415人調査で見えた、十勝観光の“リアル”と“可能性”
2025年夏、十勝を訪れた外国人415名を対象に行われたアンケート調査では、十勝が海外からどのように見られているのか、その“現在地”が明確に可視化されました。特に、訪日外国人の多くが日本をよく知るリピーターでありながら、十勝は初めて訪れるという傾向は、今後のインバウンド戦略を考えるうえで極めて重要です。

同時に、自然・温泉・食といった十勝の主要な魅力は高く評価されていた一方、夜に楽しめる場所が少ない、交通が不便、多言語表記が足りないなど、改善すべきポイントも非常にクリアに示されました。この“強みと課題のコントラスト”こそ、十勝が大きく飛躍できる可能性を秘めている証拠です。
本記事では、アンケートの詳細データをもとに、十勝観光の魅力と課題を深掘りし、読んだ方が「今日からすぐにできる改善点」まで理解できるよう丁寧に解説します。
73.5%が日本4回以上のリピーター。それでも十勝は“初めて”だった理由

日本通の旅行者が「次の目的地」として十勝を選び始めた背景
調査結果で最も注目すべきは、訪問者の 73.5%が日本への来訪が4回以上 という点です。これは、既に東京・京都・大阪・札幌など、主要都市を体験した経験豊富な旅行者が、より“深い日本”を求めていることを意味します。
しかし、その一方で 86.7%が「十勝は初訪問」 と回答しました。これは驚くべきギャップで、日本には詳しいのに十勝だけは訪れていないという状態が浮き彫りになりました。
旅行者が十勝を選ぶ背景には、
- 大都市とは異なるゆったりした時間
- 自然や農業文化と結びついた暮らし
- 世界的にも珍しいモール温泉
- SNSや口コミで広がりつつある“十勝の癒やし”イメージ
など、他の観光地にはない魅力が影響しています。
しかし「初めて」ということは、十勝にとって “第一印象がほぼすべてを決める” 極めて重要な段階 であることも意味します。良い印象が残ればリピーターに、悪い印象なら二度と選ばれない可能性もあるため、この段階での受け入れ体制の強化は必須です。
韓国人観光客が最も評価したのは「自然・温泉・食」という三本柱
アンケートの自由回答から読み取れるのは、十勝の魅力が非常にシンプルかつ純度の高い形で受け止められていることです。
温泉は訪問率74.5%。十勝の癒やしの象徴として定着

十勝のモール温泉は世界でも珍しい“植物性”の泉質で、肌がすべすべになると評判です。調査でも 74.5%が温泉を訪れており、訪日客の主要目的になりつつあります。
「静かに癒やされる旅がしたい」「自然と温泉をセットで楽しみたい」という声も多く、都市部では得られない“休息の価値”が十勝の大きな武器になっています。
ご当地グルメの満足度も突出(68.2%)

食に関する満足度の高さは十勝ならではです。地元農産物を使った料理、ボリューム感のある定食、スイーツのクオリティは多くの旅行者がSNSでシェアしており、口コミで人気が広がっています。「食べ物がおいしい地域はまた行きたい」と考える韓国人が多いことも追い風になっています。
“静けさ・自然・人の優しさ”が記憶に残る体験を形成
自由回答では「静かで落ち着ける」「自然が雄大」「人が親切で安心した」というコメントが圧倒的に多く寄せられていました。観光体験において「安心感」「癒やし」「穏やかな時間」は強い価値を持ち、旅の印象を決定づける重要な要素です。
満足度を下げる要因は「夜」「交通」「情報」の三つに集中していた

魅力が高い一方で、不満点も非常に明確でした。
1位は“夜に店が閉まっている”(52.0%)
「18時以降、どこに行けばよいかわからない」という声は非常に多く、夜の選択肢が少ないことは観光満足度に直接影響します。「夜こそ旅行の思い出が生まれる時間帯」でもあるため、改善の余地は大きいです。
交通の不便さ(29.6%)は深刻
レンタカー依存が強く、公共交通の本数・路線の不足は高齢者や若年層の旅行者にとって大きな障害です。空港〜市内〜観光地を結ぶ直行バスや、夜間移動の選択肢を増やすことで大きく改善できる領域です。
多言語・キャッシュレス対応の遅れも課題
案内表示やメニューに英語・韓国語が少ない点(37.1%)、キャッシュレス非対応(25.8%)は、旅行者の不安につながります。特にキャッシュレス文化が進んでいる韓国では「現金のみ」は来店ハードルが高いため、地域全体の課題として捉える必要があります。
“夜の十勝”は未開拓。だからこそ伸びしろが最も大きい

アンケートからは、旅行者が“夜も楽しみたい”と強く望んでいることが見えてきました。
- 夜景・温泉情報:56.4%
- レストラン空席情報:51.6%
- バー・スナック情報:48.9%
- 夜間観光案内の利用希望:64.6%
これらはすべて、十勝がまだ十分に整備できていない領域です。
しかし、馬車BARや星空ツアー、外国人歓迎のスナックなど、既に光るコンテンツは存在します。情報が整理され、予約しやすくなれば、十勝の夜は大きな強みに変わります。
旅行者は情報で動く。MATOKAの存在価値がさらに高まる理由

韓国人旅行者の情報源は非常にデジタルです。
- 旅行ブログ:43.6%
- 口コミ:28.0%
- Instagram:18.6%
その中で、開設から3ヶ月の MATOKAが6.2%の認知 を獲得しました。地域メディアとしては異例のスピードで、今後の情報インフラとして大きな役割を担うことが期待されています。
宿泊・飲食・体験・夜の情報が統合されれば、旅行者の不安が減り、満足度も継続して高まります。
観光は行政だけではつくれない。今日からできる小さな改善が未来の十勝をつくる
観光満足度は、大規模なハード整備よりも、個々の店舗や事業者の“小さな改善”の積み重ねで大きく変わります。
- メニューに英語・韓国語を追加する
- キャッシュレス決済を導入する
- SNSで“今日の空席情報”を投稿する
- 営業時間を少しだけ延ばす
これらはどれも大きな投資が不要で、すぐに実行できます。ひとつひとつの取り組みが旅行者の安心感につながり、再訪意向を高める効果があります。
十勝はまだ“途中段階”。だからこそ最も伸びる

今回の調査は、十勝が「魅力が強く、課題が明確で、改善が容易」という非常に恵まれた状態にあることを示しています。
- 自然・温泉・食の評価は圧倒的
- 人の優しさが伝わっている
- 日本リピーターに選ばれ始めている
- 改善すべき課題もクリアで、対処しやすい
十勝はまだ“完成した観光地”ではありません。だからこそ、伸びる余地が大きく、誰もが未来づくりの担い手になれるタイミングにあります。
あなたの小さな一歩が、初めて十勝を訪れた旅行者の心をつかみ、やがて“十勝ブランド”として世界に広がっていきます。地域全体で力を合わせ、十勝を日本でも屈指の癒やしの旅先として育てていきましょう。
MATOKAの新機能が旅人をさらに楽しませる
今回の調査から見えてきたように、十勝観光の満足度を高めるためには、魅力をわかりやすく伝え、旅行者が迷わず楽しめる環境づくりが非常に重要です。その鍵を握るのが「情報の探しやすさ」と「自分に合った旅の動線づくり」。
十勝を愉しむデジタルプラットフォーム「MATOKA」では、こうした旅行者の課題を解決するために、2025年12月1日より新機能「十勝・帯広観光周遊プラン検索」を公開しました。

行きたいスポット、旅のテーマ、日程、同行者などを入力するだけで、“一人ひとりに最適化された十勝観光プラン”をAIが自動で作成する機能です。
「どこを回れば効率的?」「天気や時間に合わせたベストなルートは?」といった悩みを、一度に解決できる設計になっています。
特に、今回のアンケートで明らかになった
・ 移動手段の選択が難しい
・ 情報が点在して探しづらい
という課題に対して、この新機能は非常に強力なサポートになります。
旅行者が知りたい“温泉・グルメ・夜のスポット・イベント情報”がすべて連動し、「調べる」から「動かす」までをワンストップで実現する十勝初のデジタル体験です。
十勝を訪れる方々が、より自由に、より快適に楽しめる未来の観光体験がここから始まります。
ぜひ新しい周遊プラン機能を活用して、自分だけの十勝旅行をつくってみてください。
