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十勝のコスプレ界で輝くコスプレイヤー寧々さんが目指すのは「企業と顧客の架け橋」

北海道のコスプレと言えば、広大な大地と自然など屋外でも映えるコスプレが楽しめると話題。そんな北海道コスプレ界を牽引するのが、レイヤー寧々さん。十勝を拠点に北海道全域で活躍する彼女が、コスプレへの情熱を語り尽くします。一体どのようなきっかけでコスプレの道に踏み出し、どんな活動を展開しているのか、そして未来への展望についても、彼女自身の熱い思いをのぞいてみましょう。

PROFILE
寧々 | Nene
コスプレイヤー 雑貨ショップ出店
北海道釧路市出身 中札内村在住
北海道全域で活動中

ーまず、ご出身はどちらですか?

出身は釧路町です。父の転勤で帯広、中札内と2度の引っ越しのあと、札幌の服飾の専門学校に通っていました。その後、地元に戻ってきました。

ー学校卒業後すぐにコスプレの活動は始められたんですか?

それが全然始められなくて。本当は18歳の頃からコスプレしたいなっていう希望はあったんですけど。当時は、母のコスプレに対しての偏見が強くてなかなか始められずにいました。そこからずっとコスプレしたいなっていう気持ちを引きずってました。数年後に帯広でコスプレイベントがあって、一般客として運んでみたんです。その時、レイヤーさんが本当に輝いて見えたので、そこからもうコスプレ始めよう!って決心しました。最初は、当時私が1番好きだったキャラクターに挑戦しました。コスプレをするのが長年の夢だったので、鏡に映る自分の姿を見て心が踊ったことを今でも鮮明に覚えています。

ー今まで何パターンくらいのコスプレをしてきたんですか?

アニメキャラだけでももう50人以上はやったんじゃないかな?ひと月に1〜2人くらいのペースですね。他にも、オリジナルのコスプレをしたりもしています。

ー不躾な質問かもしれませんが…寧々さんは本当にたくさんのパターンのコスプレをされていて、すごくお金がかかりそうだなって印象なんですけど、実際のところどうなんでしょう?

本当にお金はかかりますね。そんな中でもそこはうまくやりくりしてメルカリだったり、安いところの衣装の専門店で買って本当にもう着ないなって飽きたとか、もういいやっていうものは売ったりして。たまに、また違うキャラクターにリメイクしたりもしますね。

ー衣装についても全然知識がないのですが、既存の物が売られているんですか?それとも、全てご自身で作られているのでしょうか?

作られてるものが売られています。ほとんどそうしたものを利用してて、なかなか自分で作るっていうことをしていないですね。衣装だけじゃなくて、例えばそのキャラクターによって髪飾りがついてたりとか、そういうのもたくさん、専門店で売られてたりします。服と一緒に売られててメルカリだったら運がいい時は衣装とその髪飾りと靴も全部セットになっていたりも。ウィッグに関しても、すでにキャラクターに合わせてセットされている物も売っていたりするので、活用しています。

メルカリだけではなく、店舗で買うこともあるんですけど、少しだけ破れてしまっていたり、ボタンがひとつ外れてしまっているものが、アウトレット価格で販売されていることもあって。その程度なら、自分で直すことができるので重宝しているんです。

ー服飾の専門学校で学んだ技術が活きているんですね。専門学校入学も、コスプレを見越してのことだったんですか?

その時はそんな考えは全くなく、デザイナー志望だったんです。でも全然目的が変わっちゃって。でも結果として今活かせているっていう。なるべくしてなったような気がしてきます。

ー今ってSNSでもコスプレしている方の写真が気軽に見れたりするので、興味を持つ人も多いのではないかと思うのですが、都会と違って十勝だとあまり身近でお見かけすることがなくて、始めるのにもハードル高いのかな?と思うのですが、いかがでしょう?

思っているよりもすごくたくさんいらっしゃいますね。都会だとやっぱやりやすかったりするじゃないですか。人口が多い地域だとやりやすいところもあるけど、十勝だとみんなやってないからみたいな。初めの一歩が踏み出しにくい気持ちはとても共感できます。私自身もそうだったので。

ー衣装だけではなく、メイクも普段のものとは全く違うし、衣装は出来合いでもメイクは自分でしなくちゃだから難しそうなイメージがあります。

メイクの難易度が高いというのは私もよく聞きますね。コスプレをどうしたらいいかわからない、メイクをどうしたらいいかわからないって人は多くて、私に相談してくれる人に対しては「教えるよ!手伝うよ!」って言っちゃいます。あとは、コスプレメイク体験っていうワークショップを開催したり。そうした場で、コスプレについて1から教えたりもしていますね。着替えられるところがある時には、コスプレ全身体験でコスプレってどう?みたいなことも実際に体験できたりするようにはしてますね。

ーそれは初心者にはとってもありがたいですね!少し興味がある…って方も参加しやすそう。そうしたイベントが増えたらいいですよね。寧々さんがイベントで出店していた雑貨屋さんの一角にも「コスプレメイク体験」の文字を見かけたのですが、それは毎回やられているんですか?

はい。イベントでは主に私自身がコスプレをして参加をしていて、商品はハンドメイド雑貨を取り扱っているんですけど、ワークショップを開催している時には、希望者にコスプレメイクを体験してもらってます。所要時間は約15分で料金は500円です。お好きなキャラクターや、お好きな色をヒアリングして、私がメイクします。最初は、親しみやすいようにキャラクターに合わせた色味でアイシャドウを入れる程度だったり、本格的になりきりたい!という希望の方には、二重ラインにガッツリラインを引いたりもします。

私自身、コスプレをする前は本当に引っ込み思案な性格で、今では考えられないくらいに消極的だったんです。それが、コスプレをするようになってからは、外見よりも内面が変わったんですよね。自分のことも好きになれたし、性格もどんどん前向きになりました。

そんな実体験があったからこそ、メイク体験を通して、まだ踏み出せていない未来のコスプレイヤーさんの背中を押せたらな、という気持ちでやっています。

ーコスプレスタイルで雑貨を販売するようになったきっかけって何かあったんですか?

ハンドメイドの小物を作るのは、最初は趣味でやってたんですよ。自分で使いたい小物を作っていて。それを続けている内にご縁があって、中札内の道の駅に置かせてもらえるようになったんです。でもその時は、自分自身が表に立って販売するってことは全く頭にもなかったんですよね。

そんな中、ふと「自分の人生つまらないな」って考えた時があって。ただ普通に流されているだけでいいのかな?って考える時間が増えました。「自分も何かをやりたい」と漠然とした願望を募らせていました。「自分が好きなことって何だろう?」「自分が得意なことって何だろう?」と考えていた時に真っ先に出てきたのが、コスプレとハンドメイドだったんです。その2つをどう融合させたらいいんだろう、と試行錯誤を重ねました。結果として今のスタイルを続けています。自分らしくいられることで、毎日がとても楽しくなりました。

ーそれって素晴らしいことですよね。自分自身がまっすぐに好きだと思えることを見つけるのも、行動に移すのもとても難しいことだと思います。私も何度かイベントで寧々さんのショップを拝見して、コスプレとショップの相性の良さに驚きました。寧々さんの周りだけキラキラしたオーラがすごくて。目を引きますよね。

ありがとうございます。イベントの運営の方や、他のショップの方にも「会場が華やかになるね」と言ってもらえる機会が多くて、とっても嬉しいです。来場者の方も、初めはコスプレに興味を持って見に来てくれて、そのあと商品もゆっくりお話ししながら見ていってくれるので。ショップには、今までに挑戦してきたコスプレをまとめた写真集も展示していて、それを見て更に興味を深めて来れる人が多い印象です。ありがたいことに「写真集を販売してほしい」というお声もいただいているので、創作コスプレの写真集の販売は実現させたいと考えています。

 

ー実際私も、初めはホコテンで寧々さんをお見かけした時「推しの子」のアイちゃんの格好をされていたので興味津々でついお声かけしてしまいました。それがきっかけで、今回もこのようにインタビューさせていただけることになって嬉しいです。イベントには多数参加されているんですか?

そうですね。今年は特にイベントの開催自体が多い印象です。昨年まではコロナで自粛されていたイベントも今年は復活しているものが多くて。今年の夏は、ありがたいことにほとんど毎週末イベントに参加しています。




ー先ほどあったように、毎月新作のコスプレをされているとなるとかなりお忙しいのではないですか?

はい、実はかなりバタバタです。イベントの日は丸1日会場にいることがほとんどなので、空いている平日に準備を大急ぎで済ませています。イベント当日には完成させなくてはいけないことが盛りだくさんで。SNSも定期的に更新しているので、それ用の写真を撮影する時に、メイクや衣装の研究も一緒にやっています。キャラクターの顔に近付くように「アイラインはもう少し跳ね上げた方がいいな」「ウィッグは、この部分をもう少し調整しよう」とか、改善点を探りながら本番までに完璧に近付けていく作業をしています。

ーそれに加えて、ハンドメイドで販売する用の商品の作成もしなくてはですもんね?

そうなんです。なので、1週目はコスプレを極める期間、2週目はハンドメイドに集中する期間、と自分の中で決めて取り組んでいます。ハンドメイド雑貨を作り始めたのは、コスプレをするよりも前で。初めは自分が使う物を趣味で作っていたんです。慣れているからこそ、あまり手間だとは感じないですね。

ー本当に忙しそう。疲れてしまったり、休みたくなることはありませんか?

それは全くないんです。やっぱり、コスプレもハンドメイドも自分が好きでやっていることなので、大変とか疲れたって気持ちよりも「楽しい」が圧倒的に勝つんですよね。

ー寧々さんがキラキラ輝いているのは「楽しい気持ち」が源にあるからなんですね。納得しました。今後の夢や目標はありますか?

現段階で司会のお仕事もいただいていたりするので、今後はコスプレでの活動をもっと増やしていけたらなって思ってます。SNSでも発信しているんですけど「十勝の企業様とお客様の架け橋になりたい」という夢があります。例えば、お店の商品をコスプレで着てモデルとしてPRしたり、イベントにコスプレイヤーを派遣してもらって楽しいイベントを開催したりするのも良いかな、と考えています。十勝は自然豊かな場所で、観光地もたくさんあるので、その魅力を引き立てる活動もしていきたいですね。

 

ー素晴らしい目標ですね。コスプレを通じて地域の活性化にも貢献する、とても意義深い活動だと思います。寧々さんの未来がますます輝くことを願っています。最後に、コスプレを始めるにあたって苦労したことや、その経験からのアドバイスを教えていただけますか?

苦労したことは、やはり最初の一歩を踏み出すことでしたね。周りに理解を得るのが難しかったり、偏見や誤解もあったりすることもありますが、自分のやりたいことを諦めずに、自信を持って進んでいくことが大切だと思います。最初は何も分からない状態でも、興味を持って学ぶことから始めてみてください。そして、周りのコスプレイヤーやファンの人たちとコミュニケーションを取ることで、さまざまなアドバイスや知識を得ることができると思います。

コスプレはただの趣味と思われることもありますが、自分自身の成長や表現の場としてとても意味のあるものだと思います。自分の好きなキャラクターになりきることで、新たな一面を発見したり、自信を持つことができるかもしれません。どんな小さな一歩でも、自分の夢に向かって進んでいく勇気を持ってほしいですね。

ー寧々さんの言葉から、コスプレを通じての成長や魅力が伝わってきました。ありがとうございました。今回のインタビューにご協力いただき、本当にありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。楽しい時間を過ごさせていただきました。これからもコスプレとハンドメイドで、楽しく活動していきますので、応援よろしくお願いします!

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タカシマ

タカシマ

SUMAHIRO専属ライター

北海道出身。学校卒業後に飲食店や美容関係のサービス業を経験。その後、事業会社で広報を担当。SNSやオウンドメディアの立ち上げと運用をしながらコンテンツマーケティングを学ぶ。現在は趣味の食べ歩きをしながら、得意のSEOライティングで北海道のおいしいやたのしいをテーマに記事を執筆。2022年10月からSUMAHIRO専属ライター。

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