藤丸パークで始動する新たな挑戦
帯広市中心部の藤丸パークで行われた記者会見は、市民や藤丸サポーター、メディア関係者が集まり注目を集めました。会見に登壇したのは、株式会社そらの米田健史社長、レバンガ北海道の小川嶺会長(株式会社タイミー代表取締役)、そして折茂武彦社長の3名です。


今回の協定で掲げられたのは大きく3つ。
② 地元企業・団体との連携強化
③ 次世代育成・教育的価値の提供
特に注目を集めたのが、十勝管内19市町村すべてに屋外ハーフコートを整備する構想。すでにレバンガ北海道は札幌ドーム横にハーフコートを設置しており、1日あたり30人以上が利用するなど高い稼働率を誇るそう。十勝でも同様の仕組みを展開し、子どもから大人まで誰もが自由にバスケットを楽しめる環境を広げる考えです。

日本代表富永選手とNBAオカファー選手
レバンガ北海道は、2025-26シーズンに日本代表の富永啓生選手や米プロバスケットボールNBAで活躍したジャリル・オカフォー選手といった実力派を獲得し、戦力を大幅に強化しました。新体制のもとで地域密着の取り組みも強化しており、道内各地でキャンプや試合を開催。特に帯広はクラブ創設以来初勝利を挙げた地であり、レバンガにとって特別な存在です。
今回の協定は、単なるスポーツ普及活動にとどまらず、地域と共に歩むクラブとしての姿勢を示すもの。北海道全体に根を張るクラブづくりの一環として、十勝での取り組みが大きな意味を持っています。

株式会社そらの歩みと地域共創
一方の株式会社そらは、地方創生を掲げ、地域経済の再生と共創に挑んできた企業です。閉店した帯広唯一の百貨店「藤丸」の再生(破産危機を防いだ)に取り組み、大手企業から100億円規模の寄付を取り付けるなど、前例のない取り組みを成功させてきました。また、地元ホテルや宿泊施設の事業承継にも積極的に関わり、地域に必要な機能を残す仕組みづくりを進めています。

野球の十勝ボールパークSORA(仮称)も!
スポーツ振興にも力を入れており、音更町ではスーパー福原と共同で「アスリートベース十勝」を設立。全天候型の多目的屋内スポーツ施設「十勝ボールパークSORA(仮称)」を2026年の開設に向けて準備中です。季節や天候に左右されない練習環境を整えることで、アスリートの成長を後押しし、地域住民の健康増進にもつなげようとしています。

今回のレバンガ北海道との協定は、そらが進める「地域の資源を活かしたスポーツによる共創」をさらに加速させるものです。
登壇者のコメント

小川嶺会長(レバンガ北海道/タイミー社長)
「農業の価値が今後ますます高まる中で、十勝・帯広エリアは必ず活性化していくと確信しています。その中で、株式会社そらと協定を結び、共に地域に根差した取り組みを進められることを大変嬉しく思います。
具体的には、十勝管内19市町村すべてに屋外バスケットコートを整備する方向で協議を進めています。十勝は全国大会に出場する強豪校もあり、バスケットが盛んな地域です。子どもたちが外で気軽に楽しめる環境を整えることは、若い世代の夢を広げる大きな一歩になると考えています。
また、来年4月には帯広のよつ葉アリーナ十勝で試合を予定しています。富永啓生選手をはじめ新戦力が揃ったレバンガ北海道のプレーを、この地で披露できることを楽しみにしています。地域の皆様とともに、新しい未来をつくっていきたいです」

折茂武彦社長(レバンガ北海道)
「帯広はレバンガにとって特別な地域です。クラブ創設時に初勝利を挙げたのも帯広でしたし、毎年のように試合やキャンプを開催してきました。そうした歴史の中で、今回、そら様と協力して十勝全域にコートを整備できることは夢の実現に近いものです。
札幌ドーム横に設置した第1号の屋外コートは、すでに子どもから大人まで1日30人以上が利用しています。しかし、北海道内にはまだまだ自由に使えるバスケットコートが少なく、子どもたちが無料で時間を気にせず遊べる場所は限られています。だからこそ、十勝に19コートを整備できることは画期的です。
私たちは、地元企業や住民の皆様と力を合わせ、この地域をさらに元気にしていきたいと考えています」

米田健史社長(株式会社そら)
「まずは本日ご参加いただいた皆様に心から感謝申し上げます。この藤丸パークは、百貨店藤丸の閉店後、帯広信用金庫様のご厚意で借り受け、街のにぎわいを取り戻すために整備したものです。
私は東京出身ですが、7年前に十勝に来て以来、その豊かさに魅了されてきました。中心部の課題が注目されがちですが、よく見渡せば十勝には無限の可能性があります。その可能性をどう事業化し、地域活性化につなげるかを常に考えてきました。
今回、小川嶺会長と出会い、わずか48日で協定を実現できたことに大きな意義を感じています。今、レバンガは富永啓生選手やオカフォー選手を迎え、勢いのある時期です。そのクラブとともに、スポーツを通じて子どもたちに夢を与え、地域に明るい未来を築いていきたいと考えています」
スポーツを軸に広がる地域共創の未来
今回の協定は、単なるスポーツ施設整備ではなく、地域の未来を形づくる社会実験でもあります。屋外バスケットコートは、スポーツの場であると同時に、世代や地域を超えた交流の場となり、イベント開催や観光誘致にもつながる可能性を秘めています。

レバンガ北海道と株式会社そらという、異なる領域で地域を動かす存在が手を組んだことで、十勝から新たな地方創生モデルが全国へ発信される日も遠くありません。
