作品名:おあとがよろしいようで
著者:喜多川泰
出版社:幻冬舎
変化していく主人公がたまらなく愛おしい成長ストーリー
夢もなく上京した大学生の暖平は、たまたま通りがかったことがきっかけで落語と出合います。そのきっかけとなった落語研究会の部長・忽那蒼の「必要なのは扇子一本。あとは座布団さえあればどこでもできる」の言葉が暖平の人生を大きく変えることに。
もちろん他の落語仲間たちの影響も大きく、暖平は変化していくのですが、それは圧縮タオルを開封し水に濡らした時のようにグングン、ズンズンと大きくなっていくのです。
そんな暖平が、芸名〝背負亭こたつ〟として高座に立つようになるのですが、ここがもうドキドキ。思わず応援したくなる主人公の人生と恋愛模様。
果たしてその恋は実るのか!?
そこにドキドキしちゃう38歳の小川って可愛いでしょ?笑
喜多川ワールド全開の感動サクセスストーリー小説です。
これさえできれば、明日が待ち遠しくなる!
みなさんは明日が待ち遠しいですか?もし、明日にワクワクしないのであれば、この本を読んで、その〝コツ〟を学ぶといいでしょう!!かく言う私もブックカフェで仕事をしていて、この〝コツ〟を行うと「早くあのお客さん来ないかな」なんてなったりするのです。
え?その〝コツ〟を知りたいって?
はい。〝準備〟です。
ただただ、お店でカウンターに立つのではなく、「さっき読み終えた、この本を勧めよう」と準備していると、お客さんが来るのを楽しみにしている自分がいるんですよ。
この本を読み、人生のワクワクのコツは〝準備〟だと知り、それを徹底しようと思いました。だからこそ自分探しをしている20代や30代の方にこの本を読んでほしいと思っています。
旅にでなくても自宅で自分を見つけることができるかもしれませんよ。
知らんけど。
〝個性〟ってこうゆうことか!衝撃の事実が発覚!
人と違うことをして、それを〝個性〟だと主張してきた10代。
人と同じようにしようとして、それでも人と違った20代。
そんな個性豊かな私でも、それがなんなのかはっきりわかっていませんでした。でも、この本を読み、少しだけ個性についてわかった気がするんです。
はい。気がするだけです。
落語会ではまず、師匠の演目の〝完コピ〟を目指すのが通常のようです。でもどれだけ真似ようとしても、絶対に全く同じにはならない。
それが〝個性〟
そんなことをこの本に学んだのですが、以前別の本で〝学ぶの語源は真似ぶ〟と知りました。
真似の中から学び、真似ていく中でも個性が発揮できるのであれば、良いものはどんどん真似、自分の〝個性〟をスパイスとして効かせていく。
そんな生き方ができるのといいのかもしれませんね。
楽しく生きるためのヒントが詰まったこの1冊は、未来の自分に期待をさせてくれるかもしれません。
それでは〝あおとがよろしいようで〟
Profile
小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当
楽しく生きるためのヒントが詰まったこの1冊は、未来の自分に期待をさせてくれるかもしれません。