地方移住の第一歩といってもいい移住体験。大切なのは移住体験する先の住み場所(住宅)です。地域によって用意されている住宅の広さ・家賃・築年数などなど条件は本当に様々。私が選んだ北海道の『豊頃町』『上士幌町』さんの移住体験住宅の中身、そして、そんななか、どうやって移住体験住宅を選び、申し込んだのか、賢い探し方やポイントを解説します。
移住体験住宅を探す時に重視したこと
大都市圏の余裕のない暮らしから憧れの郊外のゆったりとした暮らしへ。コロナ禍の功罪は数あれど、光の部分ともいえる『リモートワーク』が可能となった方も多く、一部の方は既に郊外への移住&リモートワークを実現されている方もいらっしゃると思います。
この記事から読んだ人は、なぜ育児休暇中の私が地方移住をしているかについてお読みください。
今回、私がトライしている移住体験は、そういった、「えいやぁ!」と移住するには、家族が・・・、地域になじめるんかなぁ・・・、などなど、いきなり環境を変えるにはちょっと躊躇してしまう、そんな方々にはぴったりのトライアルかもしれません。
そんな「ゆとりある田舎暮らし」という憧れにめがけて、移住体験住宅をどう探したか。私のなかでは大きく3点の重要ポイントがありました。
住宅がかっこいい!
私が不動産会社に勤務していることもありますが、何はともあれ、生後1年に満たない双子男子を連れて半年間不慣れな場所で生活するという状況を妻に了解してもらう必要があります(笑)妻は不動産業界ではないのですが、水回りや住宅のデザインに結構こだわりがあり、まずは長期で過ごして家が気持ちよさそう、という観点で探しました。
まちなか・買い物施設、医療機関にほどよく近い。
州の暮らしと違って、北海道での暮らしは車が中心。一説によると、100m先のコンビニですら車か徒歩か悩む人がいるとか。私の本拠・大阪では、徒歩3分以内にコンビニが4軒、スーパーや郵便局、銀行、役所に病院がすべて徒歩10分圏内ということで、全く生活の考え方が異なります。歩いて北海道のインフラと言えるコンビニ「セイコーマート」があればベスト、他は車で30分圏内でほぼすべての買物が出来れば移住体験であればよし!と考えました。
また、0歳児双子にもしものことがあっても大丈夫なよう、医療機関情報も十勝に暮らす先輩ママへヒアリングなど、事前に色々と調べました。
長期で滞在が可能かどうか。
実は移住体験住宅、滞在可能期間に大きな差があり、最短で2週間、多くは1~3か月。色々な市町村のご担当者さんに伺ってみると、「観光のベースキャンプ」のような使われ方をされてしまうケースもあり、体験住宅があるまちとほとんど関わることなく、過ごす方もいて、頭を悩まされているそう。
そのため、そういう方を完全シャットアウトすることは難しいし、それであれば、いろんな方に来てほしい、ということを考えている市町村は短く期間を区切られている、ということのようです。
私の育休は1年弱ほどですが、大阪での準備や子供たちの予防接種・健康診断などなどを考えると、だいたい半年が大きな目安と考えていたため、半年間で申し込みが可能な市町村を探しました。
移移住体験住宅に含まれるもの含まれないもの
移住体験住宅は私が調べた限り、おおむね、下記の通りです。
・電気・水道代は家賃に含まれることが多い。
・灯油代は実費にて負担。
・家具・家電付き。寝具もほとんどのところはあるが、稀に寝具は別途リースする必要があることも。
・月額家賃は3万円台~11万円台と、広さ・築年数・設備などによってかなりの違いがある。季節によって同じ住宅でも家賃が違うことも。
・住宅は元教員住宅が多い(要するに公営住宅と同じ仕様。学校の統廃合や教師の方のライフスタイルの変化で不要になった住宅を転用するケースが結構見られます)
・庭・畑付きだったり、色々な経験・体験が出来る住宅もある。
・住民さんやほかの移住者さん・移住検討者さんとの交流会などがあるケースも。
・準住民として扱ってくださるところもあり、赤ちゃん広場、一時預かりなど行政サービスも一定程度は受けられるまちもある。
移住体験住宅の入居条件について
移住体験住宅にも入居条件はありますが、それは至ってシンプルでした。
・移住 or 2拠点居住など、そのまちに移住したい、関わりたいという方
・単身でも家族でもだいたいのまちはOK
というようなシンプルなもの。もちろん、それ以外にも色々とルールを守って、ということになりますが、基本的にそのまちのことが気になる!!将来も含めて移住や関係人口としてしっかりまちと関わっていってみたい!という気持ちがある、ということがベースになるようです。
私が選んでみた(申し込んでみた)移住体験住宅!
私は、元々2拠点居住・多拠点居住という暮らし方に興味があり、その中の拠点の一つの候補が北海道になっていました。出来るだけたくさんのまちのことを知りたい、でも、乳飲み子を抱えてウロウロするのもなかなか難しいというなか、家賃などの条件を吟味しつつ、選んだのは『豊頃町』『上士幌町』という十勝にある2つのまち。
それぞれの市町村で申込期間も異なるため、そこは要注意です!だいたい12月頃~2月中旬頃までに申込期間は集中する傾向にあるようなので、年末までにしっかり吟味することが大事です。
豊頃町
圧倒的に建物がかっこいいし、築年も比較的新しく、平成24年建築の1LDK109㎡。ふんだんに地元木材を使って作られた内装は、木の温かみをいろんなところで感じられます。キッチンもオール電化になっていて、スッキリ使いやすかったです。更に決め手は土間のある室内。
ハンドメイドで革小物制作をしている妻が作業をしやすい環境なのではと感じて申し込みました。セイコーマートも徒歩3分。まちには小さな商店などしかありませんが、車で20分圏内にスーパーやドラッグストアがあり、30分圏内にはロードサイドのお店が大量に。
行ってみてわかったことですが、帯広のまちなかや帯広空港にも車の混雑などもなく行け、実は結構便利。家賃は水道・電気代込で68,000円と都会で同じ暮らしをすると、、、と恐ろしくなるくらい贅沢な空間でした。
更に3か月以上居住する場合は、48,000円になりますので、今回私は上士幌町に移るため、2か月となってしまったのですが、ぜひ3か月以上で暮らしを満喫されることをお勧めします。
上士幌町
移住と言えばこのまち、というくらい有名なまち。移住体験住宅も短期用、中長期用を合わせると10戸以上用意されている移住にめっちゃ力を入れています。ドメインがijuu.comというのを取得できているまちなので、相当前から移住事業を重視していることがよく分かります。
体験住宅の多くはまちなか、及びその周辺なので、歩いてセイコーマートやスーパー、買い物施設や喫茶店に行けるところが多く、中心地には温浴施設もあるし、めっちゃおしゃれな道の駅、コワーキングオフィスなどなど、いろんなものがギュッと詰まっています。
私が入居させていただけることになった住宅は、今年度限定で移住体験住宅になった一軒家で、平成10年築の2LDK75㎡+物置スペースという平屋建て。家賃は水道・電気代込みで月額36,000円と破格です。豊頃町に比べると狭くなりますが、都会で暮らすことを考えると十分な広さで暮らせることになりました。
私はありがたいことに二つのまちから選定いただくことができましたが、移住体験はかなりの高倍率になることもあるようです。エントリーシートのようなものを書くことになりますので、思いのたけをしっかり書いて、選んでもらえるようにしましょう!!
次回からは、実際に十勝に暮らしてみて感じたことなどを書き綴りたいと思います。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。