十勝の食卓を彩る「豊西牛」で有名な北海道帯広市を拠点とする農業生産法人「トヨニシファーム」が、新たな地平を切り開くブランド和牛「雪美和牛・ゆたか」を4月から販売します。同社はこれまでに「豊西牛」や「帯広牛」といったブランド牛を生み出してきましたが、この度、十勝の豊かな大地と純粋な情熱から育まれた「雪美和牛・ゆたか」がその新たな仲間入りを果たしました。四半世紀という厳しい試行錯誤の末、生み出されたこの和牛は、帯広から全国、そして世界へと十勝の誇りを高く掲げます。美しい霜降りが特徴の「雪美和牛・ゆたか」は、食卓をより豊かに彩ること間違いなし。北海道帯広市から発信される、待望の新ブランド和牛に、全国から熱い視線が注がれています。
四半世紀の試行錯誤が生んだ結晶、「雪美和牛・ゆたか」で十勝牛が新たな歴史を刻む
北海道帯広市から、農業生産法人「トヨニシファーム」が、長い歳月を経て遂に発表した自社初のブランド和牛「雪美和牛・ゆたか」。四半世紀に及ぶ研究と改良の末に、この新たな霜降りの逸品が誕生しました。牛約5500頭を育てる同社では、和牛の肥育を1998年から開始。長年の試行錯誤を経て、今回のブランド化にこぎ着けたのです。
和牛ブランド発表会で小倉修二社長は、和牛の繁殖事業への挑戦が、大きな労力と反対意見に直面しながらも、従業員と共に壁を乗り越えた成果であると感慨深げに語りました。「途方に暮れる時もあったが、壁を乗り越えた」と述べ、ブランド和牛「雪美和牛・ゆたか」の誕生に込められた情熱と努力を振り返ります。
新ブランド和牛の最大の特徴はその「おいしい霜降り」にあります。牛脂肪交雑基準(BMS)は高級牛肉とされる6以上に設定され、名前の由来となった「十勝に舞う粉雪のような美しい霜降り」「おいしい肉で食卓をゆたかに」という思いが込められているそう。
「豊西牛」「帯広牛」に続く第三のブランドが和牛「雪美和牛・ゆたか」
この新しい和牛は、牛肉本来の旨味に満ちた赤身肉「豊西牛」やF1交雑種の霜降り肉「帯広牛」といった同社の既存ブランドに次ぐ、注目の第3のシリーズ。1998年に始まった和牛の飼育から四半世紀、小倉社長は繁殖技術の向上や血統による肉質改良のための長年の研究を経て、この新ブランドを市場に送り出す達成感を語りました。「長い時間をかけた飼育と繁殖方法の改善、そして肉質を向上させるための努力が、今日この成果に繋がりました。我々は牛肉の消費をさらに拡大させたいと考えています」と話します。
同社は、1986年にホルスタイン種の牛の飼育をスタートし、その後2013年に「豊西牛」、2021年には「帯広牛」の販売を始めるなど、トヨニシファームは着実に事業を拡大してきました。現在では合計で5550頭の牛を飼育しており、その内訳はホルスタイン種2550頭、交雑種2100頭で、和牛を含む総数は900頭に及びます。この中で肥育される和牛は350頭で、来年5月にはその数をさらに100頭増やす計画。
「豊西牛」「帯広牛」「雪美和牛・ゆたか」いずれも「プロコム北海道」がデザイン
帯広市のデザイン会社「プロコム北海道」が手がけたロゴマークは、細い曲線で牛を表現し、その柔らかさと繊細な味わいを強調。これにより、高級感と品質の良さが一目で伝わるデザインとなっており、消費者にとっても視覚的にも魅力的なブランドとなっています。ちなみに、プロコム北海道は「豊西牛」「帯広牛」「雪美和牛・ゆたか」といずれのロゴやプロダクトデザインを担当していきました。
北海道から世界へ、帯広市の「雪美和牛・ゆたか」が開く和牛の新境地
「トヨニシファーム」は、全国の飲食店やホテル、スーパーなど約1500店に牛肉を販売しており、これまでにも香港など海外にも輸出している実績があります。今回の「雪美和牛・ゆたか」により、既存の販売先に加え、新たなマーケットの開拓も期待されています。「我々は、これまでの販売網に新しい市場を加え、さらに拡大していきたい」と小倉広樹専務は語りつつ、現在25%であるブランド牛の自社販売の割合を、2029年までに60%まで引き上げるという野心的な目標を掲げました。
また、小倉社長は十勝和牛振興協議会の肥育部門で副部会長を務めており、2027年に十勝で開催される予定の「全国和牛能力共進会」について、「ブランド化された和牛が、十勝地域の和牛産業のさらなる発展への寄与となれば」と、地域産業への貢献にも意欲を見せました。
帯広から世界へと羽ばたく「雪美和牛・ゆたか」は、十勝の誇りとして、そして日本の和牛産業の新たな一章として、多くの人々に愛されるブランドになることでしょう。その美味しさを求め、全国から注目が集まる中、多くの人々が「早く食べてみたい」と心待ちにしています。