北海道観光でおすすめは?と聞かれれば、農業王国十勝の中心都市・帯広市をご紹介します。最も楽しい時期はと聞かれたら、迷わず8月13〜15日のお盆ですと答えます。今回は帯広三大祭りのひとつ「平原まつり」をご紹介します。
北海道の短い夏を楽しむ帯広最大の祭りのひとつが「おびひろ平原まつり」です。帯広市街の西二条南7~11丁目、広小路を舞台にお盆を彩る夏祭り。毎年、全国的に大人気な「勝毎(かちまい)花火大会」の次の日からはじまります。
初日の夜は、五穀豊穣、子孫繁栄を願う『夢降夜』(ゆめふるや)に始まり、『おびひろ盆踊り』、『平原・太鼓まつり』、『北の大地de大道芸』と短い夏を惜しむようにイベントが続くのが、おびひろ平原まつりです。
2022年は、十勝開拓の祖として語られる依田勉三が率いた「晩成社」が帯広に入植して140年を迎えました。そんな、十勝の平原を切り開いた先人たちに感謝を捧げながら、神輿を担いで街を練り歩くのが『夢降夜』。高さ3mの神輿を担ぎ平原通りを練り歩きます。
おびひろ平原まつりは北海道観光のおすすめです
開催中は、会場のあちらこちらで多くの余興が開かれ、観客が願いを込めて神輿に十勝の恵みである小麦を投げ入れる『黄金穂投げ入れ』のほか、全国から集まる大道芸人たち、地元のダンススタジオや楽器団による発表などなど、十勝らしい余興がいっぱいです。
もちろん、会場周辺には十勝ならではのじゃがいもや小麦を使った畑の幸、海の幸、山の幸など、実る豊穣を現す“食”が並びます。
そして、平原まつり最大の見どころは夜の「盆おどり」。地元企業や団体、さらには一般参加者まで、北海道民なら誰しも知る北海盆唄(ほっかいぼんうた)にあわせて、2日間にわたって約1000人(2022年は400人)が踊ります。
お盆で帰省していた東京の大学に通うBさんは「十勝では、8月7日の七夕まつり、花火大会、平原まつりを味わえないと夏なじゃない。小さ頃は父が踊っているのを家族で見に来るのが毎年の楽しみでした」と懐かしみます。
ちなみに、北海道民ならば誰しもがしる北海盆唄は、三笠市幾春別(いくしゅんべつ)の炭鉱が発祥の地であり、北海道各地でお盆になると盆踊り用の曲として用いられるほど広がったそうです。
新型コロナの影響で73回と74回が中止。3年ぶりの開催となった「第75回おびひろ平原まつり」は、14日と15日の二日間にわたって開催。開催日は例年お3日間から短縮されましたが、2日間の来場者数は延べ約19万5000人で、前回2019年と比較して40%増加。3年ぶりで待ち望んでいた地元っ子たちが集まったようです。
十勝おびひろの夏を体感するならば、8月のお盆に決まりです。
【INFORMATION】
おびひろ平原まつり
住所 帯広市西2条南7丁目~11丁目及び広小路、夢の北広場
開催期間 例年8月14日~16日
公式サイト