帯広で映画を観た!シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。
『劇場版SPY×FAMILY CODE:White』
主要人物
精神科医(スパイ『黄昏』)の父ロイド
市役所勤め(暗殺者『いばら姫』)の母ヨル
人の心が読める養女のアーニャ
未来予知ができる飼い犬ボンド
疑似家族とはいえ、恋愛や血の繋がりだけで家族になるのではない、お互いを思いやる気持ちがあれば家族という結びつきは成立する、そんな在り方の家族の物語でもあります。
映画で描かれるのは、原作から離れたサイドストーリーです。
つまり、サイドである以上、本編世界に自然に帰らなくてはなりません。
隠している秘密がバレてはいけないし、原作の設定が破綻してはいけない。
だからといって話のスケールが小さくては映画として面白くない。
『劇場版SPY×FAMILY CODE:White』は、原作の持ち味を上手く生かしつつ、ピンチを盛り上げ、強大な敵あり映画的な山場あり、各キャラクターの可愛さ・見せ場ありの良映画でした。「原作でそうなっていない以上、大丈夫」と分かっていても、危機的状況には見事にハラハラさせられましたよ!
すれ違いの「お約束」がいいんです
『黄昏』は有能なようで嘘がとても下手だけれど、ヨルさんが天然なので通用するだとか。
ヨルさんが素直で天然すぎて、あらぬ勘違いが発生するだとか。
心は読めるけれど機微にはからきしのアーニャが、無自覚な言動で『じなん』を振り回すだとか。
『SPY×FAMILY』はこうした、それぞれの特殊能力(と欠点)のせいで、すれ違いの発生する「お約束」が、とてもいいんです!
あと映画として、原作有りの長編作品だと「どのキャラが登場するか」が見る・見ないの大事な判断基準になってきますが、『SPY×FAMILY』はフォージャー家のメンバーが外れることはない、という安心感があります!!
今回の映画版でも、遺憾無く甘酸っぱさが堪能できました。
アーニャは元々可愛いですが、特に本作で可愛さを発揮するのはヨルさんです。
血の繋がりはなくともフォージャー家は、全員思い込んだら真っ直ぐなところと、どこかに漂う品の良さというか育ちの良さが共通していると思っています。それも『SPY×FAMILY』を推せる理由です。
アーニャはチョコレートを舐めて食べるタイプ?
一途さというか真面目さがときに空回りしたり、過剰暴走するけれど。(あと、父と母がスパイと暗殺者だけど)
アーニャも野生児のようでいて、思いやりのあるとてもいい子です。
本編のネタバレにならない範囲で言える今回の映画での発見は「アーニャはチョコレートをガジガジ噛むのではなく、舐めて食べるタイプではないか」ということです。(推定)
チョコレートを噛み切らずに舐めて堪能できる子は、かなり忍耐力があって育ちがいいと思いました。
知らんけど……。
『総統』とか『腐女子』ネタが面白いからコラム書きませんか
さて映画の話はここまでで、以下は蛇足です。
そもそも、なぜ一般人のソフトなオタク(腐女子)がこのコラムを書くことになったのか?
お話させていただきたいと思います。
ある日突然、株式会社スマヒロ代表|編集者を名乗る北川氏なる人物からDMが来たのです。
説明いたしますと、私なぜかSNSで「台湾の蔡英文総統に似ている」ということになり、そういう扱いになってしまったものです。それで「総統」と呼ばれたり、台湾在住の扱いを受けることがあります。
全然似てないんですが……。
どうして……。
と、私が一番思っています。
また「ステラおばさん」や「近藤春菜さん」等々、これまた似てはいないけれど「似ている」という前提でイジられることしきり。そのため振られたら「――じゃねーよ!」と答えるという……気づけばそんなことになっていました……。
そんなこんなでSNS繋がりで知り合った人に出会うと「全然、蔡英文総統には似てないんですね」と言われたりもする日々です。
「そらそうよ!!!???」
「自分から似ているなどと詐称したことはないんですけどね!!??」
という理不尽に晒されています……。
ソフトなオタク(腐女子)は、隠そうと思っても隠しきれるものではないので隠してはいませんが。
ただの一般人なのに「総統と呼ばれた女」の、何が面白いのか分からないし、話が広がるとも思えません!
そこで送られてきたDMを見て、私は思った!!
頭おか――いえ、さすがスマヒロ、目の付け所がスマートだね!! と……。
「その意気や良し!(良くはないが……)」と、三日三晩寝ながら考えました。
40歳を過ぎて「女子」を名乗るのも何ですが、いくら行間を何倍にも拡大し妄想を嗜む種族とはいえ、人の作品を読むだけで、自分で二次創作の薄い本を作り責任を持って配布したことがありません。腐界での階層は低いのです。貴腐人にも汚超夫人にもなりきれぬ、あくまで嗜む程度の者です。
スマートメディア『SUMAHIRO』の雰囲気には全然合わない
そんな半端者が、腐女子要素を生かす……とは?
「断ってくれたり、なかったことにしてくれていいんだけれど……」という期待を込め、提案しました。
「圧倒的におもしろいメディアが十勝を救う」を掲げるスマートメディア『SUMAHIRO』の雰囲気には全然合わないだろう「オタク特有の早口でまくしたてるイメージで、おしゃれな写真とかもなしで、何の話だったかあっちゃこっちゃ行って読み手が分からなくなるくらい、他の人の3倍喋り倒していい?」と。
すると、即答で通ってしまったのです……。
――いや、いいのかよ!!!???
この人どうかしてるよ!! 怖い!!!!
……ということで、始まってしまったたわけでございます。
しかし、ただの一般人が欲望の赴くままにしゃべり倒しても、何の救いにも貢献にもなりません。いくら『山なし・落ちなし・意味なし』を嗜む者でも、それはいけない!
というわけでコンセプトを設定しました。
【このコラムの3つのコンセプト】
・極力ネタバレなしに新作映画を見ようか迷っている人に判断材料を提供!
・帯広の街中商業施設(映画館)と映画文化を応援!
・映画評と思って見にきた人に、少しずつ十勝の話題をサブリミナル!
以降、これを基に展開していく予定です。
――と思ったのに、ある意味私も『二重生活者』繋がりということで最初のコラムの題材に『SPY×FAMILY』を選んだものの、準備期間中に地元映画館での上映、終了してしまったんですけどね!! そんなこともあるさ!(何という幸先でしょう……!)
ちなみに私、先日急逝された鳥山明先生のマンガ・アニメで育った世代です。
ドラゴンボール、キン肉マン、聖闘士星矢などを劇場で見ました。
『劇場版SPY×FAMILY』は新しいけれど、あの頃の懐かしさと、その系譜への連なりを感じる作品でもありました。
『東映まんがまつり』で得たワクワク感が「そうだマンガやアニメを作ろう!」に向くことはなかったものの、今でも映画館に足が向くのは、子供の頃の原体験が大きいと思っています。
本屋さんも同じですが、自分が良かったと思っているから、後の世代のためにもなくなってほしくない。微力でもその一助になれば、との願いを込めてコンセプトを設定しました。
しかし、このコラムがどれだけ異質か……違いを体感したい方は、ぜひ株式会社スマヒロの「圧倒的におもしろいメディアが十勝を救う」Webメディア『SUMAHIRO』の別記事をご覧ください。
(「よくOKしたね!?」というあまりの驚きに言葉を失ったため、今回の十勝アピールはそちらにお任せします)