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【書評】本の虫 小川の本棚 「月のうらがわ」presented by Book cafe & bar Sen 019

作品名: 月のうらがわ
著者:麻宮好
出版社:祥伝社

果たして〝月のうらがわ〟とは、どんな意味なのでしょうか

新兵衛の長屋には、大切な家族を亡くしてしまった家族が住んでいる。

13歳のお綾と弟の正太は亡き母のぬくもりを求め、父の直次郎は妻への想いを抱き続けている。

そんな家庭の隣に写本を生業とする侍の坂崎が引っ越してきたのですが、そこからの展開が面白いのです。ひょんな事からお綾は坂崎の部屋の片付けを手伝うようになるのですが、そこで書きかけの本『月のうらがわ』を見つけるのです。

はい。ここで本のタイトル登場。

本の中に登場する本。言い方を変えると〝Book in Book〟

もうこれだけで興の味が津々ですよね。

そして、その物語の続きを考えることとなったお綾は、坂崎をどんどん慕うようになるのだが、ここで新たな問題が登場。

なんと、坂崎には〝人を殺して生国を追われた〟という噂があったのです。

果たして、どんな結末をむかえるのでしょうか?

作中にでてくる『月のうらがわ』はどんなストーリーなのですか?
子どもが、亡き母の住む月へ辿り着こうとする物語です!

たくさんの教え満載!こんな風に生きていきたい!

〝迷ったときは、おあやの目でちゃんと見ること。ちゃんと耳で聞くこと。それがいっとう大事なんだよ〟

生前の母がお綾に伝えたこの言葉に、雷が脳天を直撃したかのような衝撃を受けました。

普段の生活でもよく耳にする「◯◯みたいだよ」「◯◯らしいよ」「◯◯だって」というあやふやな言葉に惑わされて、自分で直接見たこと、聞いたこと、感じたことを度外視していることって多々あるよなって大反省です。

自分軸で判断できるようになればガッツ石松も驚くほどのOK牧場ですね。

その他にも〝お人よしも過ぎると毒になる〟

など、今の自分にド真ん中の言葉がたくさんあり、自分磨きにも最適でした。

ね?最近の小川ピカピカでしょ?

この本を読む前と読んだあとではひと皮もふた皮も剥け、新しい自分になっていることでしょう。

故人への想いをいつまでも背負っている人へ

亡き人や、亡き家族・ペットを想い、忘れてはいけないと十字架を背負いながら生活をしていませんか?私の母も、亡くした猫のガンバ(アメリカンショートヘア)を想い、「もう、猫とは暮らさない」と悲しんでいたことがあります。

さて、それは〝ガンバ〟にとって嬉しいことでしょうか?

亡き人と共に生きる道ー

そんな道があることをこの本は教えてくれました。

ほうほう。それはどんな道だろうか?

そんな風に思ったあなた!朗報です。

〝亡き人を思い出すこと。亡き人を慈しむこと。それも亡き人に会いにいくこと〟

どうでしょう?

背負っているものが少し軽くなりましたか?

大切な人との記憶はいつまでも残り続けますよね!
出会いと別れを繰り返し、今の自分がいることを実感です。

少し切なく、だけど温かい。

Profile

小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当

楽しく生きるためのヒントが詰まったこの1冊は、未来の自分に期待をさせてくれるかもしれません。



















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