帯広で映画を観た！シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ（美味しいご飯・趣味・脳内妄想など）で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定（とかち検定）上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。今週の映画は『ヴェノム：ザ・ラストダンス』です。
前回のコラム「帯広で映画を観た！」はコチラ
2024.11.14帯広で映画を観た！シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ（美味しいご飯・趣味・脳内妄想など）で足る...
『ヴェノム：ザ・ラストダンス』を観てきた
過去作を全く見たことがない作品でも理解できるのか？
エイリアン的な造形が苦手な私でも大丈夫か？
食わず嫌いになっていないか？
というわけで挑戦して参りました。
『ヴェノム：ザ・ラストダンス』！
ぬめぬめとした唾液を垂らし、牙がいかつい怪物としてのエイリアンの造形を見るとき、私がいつも思い出すのがNHKの番組で見た宮崎駿監督の逸話です。
（ジブリ作品に活かせないかと提案された、ゾンビのような動きをするCGサンプルを見て「生命に対する侮辱を感じます」「極めて不愉快」と激怒していた件）
あくまでフィクションだし、生命に対する畏敬不足とか侮辱とまでは思わないけれど、分からなくもないんです。
この種の造形と動き、個人的には苦手で……。
作ることが可能になったからといって、その技術力を生かすのにそっち方向に行かなくてもいいのでは……という気持ちになります。
「そろそろ平気になっているだろうか？」と確認に行きました。
気分転換の娯楽としては良い。ただし造形はやはり苦手。
ギリギリきつい！！（冒頭が特に）
耐えられないほどではないけれど、ヴェノムが可愛いと思える域には至れませんでした……。
（代わり、主人公とヴェノムの関係性をそんなにウェットに感じずに済んだという利点はあり）
出会いと別れ、絆の話でも、室井さんの映画のような湿度と重さ、しんみりしっとりとした滋味とは真逆！！
アメコミ原作だけあってド派手なアクションあり、ラスベガスの華やかな映像あり、非常にアメリカ映画的な娯楽作でした。
（話の雑味も、ハチャメチャさと力技で押してくるところも）
気分転換用の娯楽作としては「こういうのでいいんだよ、こういうので」と思うところ。
（ただし造形は除く。＞大事なことなので２回言いました）
ただ流れである程度は「この人は親しい知り合いなのだろう」とか「そういう設定なのね」というのは分かるものの、世界観等を把握するのが、最近見た作品の中では一番込み入っていて、とっつきにくかったです。
シリーズ３作目を予習なしに初めて見るんだから「そらそうよ」という話で、誰も悪くないです。
それでも、『X-ファイル』のファンとしてはエリア51のシーンはアガりましたし。
「俺はトム・クルーズじゃない！」のシーンも良かったです。
（トム・クルーズほどではないけれど、かなりのシーン主人公のトム・ハーディが裸足かそれに近い防御力の低い足元で、違う方向で体を張ってると感じました）
この作品では、本編終了後エンドロールの合間と最後に２回映像が入ります。
（１回目で終わったと思って帰っている人達がいましたが、途中で席を立たないでいただきたいです！）
特に２回目の「君かっ！？」という人物が登場するのが面白かったです。
十勝にもゆかりのある、詩人・谷川俊太郎さんを偲ぶ
今回は無理やり十勝とこじつけようにも、UFOとかエリア51的なスポットとして、これという決定的な場所もないしなぁ……などと、諦めたら試合終了です！！
（いや、ないならないで別に許してくれるとは思うんです。他のコラムは簡潔ですし。「オタクの滔々としたおしゃべり感を出したいので、長々書いてもいいですか？」とうちが異質なだけで……）
先日９２歳で亡くなられた、詩人・谷川俊太郎さんの第一詩集『二十億光年の孤独』！
タイトルにもなった同名作品は、広漠な宇宙の中で地球という小さな球の上で生きる孤独を描いた詩です。
混声合唱曲にもなっています。
『二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした』
このラストの一文だけでも、何というセンスでしょう！
谷川さんは、六花亭製菓の創業者・小田豊四郎さんが始めた児童詩誌『サイロ』の関連事業でたびたび十勝にも来られていました。
六花亭の社歌「六花亭の歌」（1988年）の作詞もされています。
また帯広小学校開校１００年に際し、谷川さん作詞、息子で作編曲家・ピアニストの賢作さん作曲で、記念讃歌「大きな木のうた」が作られています。
創作家・創作物の死は、誰にも顧みられなくなり、話題に上らなくなったときとも言います。
別れは寂しいことですが、他の作品・作家同様に、私たちの記憶の中で詩人・谷川俊太郎はまだまだ生き続けることでしょう。
謹んでお悔やみ申し上げます。
PROFILE
三崎 裕美子 | 腐女子 / 総統
1980年生まれ。北海道帯広市出身｜釧路→新橋のサラリーマン（港区女子）→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ（美味しいご飯・趣味・脳内妄想など）で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定（とかち検定）上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。
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