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帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『国宝』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.64

帯広で映画を観た!シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。今週の映画は『国宝』です。

前回のコラム「帯広で映画を観た!」はコチラ

トム・クルーズの最新作に引き続き「3時間!!!」という上映時間に慄きながら、臨みました!

映画『国宝』。

事前の水断ち&頻尿対策にはお餅が良いというので「すあま」を食べ、水分補給を本格的に始めるのは上映1時間以上(体感)たってからという万全の体制で、トイレに立たずに済みました!

3時間、間延びは感じなかったです。

劇中劇として歌舞伎と舞踊部分をじっくりと見せてくれます。

その一方で、ストーリー部分の「端折った」感というか「駆け足」感もすごかったです。

そのため、歌舞伎部分もストーリー部分も「もっと見せて!」と感じる3時間でした。

『国宝』における歌舞伎は、『ミッション・インポッシブル』のアクションのポジションに似ている、とも。

つまり、話の駆け足進行は、歌舞伎シーンを繋ぐための存在であったように感じました。

それでもそこそこ共感できたり「いいもの見た」を思えたのは、俳優陣のマンパワーに依ります。

特に吉沢亮&横浜流星、この二人の演技力に依存しすぎているのではないかと思うくらいで。

俳優陣の演技力でうまく支えられて、「じんわり」とか「しんみり」した後味を感じられたものの、逆に話がダイジェスト過ぎて感動させて泣かせたいだろう部分が「じんわり」「しんみり」レベルに止まったとも言えるかもしれません。

原作小説未読のためあくまで推定ですが「原作のスーパーダイジェスト」という感じなのでしょう。

女性関係だけでも、本来あったはずの脚本が削られたのか何なのか、説明不足にして整理不足な「散らかった感」……。

なのにHシーン2発(PG12)は必要だったのだろうか……。

(それがサービスになるだろう人はいても、私にとって尺があったら踏み込んで欲しいのはそこじゃない……)
総統
総統

 

「芸事&ブロマンス(男性同士の親密な関係)」という観点から、同系列の作品として『さらば、わが愛/覇王別姫』を思い浮かべてる人もいますが、あれは政治&時代に翻弄される直球の恋愛物なので、私は『昭和元禄落語心中』のが近いと勝手に思っています。(時間の関係もあって、親密さも情念も芸についても映画『国宝』は10倍希釈ですが)

ともあれ「100年に一度」は大袈裟でも「これを他の映画と同じ値段で見ていいんですか?」という映像コスパの良さ※は、近年の邦画最強だと思います!

私はコスト(お金・時間)のかかった作品が大好きなので!!

※決してドラマ部分は褒めていないことにご注意ください
(私にとって、そっちの現トップは『たべっ子どうぶつ』なので!)

舞台公演を高性能カメラで撮影した『シネマ歌舞伎※』と、映画の間に位置するかのような作品で、最近見た邦画の中で『国宝』には一番の映像価値を感じました。

※自治体図書館などで視聴覚資料として収蔵されていることがあります

地方民にとって歌舞伎に触れられる機会は貴重

私、首都圏に住んでいた頃、お江戸にいる間しか享受できない娯楽を求め、よく分からないなりに歌舞伎を見にいき始めました。

気づけば、新作歌舞伎以外でイヤホンガイドは手放せなくても、歌舞伎座の昼・夜公演、月によっては新橋演舞場や国立劇場に通っていました。(1度だけパルコにも行った)

伝統芸能と言っても、身一つで講演して回れる落語と違い、地方民にはアクセスが容易ではないのが歌舞伎。
少しでも興味のある人には、映画を通して知って触れることのできる貴重な機会だと思います。

それで興味が出てきてもっと踏み込みたい人は、それこそ『シネマ歌舞伎』やNHK「古典芸能への招待」を見たらいいし。

従来ファン層から間口を広げうる、歌舞伎の宣伝作品だと思いました。
(「話が見えないけど原作ではここどうなっているの?」という意味では、原作小説の宣伝にもなっているかもしれない……)

しかし吉沢亮&横浜流星という役者さんを改めて「すごい!!」と感じました。

歌舞伎の家の部屋子になる喜久雄(吉沢亮)が、舞台上でその才能と華を表現しなくてはならない。

一方で、歌舞伎の家に生まれ喜久雄と切磋琢磨するも、培ってきた確かな下地があることを示しながら「及ばない」部分がある役どころ。それを歌舞伎の舞台上の演技で表現しなくてはならないという難しいことをやっている。

女方としての声の出し方といい舞踊といい、(当然本職には及ばなくても)演者さん達の努力と才能が感じられる作品でした。
喜久雄が自分をビンタしてからの『曽根崎心中』お初のセリフとか、ゾクゾクした。

息をつかせぬアクションの連続ではなくとも「長い」とか「たるい」とは感じず「眼福、眼福」という意味で「いいもの見たー」という感覚に包まれた作品でした。

早着替えとか、裏側から見ることができるだけでも嬉しい。
総統
総統

 

『ガンダム ジークアクス』は「『機動戦士ガンダム』確認しなきゃ!」と原点回帰させる力を持った作品だと思いましたが、『国宝』も「久々に『鷺娘』や『曽根崎心中』が見たい!」と思わせてくれる作品でした。

そこでシネマ歌舞伎なのですが。『鷺娘』も『曽根崎心中』もラインアップにございます。

しかも演じているのは坂東玉三郎!

撮影された日は違っても、私多分この公演を見たんです!

なんというか、幽玄の……人ならざる生身ではない存在(しかも美しい!)で。

映画で表現したかっただろう『国宝』の年月をかけて受け継がれ磨き上げられた芸のリアルと凄みは、そこにある。

北海道に戻ってからすっかりご無沙汰で、現在の歌舞伎界の様相はさっぱり分かっていませんが。

坂東玉三郎の『天守物語』や『鷺娘』は、本当に素晴らしかった!!
総統
総統

 

作中で喜久雄達が見た人間国宝(田中泯)はこういう役者さんだろうなというイメージとして私が浮かんだのは、中村芝翫(七代目)。

面長で特徴的な容貌で、女形としては決して現代風の美女ぶりではなかったけれど、『貴種の女』を演じる時の気品は抜群で、『平家蟹』での、情念と凄みにノックアウトされたのでした。

歌舞伎はチケットのお値段によって見える景色が違うとか、そういうところも良かった。

まだイヤホンガイドが手放せない初心者が勉強に数を見たいとなったら、普段は安い席でしたが。
奮発して正面、一等席で見る時の景色は、格別でした。

背景含めて、動く絵画!!

今で言うストップモーションとコマ送りな動きがあったりで、ここぞといういいシーンをたっぷり見せてくれる歌舞伎の世界。

それを映画では、一等席からオペラグラスを使っても見えない部分まで寄ってくれていて、良いです。

歌舞伎が好きな方だから「もっと見せて」と思うのか、全くわからない人でもそう感じるものかは分かりませんが。

『教皇選挙』や『岸辺露伴』を見て「イタリアロケとか、もうズルいよ〜〜〜。そこかしこが格好よくて絵になるに決まってるんだから〜〜〜〜!」と思っていたものの、「あ、日本が舞台でも絵になる場所あったわ!」と思い出させてくれた映画でした。

喜久雄も部屋子になるには結構遅めで、天才と言いたいのかそこまで飛び抜けたものはなかったけれど努力の人と表現したかったのか、よく分からないのですが。

ただ両方演じられる人はいても、渡辺謙は女形には見えない!

渡辺謙が女形は無理があるだろう!!??
総統
総統

 

とそこは声を大にして言いたいところでした。

PROFILE

三崎 裕美子 | 腐女子 / 総統
1980年生まれ。北海道帯広市出身|釧路→新橋のサラリーマン(港区女子)→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。































































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三崎 裕美子

腐女子 / 総統

1980年生まれ。北海道帯広市出身|釧路→新橋のサラリーマン(港区女子)→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。

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