帯広で映画を観た！シネマ de 十勝 映画『ミッション・インポッシブル　ファイナルレコニング』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.62

帯広で映画を観た！シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ（美味しいご飯・趣味・脳内妄想など）で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定（とかち検定）上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。今週の映画は『ミッション・インポッシブル　ファイナルレコニング』です。

前回のコラム「帯広で映画を観た！」はコチラ

大元は『スパイ大作戦』――のはずでも！

「トム・クルーズを見よ！」とばかり、アクション俳優としてのトム・クルーズを堪能する映画。
それこそが昨今の『ミッション：インポッシブル（M:I）』シリーズ！！（異論は認めます）

最新作『ミッション：インポッシブル／ファイナル・レコニング』を先行上映で見てきました！

自分史上最強スタントに挑み続けるトム・クルーズ、御年62歳（もうすぐ63歳）のノンストップアクション。
（撮影期間だって、少なくとも還暦は超えていたはずなのに！！）

『スパイ大作戦』の流れを汲んだ話としても、どんでん返しも、単体映画としては１作目が一番好きなんですけれども。
トムがやりたいアクションがあって、そこから話を組み立てるという方向へとどんどん進化（？）し続けてきた『M:I』シリーズも、それはそれで良いとは思うのですけれども……。

そろそろ保険会社と監督、止めた方がいいよ！！？？

そんなに体張らなくても！！！！

などという凡人の感覚を超越した、タイトル「インポッシブル（不可能）」と言いながら、トムの「ポッシブル」を見せつけてくれる３時間の超大作です。
こちらも準備として２時間前から水を断ち、大福を食べて臨みました。

どんなに無茶なアクションもこなしてしまう圧巻の3時間！

今回、話を難しくしすぎた感があるけれど、ストーリーはアクション（主）の繋ぐための存在（従）だと思っているので受け流しつつ（イーサン以外にこなせないマンパワー頼みの話に「ストーリーがいまいちだった」とか言う人とは「YOUは、何しに『M:I』へ！？」と気が合わない）

おなじみの戸田奈津子先生訳でも、違和感翻訳を見つける余裕などないくらい没入していました。

「どうせどんな無茶なシチュエーションでも、イーサンが成し遂げてくれるんでしょう〜？」と頭の片隅で思ってはいても手に汗握る展開の連続。

トムの「やりたい」が先にあるので、他の映画だったらそこまで撮影しないだろうアクションシーンにじっくり尺が取られていて、空の戦いとか高所恐怖症の人間にとっては「長い」と感じる部分はあっても、基本的には息をつかせぬ３時間です。

「ラビットフッド（そういえば生物兵器マークついてたけど、何かは言われてなかったわね）」等が、ここに来て生かされるとは――。

 

過去の自分を超え続けるトム・クルーズ！留まるところを知りません

今回の工作員イーサン・ハントの最大の敵は、AIです。
（文字数制限の関係か『それ』と訳されることが多かったので、字幕派は「それ」と言われたら「エンティティ」と覚えておくと便利かも）

一方、イーサン演じるトム・クルーズの最大の敵は、過去の自分！！
人間では敵なしの領域です。

「どこまでスタントマンやグリーンバックを使わず、体当たり撮影に臨めるか」の限界に挑戦し続けるトム。

グリーンバックでの撮影が増えていったら、こういう状況になったら顔や髪が風圧でどうなるのか、リアリティを求める層のために、貴重な資料をトムは残してくれようとしているのでしょう……。
（トム・クルーズ以外の俳優でそんなシチュエーションの作品作ったら、違う意味で大事故になりそうではあるけれども……）

本人がやりたくてやっていることとはいえ、万が一ミスがあったときにはもう笑えるNGシーンでは済まなさそうな感があり、ファンサービス映画という趣はあるとはいえ、そろそろ「いいぞもっとやれ！」ではなく、誰か止めた方がいいとも思う……。

「物珍しげな顔で空母を見るイーサン」とか、演技力だって素晴らしいんだからさ……。
（何度も着艦したことがあると我々は知っている）

「そこまでしなくても」を更新し続けて来た役者トム・クルーズ。

 

さて予告と作中でも、さらっと過去映像が流れます。

単純な過去の振り返り映像ではなく、そこにも意味がありますので！

という方には、私は前作よりも１作目をお勧めしたいです。

ただ、工作員を始めて３０年……だったか、作中でトムがイーサン・ハントを演じ始めたのと近い数字が出されたり、過去映像を見て「若っ！！」とはなるけれど、トムに流れる時間軸が異次元なので「イーサン、今何歳の設定！？」と戸惑う。

今回の作品では、イーサンは「世界を救う」という壮大な役割を与えられます。
（工作員なのに、救世主という大きなもの背負わされすぎ！）

AIの裏をかくために「古典的方法で秘密連絡を取り合い、爆発消去」が一周回って、原点回帰しても逆に違和感がなくなっていた点も良かったです。（タバコ吸えなくなった火気厳禁の世界でなくても、「飛行機の中でテープ爆発」は「ただでさえ顔が目立つのに！」とハラハラした）

『ミッション：インポッシブル／ファイナル・レコニング』
これまでの集大成であってもシリーズ最終作とは銘打っていないので、ここからまだまだシリーズ作品が作られていくことを期待しています。

 

この映画を見た後、水分不足で明け方近くに激しいこむら返りを起こした惰弱と違い、とにかくトム・クルーズと周りのスタッフがストイックにタフであることを思い知らされることになった作品でした。

PROFILE

三崎 裕美子 | 腐女子 / 総統
1980年生まれ。北海道帯広市出身｜釧路→新橋のサラリーマン（港区女子）→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ（美味しいご飯・趣味・脳内妄想など）で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定（とかち検定）上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。