【書評】本の虫 小川の本棚 「ものの見方検定」presented by Book cafe & bar Sen 124

作品名：ものの見方検定
著者：ひすいこたろう
出版社：祥伝社

絵本作家おがわひろきの考え方の原点はこの本

この本が出版されたのは2014年11月だ。もちろんはじめて読んだのはその頃。

それからこの本の考え方が自分の中に浸透してきた気がする。

著者のひすいこたろうさんは、この本以外にも「見方」が変わると「味方」変わるをテーマに本を書いているので、おがわは〝ひすいイズム〟でできていると言っても過言ではない。

そんな中で、今回の「ものの見方検定」はそのテーマのド真ん中の１冊となっている。

日々の生活をしていると「最悪」と感じてしまう出来事だって降りかかってくる。

そんな時に、この本の考え方が染み付いていると、ちょっと視点を変えて救われることもでてくるだろう。

そうゆう意味では、この本は、これからの生活を生き抜くクスリのような存在かもしれない。

視点が変われば、世界が変わる。その気づきを“楽しく”教えてくれる一冊。

さすが、ひすいこたろうさん。
人生がちょっと軽くなる“ものの見方”を、今度は クイズ形式 で届けてくれました。

はい。読んでいてニヤニヤが止まらないのです。

たとえば、

• 矢沢永吉さんは、30億円の借金を背負ったとき、それを「〇〇」と思うことにした
• 宮崎駿監督の映画づくり３原則、「おもしろいこと」「つくるに値すること」そして「○○○○○○」
• この世で最強の“運気UPアイテム”は「○○○」
• 過去を変えるただひとつの方法は、「○○」を変えること

……気になりますよね？
そう、その“気になる”が、この本の入口。

読みながら答え合わせをすると、「そっちの視点、あったか！」と心の中で膝を打つ瞬間が何度も訪れる。

まさに、ひすいこたろうさんのの集大成だ。

くすっと笑って、ふっとラクになれて、気がついたら前向きになっている。
そんな魔法が詰まった一冊です。

人生に革命は起きなくても、毎日がちょっと楽しくなることは間違いない。

大事なことは、解釈の選択肢

ボクは障害福祉の現場で働いていることもあり、その中で学んだ知識に「リフレーミング」という考え方がある。

これをはじめて知ったとき、正直あまり衝撃がなかった。

なぜなら――
すでに“ひすいイズム”が染みついていたからだ。

例えば、

• 「うるさい」 → 「元気がいい」
• 「飽きっぽい」 → 「いろんなことに興味を持てる」

たったそれだけの言い換えなのに、相手に向けたネガティブな感情がふっと軽くなることがある。

そう、世界は変わらない。
変わるのは見る角度だけ。

だからこそ、この本を多くの人に読んでほしい。
「なんでもかんでもポジティブに！」と押しつけるのではなく、解釈の引き出しが増えるだけで心はもっと自由になる。

選択肢がひとつしかないとき、人は苦しくなる。
でも、ほんの少し視点が増えるだけで、生きやすさがぐっと広がる。

事実はひとつでも、感じ方はそとそれぞれ。
その感じ方、解釈を広げてくれるこの本は、誰にとっても優しく寄り添ってくれる１冊です。

Profile#

小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen（せん）」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー！』（みらいパブリッシング）を出版。毎週金にスマヒロで書評を担当。