惹かれるのでしょうか?

アート小説って聞くと少し難しそうに感じますが。。。
そうですよね!基礎知識もいらず専門用語も出てこないですし、アートをテーマにした小説なのでご安心ください!

現実の世界が暗闇だと感じている人へ!いつか必ず光の兆しは感じられます

この作品の中の6つのストーリーどれにも、深い深い闇が描かれています。はじめの「深海魚」で激しく心を揺さぶられ、続きを読むべきかいったん休憩するべきか迷いました。だけど、最後にはきちんと光の兆しが描かれているんです。

そこに救われました。

私たちの生きているこの現実に照らし合わせてみても、いいことばかりではありませんし、闇の部分だって必ずあると思うんです。

だけど、夜は必ず明けるように、トンネルがいつか終わるように、光に向かって進んでいるんですよね。一寸先は闇かもしれないけど、一寸先は光の可能性もある。そんな光の兆しや、暗闇からの再出発を思わせてくれる作品でした。

読書界の〝シゲキックス!?〟

日常にちょっぴり刺激が欲しいと感じたらこの本の出番です。

日常系の〝のほほん〟もいい。学びにつながる〝かっちり〟もいい。

それもいいけど、たまには〝刺激〟が欲しい時ってありますよね?そんな時にこの本を選んでみてください。

禁じられた遊び、漂うエロス、哀しい殺意。アートを介したこのノワールな世界は、原田マハさんが、ドラゴンボールに出てくる究極の必殺技〝魔封波〟から解かれたのではないかと感じるほどの衝撃作品です。

内容的にどれくらいの年齢層の人におすすめですか?

この作品は、学生には刺激が強いのですので〝大人〟の人におすすめです!

短編6つで構成させれているため1日にひとつのストーリーだけ読むなど区切りよく読めるので、時間がない方にも、読書に馴染みのない方でも読みやすいのでおすすめです。

Profile

小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当

楽しく生きるためのヒントが詰まったこの1冊は、未来の自分に期待をさせてくれるかもしれません。
























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