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【書評】本の虫 小川の本棚 「記憶を食む」presented by Book cafe & bar Sen 071

作品名:記憶を食む
著者:僕のマリ
出版社:KANZEN

刊行を待ち望み、ようやく手にした1冊

著者の「僕のマリ」さんを知ったのは、2021年に出版された『常識のない喫茶店』(柏書房)を手に取ったのがきっかけ。その作品に心を鷲掴みにされ、「次の作品はいつ出るのだろう?」とワクワクしながら待ち望む日々が始まった。

それ以来、新刊が出るたびに本屋へ足を運び、その作品を我が家へ迎え入れるのが楽しみの一つとなったのだ。そして今回も『記憶を食む』を見つけるや否や、すぐに手に取り、ニヤニヤしながらページをめくり、「僕のマリ」さんの世界に浸っている。


この本の魅力は、まず目を引くシンプルであたたかなイラストや柔らかな色遣い。それだけでなく、タイトルには少し鋭さがあって、読む前から「どんな内容なのだろう?」と想像が膨らむ絶妙なバランスがある。表紙を眺めるだけでも心が小躍りし、自然と期待が高まってしまう。

はい。ハードル上げてます。

さぁ、あなたもこの本を味わってみませんか?ページをめくるたびに心に温かな風が吹き込むような、そんな感覚に陥るでしょう。

なんだか「僕のマリ」さんのことが気になってきました。
エッセイなので彼女のことを知ることができ、どんどん好きになっていくと思いますよ。

 

「食」が繋げる「記憶」がテーマのエッセイ

冴羽獠の隣にいつも槇村香がいるように、私たちの記憶の隣には、いつも何かしらの食べ物が寄り添っているものだ。楽しい記憶も、ちょっとした日常のひとコマも、その時食べたものが香りや味とともに体内に染み込むようにして紡がれていく。

もともとnoteで連載されていたこのエッセイは、読者からの熱い反響を受け、ついに書籍化に至った一冊。

これは紛れもなく、実力が証明された結果と言っていいでしょう。

本作は3つの章に分かれ、それぞれ7項目ずつ、全21項目で構成されている。その内容たるや、タイトルを見ただけで思わずヨダレが止まらなくなるようなものばかり。

「チーズケーキの端っこ」「真夜中の炭水化物」など、どれも魅力的な題名が並ぶ。そしてもちろん、文章はどれもほっぺたが落ちるほど美味な内容ばかりだが、中でもひときわ記憶に残るのが「直樹の焼きうどん」だ。

この焼きうどんには、まるで食べ物も本も、そして私たちの日常さえもすべて詰まっているように思える。

さて、あなたならどのメニューから一口目をいただきますか?

「目からウロコは1枚も落ちない」が、いちばんの収穫

読書をする理由は、きっと人それぞれ違うものだろう。

「学び」を求めて本を開く人もいれば、「楽しみ」を得るためにページをめくる人もいる。ボク自身はどちらか一方に偏るわけではなく、その両方を求めて読書をしている。だけど、やっぱり読んでいるうちに心を打つ文章に出会うと、付箋を貼ったり、マーカーで線を引いたりしてしまうことが多い。

そういう意味では、この本には一切付箋を貼らなかったし、マーカーを引いた箇所もない。

それなのに、不思議と各章の題名を見るだけで「ああ、これはあの話だな」とすぐに思い出せるのだ。

それはきっと、この本を読んでいる間、たくさんの「共感」を得られたからだろう。自分なりにそう分析してみて得られた答えだ。そしてこの答えにたどり着いた瞬間、普段の自分がいかに「良いこと」を伝えようとばかりしていて、本当の意味で共感を得られていなかったことに気がついた。

はい。完全にカッコつけてましたね。


この本を読んで、そんな自分に気づき、新しい一歩を踏み出すことができた。

まるで、読み手の尖った部分を優しく整えてくれるサンスター文具の「かどまるん」のように。

この本もまた、今のあなたの心の角をやんわり削り取ってくれる、そんな存在になるかもしれない。

「共感」できる部分の多さって大切ですよね。
お笑いも「あるある」が面白いのも同じ理由ですよね!

 

一度読んだらクセになる「僕のマリ」さんの文章。
この作品をきっかけに読んでみませんか?

Profile

小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当

楽しく生きるためのヒントが詰まったこの1冊は、未来の自分に期待をさせてくれるかもしれません。  






































































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