作品名:農業をデザインで伝える -色と地域の課題を解決する方法
著者:長岡淳一 / 阿部岳
出版社:ファームステッド
十勝から全国へ!!〝デザイン〟で〝食〟を支えるカッコイイ男
みなさんは、〝農業〟と聞くとどんなイメージがありますか?
少し前までの私は、こんな偏見を持っていました。
「汚れた作業着」「もっさいおじさん」「個人名の○○農場」
なんかごめんなさい。
だけど、このファームステッドという会社の活動を知り、そのイメージは朝と夜が逆転したかのように一転しました。
「オシャレな作業着」「かっこいいロゴ」
今ではそれが当たり前になりつつあるように肌感覚で感じるのですが、その立役者のひとりであることは間違いないと思います。
農業王国〝十勝〟から、〝デザイン〟を通し、食を支える彼らの活動。
その活動が、ギュギュッと濃縮還元されたオレンジジュースのような濃ゆい1冊です。
とても大切なことに気がつかせてありがとう
この本を読み進めていく中で、インド人がカレーを手で食べることほど当たり前なのだけれども、うっかり見落としていた大切な〝ある〟ことに気がつきました。
それは「インナー・ブランディング」
自分の魅力、自分の強み、自分の想いって、どうしても遠くの人を振り向かせるために届けようとしますよね。だけど、遠くばかりに意識を向けていると身近な大切な人をおざなりにしてしまうことに気が付かされました。
はい。妻をおざなりにしてはいけませんよ。
私の場合は、妻はいないので自分の職場の職員に置き換えて考えてみました。
創業当初に伝えていた〝理念〟や〝創業の経緯〟、〝社名の由来〟などのストーリーですが、気が付けば伝えておらず、職員が知らないことに気がつきました。
そこに気がついたらシューマッハよりも速いんです私。
翌日にはスタッフにプレゼンし、全職員に伝えることができました。
長岡さん、阿部さん、あざっす!
これからも、身近な人への発信を大切にします。
明確なビジョンがあるのに〝上手く伝わっていない〟
そう感じている人は、この本を読んでみることをお勧めします。
「たしかに!」「そうゆうことか!」「言われてみれば!」という言葉が、リオでサンバのカーニバルするくらいのどんちゃん騒ぎすること間違いありません。
知らんけど。
嗜好品は贅沢品じゃないんだ!?。
これは、あくまでも小川データで個人の見解なので偏見たっぷりですが、嗜好品といえば?
3位:たばこ 2位:お酒 1位:カスタードクリーム
ですよね。
嗜好品って、なくても生活には困らないプラスアルファの贅沢品のイメージありませんか?
ありますよね?
ね?ありますよね?
しつこくてごめんない。
そんな嗜好品のイメージを覆す、スーパークレイジーくんならぬスーパーパワーワードを見つけてしまったんです。
「幸せ必需品」
花より男子の道明寺司くらい素敵ですよね。
この言葉を見た瞬間、私の中の常識が、〝ドンガラガッチャン〟と音を立てて崩れました。
新しい小川の登場です。
ロゴなどのイラストデザインだけではなく、キャッチフレーズなど言葉のデザイン。
〝伝える〟ことの本質を学べる、お勧め本です。
Profile
小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当