作品名:夢と金
著者:西野亮廣
出版社:幻冬舎
〝なるほど〟と納得が連続する〝お金〟のお話
突然ですが、みなさんの子どもの頃の夢はなんでしたか?
僕は盲腸で入院したことがきっかけで看護師になりたいと思っていた時期があります。
はい。秒で気が変わりました。
では、みなさんに今、夢はありますか?
夢がある方もないと思っている方も、心の中でブレーキをかけていることが多いのだと私は思います。そのブレーキの大半は〝資金(お金)〟ではないでしょうか?
さらに、日本では、まだまだお金に対する偏見が強く、「お金=汚い」「お金=悪い」というイメージが世の中を蔓延っているのも事実です。
「越後屋、お主も悪よのう」の影響力すごっ!
そんなお金のイメージを、オセロのようにひっくり返してくれるこの本は、夢の実現のヒントがたくさん詰まった1冊です。
夢という目標があるならばこの本を読もう!
老若男女問わず、夢を持って日々を過ごしていきたいですよね。でも夢を追うと必ずしもぶつかるものがあります。
それはゲゲゲの鬼太郎よろしく〝ぬりかべ〟のような厚い厚い大きな壁なですよね。
そんなバカデカい大きな壁が目の前に立ちはだかると、ミッチーとサッチーが大喧嘩したあの時の如く、にっちもさっちもいかなくなる訳です。
そんな時にこの本が風穴を開けてくれることは間違いありません。
事実、私も「大きい石貨ほど価値が高いイメージがあるが、厳密にはそうではなくて、石貨の価値はストーリーで決まる」
この一文のお陰で、行き詰まっていた事業プランに風が流れ込み、スースーしてますから。
それまでは、「価値=機能」「価値=ブランド力」だと思い込んでいましたが、これからは機能は最低限必要なもので、「意味」や「ストーリー」が価値を創ると認識し、展開していこうと思います。
西野亮廣さん、ありがとう。
顧客を増やすな!ファンを増やせ!
「お客様は神様です」
この言葉は、三波春夫さんの名言ですが、お客様は神様のように偉い!!という風に誤解されています。
はい。誤解なんです。
本来は「神様に祈るときのように、真っ白な心で向き合いなさい」
こんな意味があるとされいます。
そんな誤解はさておき、著者である西野さんは、そもそも「顧客のファン化」が大事だと教えてくれました。
言ってることはなんとなくわかるけど、どうやったらいいの?
知りたくなったあなたはこの本を読んでくださいね。
私自身、〝デキる〟〝カッコいい〟〝クール〟〝スマート〟
そんな完璧な人間に見られたい欲が強く、プライドも高く、そう見えるように頑張って生きてきました。
そんな私が、この本を読んで気がついたのです。
完璧な人にファンがつくのではなく〝応援したくなる人〟にファンがつくのだと。
この事実は、蛙の子は蛙ではなくておたまじゃくしだと知った時ほどの衝撃でした。
と、いうことでデキるオガワを演じることをやめ、応援したくなる人になります。
お金だけはなく、自分の魅力について考えさせてくれるこの本は、一読すべき1冊です。
西野亮廣さん、やっぱりありがとう。
Profile
小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当