作品名:アルプス席の母
著者:早見和真
出版社:小学館
2024.04.12作品名:「育てにくい子」と感じたときに読む本 悩み多き年齢を上手に乗り越えるためのアドバイス 著者:...
苦労の報われ方も人それぞれ。そのそれぞれにも感動のドラマがある
秋山菜々子は、夫を亡くしシングルマザーとして神奈川で看護師をしながらひとり息子である航太郎を育てています。クラブチームで野球をする航太郎は、近隣である関東圏も含め、いろいろな地方からスカウトが来ていたが、選んだのは関西の新興校。目指していた高校から声がかからず、その高校を倒すことを夢見て入学するんです。
はい。悔しさをバネにするんです。
そんな息子とともに引っ越し、不慣れな土地で暮らすことに決めた菜々子にはたくさんの壁に直面します。激痩せしていく息子、そして人生を大きく左右するような怪我。誰がどうみても理不尽な父母会の掟。さらにはその父母会の役員に。
航太郎の高校球児としての物語、それをささえる母、菜々子の物語。
この2人が織りなす物語の結末は、望んでいた夢なのか、それとも予想外の展開なのか?
新しい高校野球小説の開幕です。
高校野球の光と闇。目を背けてはいけないことも書いてありますね。
これは早見さんだからこそ描けたストーリーだと思います!
誰も読んだことのない高校球児の母が主役の物語
舞台は甲子園球場からスタート。だけれども主役はマウンドにも、バッターボックスにもいない。もっと言えばベンチにも、いいや、グラウンドにさえいないのです。
では、どこにいるのか?甲子園球場にある観客席、人呼んで「アルプス席」にいるんです。
スポーツの物語の主役といえば選手。それを〝当たり前〟としている化石のような古い価値観を広げてくれるんです。
はい。主役は高校球児の母なんです。
みなさんご承知のとおり、選手は甲子園を目指す戦いがあり、日々の鍛錬に励むんです。それが今までのテッパンの高校球児のストーリー。それと同時に母も闘っているんです。父母会の活動や理不尽なルール、しきたり。それもこれも全ては息子のために受け止める覚悟を決めるんです。
まさに〝母親たちの熱闘甲子園〟
はい。事件は会議室の中でも、現場でも起きているんです!
グラウンドの中、そして外の闘いのどちらも熱く、落涙必須。
この本を読む際には、必ずハンカチを手元に用意して読んでくださいね。
いつだって、誰だって主役!それを教えてくれたのはこの本でした
世間から見たら〝脇役〟かもしれないけれど、自分の人生の主役はいつだって自分なんです。
それを証明してくれたのがこの本を言っても清少納言ならぬ過言ではないでしょう。
映画だって俳優だけではなく、監督や脚本家、いいやそれだけではなくボクらには耳馴染みのない役割の人だってたくさんいて、その人たちなしには作品は完成しない。そのそれぞれが主役のストーリーを知りたい。そんな風に思わせてくれました。
秋山菜々子なしには航太郎の野球人生がなく、この感動の物語も生まれなかった。しっかりきっちり主役を務めていただき、大感謝です。
さぁ、自分で自分にスポットライトを当てて主役として生きていきましょう。
どんな仕事、職種だってみんな主役。そんな気持ちで働きたいですね。
今までにないまったく新しい高校野球のストーリー。
あなたはどこで涙を流すでしょうか?
Profile
小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当
楽しく生きるためのヒントが詰まったこの1冊は、未来の自分に期待をさせてくれるかもしれません。
2024.04.12作品名:「育てにくい子」と感じたときに読む本 悩み多き年齢を上手に乗り越えるためのアドバイス 著者:...
2024.04.05作品名:うまいダッツ 著者:坂木 司 出版社:文藝春秋 だれもが知っている〝懐かしいおやつ〟が登場す...
2024.03.29作品名:「ここ塗ってね」と画用紙を指差したわたしの指を丁寧に塗りたくってくれる特別支援学校って最高じ...
2024.03.22作品名:まるわかり! ChatGPT 最強活用術&超仕事術 著者:ChatGPT特命研究班 出版社:...
2024.03.15作品名:成瀬は天下を取りにいく 著者:宮島未奈 出版社:新潮社 成瀬の奇想天外な行動に心を奪われる人...
2024.03.08作品名:夫妻集 著者:小野寺史宜 出版社:講談社 それぞれの家庭にある問題と、その先にある幸せを描い...
2024.03.01作品名:温めれば、何度だってやり直せる チョコレートが変える「働く」と「稼ぐ」の未来 著者:久遠チョ...
2024.02.23作品名:花は咲けども 噺せども 神様がくれた高座 著者:立川談慶 出版社:PHP研究所 「立川談志」...
2024.02.16作品名:ママがおばけになっちゃった! 著者:のぶみ 出版社:講談社 こんな絵本いままでなかった!! ...
2024.02.09作品名:かがみの孤城 著者:辻村深月 出版社:ポプラ社 突然吸い込まれた鏡の世界。その世界は!? 学...
2024.01.26作品名:共感資本社会を生きる 共感が「お金」になる新しい時代の生き方 著者:新井和宏 高橋博之 出版...
2024.01.19作品名:仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ 著者:川上徹也 出版社:ポプラ社 実在する...
2024.01.12作品名:黒い絵 Les tableaux noires 著者:原田マハ 出版社:講談社 アート小説で...
2024.01.05作品名:よっちぼっち 家族四人の四つの人生 著者:齊藤陽道 出版社:暮しの手帖社 音のない世界で生き...
2023.12.22作品名: 君が勇気をくれた 九回裏のフルスイング 著者:松尾健史 出版社:現代書林 誰ひとり脇役なん...
2023.12.15作品名: のほほん絵本日記 著者:さくらももこ 出版社:集英社文庫 老若男女だれもが知っている〝あの...
2023.12.08作品名: 月のうらがわ 著者:麻宮好 出版社:祥伝社 果たして〝月のうらがわ〟とは、どんな意味なので...
2023.12.01作品名:子どもたちに映画を! キネコ国際映画祭ができるまで 著者:たひらみつお 出版社:集英社 5人...
2023.11.24作品名: 場づくりという冒険 いかしあうつながりを編み出す 著者:藤本遼 出版社:グリーンズ出版 そ...
2023.11.17作品名:本にオトナにしてもらった。 人生の分岐点は、本屋さんにある 著者:中谷彰宏 出版社:かざひの...
2023.11.10作品名:おあとがよろしいようで 著者:喜多川泰 出版社:幻冬舎 変化していく主人公がたまらなく愛おし...
2023.11.03作品名:夜明けのすべて 著者:瀬尾まいこ 出版社:水鈴社 それぞれの苦しみを理解し互いに支えあう二人...
2023.10.27作品名:日本の革新者たち 100人の未来創造と地方創生への挑戦 著者:齊藤義明(野村総合研究所) 出...
2023.10.20作品名:農業をデザインで伝える -色と地域の課題を解決する方法 著者:長岡淳一 / 阿部岳 出版社:...
2023.10.13作品名:リカバリー・カバヒコ 著者:青山 美智子 出版社:光文社 誰もが共感できる悩みに寄り添う温か...
2023.10.06作品名:自閉症が30歳の僕に教えてくれたこと 著者:東田 直樹 出版社:KADOKAWA 話し言葉を...
2023.09.29作品名:雲を紡ぐ 著者:伊吹 有喜 出版社:文春文庫 不登校の女の子と、その居場所の〝家族〟の物語 ...
2023.09.22作品名:少年と犬 著者:馳星周 出版社:文春文庫 守り神なのか死神なのか? 「酒は多聞〜🎵」 こんな...
2023.09.15作品名:ポンコツ一家 著者:にしおかすみこ 出版社:講談社 元SM女王様キャラで一発屋芸人の衝撃で笑...
2023.09.08作品名:夢と金 著者:西野亮廣 出版社:幻冬舎 〝なるほど〟と納得が連続する〝お金〟のお話 突然です...
2023.09.01作品名:市場 著者:北川ナヲ 出版社:文芸社 幾度の困難を乗り越え、辿り着いた場所は…!? 300年...
2023.08.25作品名:ゴミ拾いをすると、人生に魔法がかかるかも♪ 著 者:ゴミ拾い仙人 吉川充秀 出版社:あさ出版...
2023.08.18作品名:百年の藍 著 者:増山実 出版社:小学館 熱い男と、そのバトンを繋いだ熱い人たちの情熱リレー...
2023.08.11作品名:たゆたえども沈まず FLUCTAT NEC MERGITUR 著 者:原田マハ 出版社:幻冬...
2023.08.04作品名:スタートライン 一歩踏み出せば奇跡は起こる 著 者:喜多川泰 出版社:Discover 18...
2023.07.28Book cafe&barなんだけど、ちょっとスナックっぽい賑やかさ Book cafe&a...