作品名: 場づくりという冒険 いかしあうつながりを編み出す
著者:藤本遼
出版社:グリーンズ出版
それぞれの「場づくり」をまとめたこの本は、私のバイブル。
著者の藤本遼さんは、現場で多様な人たちと関わりながら実際に『場』を紡いでいます。
そんな彼が自分と同じように場づくりをしている13名にインタビューし、それを本というカタチで世に送り出したのがこの作品。
この本では〝可能性が引きだされるような関係、あるものとあるものが影響を与えながら、お互いに活かしあっている状態〟のことを『場』と定義しているのですが、これがまた田沢湖(秋田県)にように深い。
目ん玉が飛び出るほど驚く事例や、目からアレが落ちたりするほどの事例もあり、尾崎の世界観だけじゃなく、自分の世界観も広がる1冊です。
めっちゃ最高じゃん!!小川も唸る理想の場を発見
紹介されている13の場の中に、ドラゴンクエストよろしく〝会心の一撃〟を何度か受け、満身創痍の状態でこの本を読み進めました。なぜ満身創痍かって?自分のやっていることが未熟すぎることに気がつき、身も心もボロボロになったからです。
「近所の子どもたちが、家に帰ったら鍵が開いてなかったからとりあえず「mekuruto」に来た、みたいなことが増えたらめっちゃいいなと思っている」
冒頭にもある通り、この本では「場」は「場」じゃない。
はい。なんのこっちゃですね。
物理的な居場所をつくることも大事でけれども、目に見えない〝居場所〟であったりカタチのない〝居場所〟こそが本当に大切だということに確信をもつことができた。
今のご時世、世知辛いこの世の中、こうゆう場を創ることができたら、すごくいい地域になるんじゃないかと思います。
自分が関わる場、自分が住む地域をそんな風に育てていきたい。
そんな風に心から思いました。
「私ってマイノリティ!?」
自分の心の中の、一番かたくて譲れない場所にアクセスした時、自分はマイノリティかも?と不安になることありますよね?
もちのロン。私はあります。
そんな時にこの本を読むと「貫き通そう」と、ほぐれそうになった信念をもっともっと強固にしてくれることと思います。だって、この13名はぜったいにマイノリティだもの。(笑)
だけど、めちゃくちゃカッコいいんです。
そのカッコいい人たちの言葉の中に
「光が当たっていないところに対して光を当てていく取り組みを続けたい。」とあったのですが、これはもう胸キュンです。
自分のスポットライトでは自分は照らせない。だからお互いがお互いに光を当て合う。そんなコミュニティを作る!と決意しました。
自分の〝軸〟を整え、より太くしているれる〝場づくりという冒険〟は、あなたのバイブルにもなるかもしれませんよ。
Profile
小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当
楽しく生きるためのヒントが詰まったこの1冊は、未来の自分に期待をさせてくれるかもしれません。