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【書評】本の虫 小川の本棚 「たゆたえども沈まず」presented by Book cafe & bar Sen 002

作品名:たゆたえども沈まず FLUCTAT NEC MERGITUR
著 者:原田マハ
出版社:幻冬舎

目から大きめの鱗が落ちるほどの衝撃

孤高の画家ゴッホと、彼を支えた人たちの珠玉のストーリー

誰もが名前は聞いたことのある画家フィンセント・ファン・ゴッホ

みなさんはどんなイメージを持っていますか?私は、ゴッホという画家には暗いイメージしかありませんでした。

この小説は史実をもとにしたフィクションストーリーで、ゴッホの生き様と彼の才能を見抜き、信じ続けた人たちの生き様が描かれていて、目から大きめの鱗が落ちるほどの衝撃を受けました。

フランスで日本の浮世絵を広め、たくさんの画家に影響を与えた日本人、林忠正にも注目です。

よくやった!日本人!

また、ゴッホの他にもたくさんの有名な画家・絵画が登場するので、スマホを片手に絵画の画像を調べながら読み進めると、よりこの作品を楽しめると思います。

原田マハさんの新境地であるアート小説、あなたもその世界に一歩踏み出しませんか

林忠正との出会いがなければ、死後も埋もれたまま

出会いは偶然、だけれど必然
私がこの本と出合ったきっかけは、経営コンサルタントの佐藤芳直さん。

彼が主催する経営の勉強会で、「ウチの会社の課題図書にしています」と紹介され、その帰り道ですぐに購入、帰宅に向かうJRの中で読み始めました。

ふふふ。行動力ハンパないでしょ?

そして今では、原田マハさんの作品はほとんど読むという、アムラーならぬマハラーになったのです。

この作品のでいうと、ゴッホとその才能を見抜いた人たちの出会いは、松田聖子のようにビビビッときた運命の出会いではないんです。

そうなんです。

人生を揺るがす出会いは、劇的でも刺激的でもなく、記憶に残らないほど普通。だけど、その出会いが人生を劇的に変化させていくのです。

ここカッコいいこと言ったのでメモしてくださいね。

間違いなく言えることは、ゴッホというひとりの画家は林忠正との出会いがなければ、死後も埋もれたままの逸材だったということです。

コーヒーカップは、ゴッホのカップ

この本がきっかけでアートが大好きに!

正直に告白します。

この本を読んでいなければ、ウチのお店(Book cafe&bar Sen)のコーヒーカップは、ゴッホのカップにしていません

なぜならば、この本を読むまではアートのアの字も知らないようなニンゲンだったからです。

そんな私が、休日には美術館やアートの展示会へ足を運ぶようになるくらい強く影響を受けた1冊でした。

と、いっても見るのが好きなだけで詳しくはありませんのでお間違いなく。

また、たくさんの人にも自分と同じ体験をしてほしいと思い、この本を紹介し、「美術館に行ってみたくなりました」と感想をいただくこともあります。

推しがセンターを獲得した時くらいの喜びです。

原田マハさんのアート小説には、この〝たゆたえども沈まず〟の他にも、ピカソを描いた〝暗幕のゲルニカ〟やルソーを描いた〝楽園のカンヴァス〟などの作品があるので、他の作品も読んでみてください。

Profile

小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当


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