私の古巣で、老舗の経済雑誌を発行する株式会社経済界が、日本経済界において優れた業績を上げ、社会に貢献した経営者を表彰する「経済界大賞」の授賞式に出席してきました。今年は150年企業「資生堂」の魚谷雅彦CEOが受賞。ゲストには、FIFAワールドカップカタール2022 で日本躍進に導いたサッカー日本代表の森保一監督も。今回は経済界大賞をリポートします。
経済界大賞は魚谷雅彦資生堂社長・CEO
第47回経済界大賞が、2023年1月13日に東京・帝国ホテルで開催されました。経済界大賞は、日本経済界において優れた業績を上げ、社会に貢献した経営者に対して毎年行われる表彰式です。
今年は、審査委員会(委員長:武藤敏郎・大和総研名誉理事、冨山和彦・日本共創プラットフォーム社長、牛島信・牛島総合法律事務所代表弁護士)の審査によって各賞が決定。
映えある経済界大賞に選ばれたのは、魚谷雅彦・資生堂社長・CEOでした。受賞の理由は、初の外部招聘経営者として、ブランドの大幅見直しや日用品事業の売却などの構造改革に取り組み、コロナ禍で落ち込んだ業績を立て直すとともにアフターコロナ時代への準備を進めてきたことが評価されました。
※詳しくは雑誌「経済界」2月号に掲載されています。
また、資生堂としては2022年に創業150年を迎え、女性の美を追求し続けつつ、女性の社会進出に多大なる貢献をしてきたことも評価されたそうです。
優秀経営者賞に髙橋和夫東急社長、伊達美和子森トラスト社長
また、優秀経営者賞には、髙橋和夫・東急社長と伊達美和子・森トラスト社長がそれぞれ受賞しました。髙橋和夫・東急社長は、鉄道を基盤とした街づくりを進める中で、渋谷の再開発事業は「若者の街」だった渋谷をあらゆる世代の人たちが集まる街に変貌させ、進化し続ける街づくりが評価されました。
伊達美和子・森トラスト社長は、「帝国ホテル 東京」「The Okura Tokyo(旧・ホテルオークラ東京)」「ホテルニューオータニ」の「御三家」ホテルを除けば、高級ホテルがないと言われた日本で、数多くの高級ホテルを建設、日本のラグジュアリーホテル市場をリードしてきたことや、数多くの再開発事業に携わってきたことなど、日本に新しい風を吹き込んできたことが評価されました。
ちなみに、雑誌「経済界」の記者時代に私が担当した「東急電鉄の挑戦」特集から10年が経ったいまでも、定期的に東急特集が組まれるようなったそうです。個人的に思い入れもある「東急」の受賞は嬉しいですね。
ベンチャー経営者賞に冨田英揮・ディップ社長、柴原慶一アンビスHD・CEOが、社会貢献賞に米良はるか・READYFOR CEO
続いて、ベンチャー経営者賞には冨田英揮・ディップ社長兼CEOと柴原慶一アンビスHD・CEOが、社会貢献賞に米良はるか・READYFOR CEOが選ばれました。
ご存知の通り、冨田英揮・ディップ社長兼CEOは、アルバイトマッチングサイト「バイトル」の運営会社で、創業者の冨田氏は「時給をあげよう」キャンペーンを掲げ、非正規雇用者の所得増に貢献していることが評価されました。
柴原慶一アンビスホールディングス・CEOは、医師から45歳で起業を志し、ホスピスをを中心に全国63施設、3千床を展開。2019年には東証ジャスダックに上場。日本の終末医療に革命を起こしていることが評価。
一方、社会貢献賞に選ばれた米良はるか・READYFOR CEOは、日本にクラウドファンディングを定着させた功績のほか、寄付文化を根付かせ、民間資金で社会課題を解決する手段を広めているとして受賞しました。
経済界GoldenPitchi2022は3人が審査員特別賞
経済界大賞の受賞式では、次世代の日本を担う起業家やスタートアップを発掘し、その挑戦を応援する経済界のビジネスアワード「経済界GoldenPitchi2022」(旧・金の卵発掘プロジェクト)もあわせて表彰。過去11年にわたり開催してきた「旧・金の卵発掘プロジェクト」では受賞者の累計調達額は180億円を超え、上場やM&Aなど、日本を代表する起業家を輩出してきているそうです。
残念ながら、今回はグランプリは該当なしでしたが、審査員特別賞に3社が選出されました。
「経済界GoldenPitchi2022」審査員は以下
・各務茂夫(東京大学大学院工学系研究科・技術経営戦略学専攻 経営学博士)
・林野宏 (株式会社クレディセゾン 代表取締役会長CEO)
・関美和(株式会社M Power ゼネラル・パートナー)
・水野 雄介(ライフイズテック株式会社 代表取締役CEO)/ 2011年 経済界Golden Pitch (旧・金の卵発掘プロジェクト) 最優秀賞受賞者
・石井 貴基(千葉道場取締役パートナー)/ 2013年 経済界Golden Pitch (旧・金の卵発掘プロジェクト) 審査員特別賞受賞者
特別賞を受賞した、プロタゴニス(吉田将人・代表取締役)とは、オンチェーンデータを活用した次世代採用プラットフォーム「Desume」を運営。企業がブロックチェーンやNFTの専門人材を採用する際に、他では探せない人材を探すサービスを提供。まさにWeb3社会を体現する取り組みとして評価。
ロゴスサイエンス(種村秀輝・社長)は、臨床現場の診察・治療アプリ「Dr.アプリ」を提供。早稲田大学応用脳科学研究所との共同研究成果をベースに診察心因性EDなどストレス起因とされる疾患の軽・中度の患者のメンタルセルフケアを可能とし、社会課題解決を目指す「デジタル・セラピューティクス」に期待が持てるそうです。
最後のしゃもじ(土井良記・代表取締役)は、アマチュア野球チーム向けにチーム力および選手の能力向上サービス「スコマネ×スポログ」を開発。野球特化の身体能力テストを50以上の測定項目に及び、その結果を踏まえたトレーニングメニューを提示。今後は140チーム、4800人以上の選手の利用を見込むそうです。何より代表の土井氏の野球愛・熱が今後のアマチュア野球のあり方を大きく変える可能性を評価されました。
サッカー日本代表 森保監督と第99代内閣総理大臣・菅義偉前首相も駆けつけました
経済界大賞では、記憶に新しい、FIFAワールドカップカタール2022 で日本躍進に導いたサッカー日本代表の森保一監督も出席。さらには第99代内閣総理大臣の菅義偉前首相も駆けつけ、会場を大いに盛り上げました。
森保一監督には、サッカーの試合を通して日本国民に興奮と励ましを与えたとして特別賞が贈られました。
森保一監督のスピーチは以下をご覧ください。
菅前首相といえば、首相在任中に大手携帯電話会社3社による電話料金値下げを実現したほか、温室効果ガスの野心的な削減目標の実現に向けて省庁の垣根を越えて取り組み、デジタル改革の司令塔となるデジタル庁の創設。さらには、国内外からの反発を乗り越え東京五輪を安全に開催した首相ですね。
ゲストスピーチでは、盟友として、友人代表として追悼の辞を述べた故安倍晋三元首相にも触れつつ「本来であれば、昨年、経済界大賞を受賞した安倍元首相が出席するはずのところを、残念ながら私が代役として出席しました」と偲びつつ、「アベノミクスとして安倍元首相が尽力した日本経済の成長を牽引する皆様の受賞を喜びたい」と挨拶しました。
今回、古巣のご縁で佐藤有美社長にご招待いただき、経済界大賞に参加できました。昨年、立ち上げた株式会社スマヒロとして、受賞は難しいでしょうが、雑誌「経済界」に取材されるよう「地方創生」に力を注いで行きます。
多くの経営者と会い、交流を持てたことに感謝しつつ、リポートを終えたいと思います。
最後に以前も書きましたが、「経済界」は、昨年経済界インキュベーションセンター(KIC)を立ち上げました。次世代の日本を担うスタートアップや起業家を支援する、会員制インキュベーション型コワーキング施設「KIC」(キック/Keizaikai Incubation Center)では、これから多くの新たな経営者が誕生することでしょう。
経済誌の強みである、多くの政財界とのコネクションを持つ経済界だからこそ、スタートアップの出発点として、新規事業のサブオフィスとして、地方企業の東京進出の足掛かりにはとても良いのかなと思います。私も活用させてもらうつもりです。
【INFORMATION】
会員制インキュベーション型コワーキング施設
KIC(Keizaikai Incubation Center)
公式サイト
所在地:〒100-0014 東京都千代田区永田町2-4-11 フレンドビル3階
電話:03-6441-3749
kic@keizaikai.co.jp
※内覧の申し込み・お問い合わせは上記から。経済界KIC担当まで。
会社名:株式会社経済界
本社所在地:〒100-0014 東京都千代田区永田町2-4-11 フレンドビル3階
支局:札幌、名古屋、大阪、福岡
創立:1964年4月
資本金:9,500万円
代表者:佐藤有美
電話(代表):03-6441-3741
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