作品名:ゴミ拾いをすると、人生に魔法がかかるかも♪
著 者:ゴミ拾い仙人 吉川充秀
出版社:あさ出版
ゴミ拾いを勧める本ではなく、ゴミ拾いを通して人生を見つめる内容
みなさんは、街を歩いていてゴミが落ちていたらそのゴミを拾いますか?この問いに〝Yes!〟と答えた人は、変わった人の要素満載です。笑。
今回紹介するこの本は、決して〝ゴミ拾いしましょう!〟という内容の本ではありません!
著者がゴミ拾い体験を通して、自分を上機嫌にしたり、生活を楽しむために行動することが描かれています。
え?ゴミ拾いで!?
それは読んでのお楽しみです。
そして、みなさんもお馴染みの困った時の神頼み。
神様はどんな人を応援したくなるでしょうか?
ふざけすぎじゃないかというほど(笑)の箇所が多くて著者の人柄がはっきりと浮かび、サラサラと読めるのでビジネス書や自己啓発が苦手な方でも読みやすいんですよ。
この本を一言で表現すると、読んだ人が幸せになるものの見方、考え方、習慣が身につくことを願った本なんです。
ノンストレス生活を夢見る人に読んで欲しい1冊
「〜するべき」が口癖のべきべき人間を知っていますか?
はい。私です。
「べき」で生きている人は、自分のやりたいことよりも人の目や「こうあるべき」が優先で行動してしまうため、ストレス過多な人が多いのです。
そんなあなた、朗報ですよ!!
著者の吉川充秀さんも〝ゴミ拾いでスルー力を身につける〟の一節で触れていますが、「まいっか」とゴミをスルーすることもあるようです。自分を犠牲にしてまで行うとエンドレスになり、収集がつかないと語ります。
このように〝華麗なスルー〟をできるようになることも、ストレスを感じやすい人には大事なことですね。
また、マイルールに縛られていることに気がつき、緩めることができると今までもよりも楽しく生きることができます。さらにひとつ緩めることができると、それをきっかけに多くのことが許せるようになるという学びは、私のようなべきべき人間には、タメ五郎もアッと驚くほどの情報でした。
自分にとっての魔法はなにかを考えてみる
この本はタイトルにもある通り〝ゴミ拾い〟について描かれていますが、吉川さんも作中で、〝強要することは、他人に対する自由の介入〟だと語っています。
だからこそ、必ずしもこの本を読み終えた後に「ゴミ拾い始めよう!」なんて行動しなくてもいいわけです。
でも、せっかく気づきをいただけたので、自分のやりたいことで自分の人生を俯瞰してみたいとは思いました。
と、いうことで私は〝読書〟を通して自分に魔法をかけ、より自分らしい人生を過ごしていこうと思います。もっともっとタケモットでお馴染みのCMのように、今までよりも突き詰めて読書と向き合うことで、人生が好転するきっかけが見えてくるのではないでしょうか?
やってみます。
あなたにとっての、魔法は何なのかを考えるきっかけになれば、それだけでもこの本を読む価値があるのだと私は思います。
Profile
小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当