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【書評】本の虫 小川の本棚 「ママがおばけになっちゃった!」presented by Book cafe & bar Sen 029

作品名:ママがおばけになっちゃった!
著者:のぶみ
出版社:講談社

こんな絵本いままでなかった!!

市原悦子なら間違いなく「あらやだ!」、高嶋政伸なら「姉さん、事件です!」それくらいの衝撃を受けたこの本はなんと絵本。タイトルでお分かりの通り、ママがおばけになっちゃうんです。4歳のかんたろうと、死んじゃったママ。絵本界ではタブーとされていたこの内容、だけど決してネガティブな絵本ではなく、むしろ感動の絵本なんです。さらに、大人も子どももクスッと笑えるツボも押さえてあり、老若男女が泣いて笑って楽しめる優れもの。親になった人なら誰もが一度は考える親亡きあと。

私は、よくこの絵本を読み聞かせすることがあるのですが、大人は感動で涙を流し、子どもも真剣な表情で聞き入ってくれます。それだけではなく、背景のイラストにも仕掛けがあり、読むだけでなくいろいろな使い方ができるマルチな1冊です。

 

イラストのタッチも素敵ですね!
色鉛筆のあたたかいタッチが〝愛〟を感じさせますね!

究極の愛がこの1冊に詰まっている

大人になるにつれ、子の立場でも親の立場でも〝愛情〟の表現はしなくなっていきますよね。

はい。自分、不器用ですから。

だからこそ、この本を読んだ時にすごく感動したのかもしれません。

クリスタルキングもびっくりするくらい、愛を取り戻したかもしれません。

その中でも特に〝いい ところも すきだけど、ダメな ところが たまらなく すきだった〟の部分にはビックリ仰天です。

はい。腰が抜けました。

いいところも、ダメなところも愛してもらえるのなら、これが本当の無条件の愛なのかもしれません。

自分の命よりも大切な存在、それと出会えたママの言葉には強い力がありました。

たくさんの言葉の力に圧倒されると思います。

小川の半分は、この絵本でできています

私が運営する一般社団法人青鳥舎(せいちょうしゃ)は、障害福祉サービス事業を営んでいます。そしてその法人の理念が〝障がいのある方の家族が安心して死ぬことができる社会を創る〟なんです。だから、この絵本と出会った時には松田聖子ばりに「ビビっ」ときたんです。

「おふろ ひとりで はいるの、できる?」「おもちゃ、あそんだら おかたづけするの」

障がいのある人の家族も、この絵本と同じように心配で心配でたまりません。だからこそ、その心配を少しでも取り除けるような社会を創りたいと思ったのです。その軸がブレそうになる前に、定期的にこの絵本を読み返すようにしています。

小川さんはのぶみさんをリスペクトしていると聞きましたが、そうなんですか?

絵本の創作も読み聞かせも、のぶみさんのエッセンスを注入しています。小川の半分は、この絵本ではなくて、のぶみさんなのかもしれません。

本が苦手な人でも感動するこの絵本。ひとりで読んでもよし、読み聞かせしてもよしなので、ぜひ一度読んでみてください。

Profile

小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当

楽しく生きるためのヒントが詰まったこの1冊は、未来の自分に期待をさせてくれるかもしれません。





























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