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【書評】本の虫 小川の本棚 「よっちぼっち 家族四人の四つの人生」presented by Book cafe & bar Sen 023

作品名:よっちぼっち 家族四人の四つの人生
著者:齊藤陽道
出版社:暮しの手帖社

音のない世界で生きる写真家の無垢な言葉に惹かれます

耳の聴こえない写真家である齊藤陽道さんと、その家族のエピソードが綴られています。陽道さんだけではなく奥様も耳が聴こえない。そんな聞こえない両親と、聞こえるふたりの子どもたちとの生活記録です。いいや、愛情の記録と言いたいくらいの内容です。

この本を読んで、彼のように子どもたちと接したら理想のパパランキング上位も夢じゃありませんよ!

それだけではなく、1つ1つの文章も素敵で、さらに合間にある写真も魅力的で惹きつけられる。言ってみれば一粒で二度美味しいがキャッチフレーズのアーモンドグリコのような1冊です。

「よっちぼっち」なんだか耳心地のいいフレーズですね。
この言葉は齊藤陽道さんが考えたことばみたいですよ!そしてその意味にも納得です。

忙しなく生きていると大切なことを見落としているのではないか?

毎日、仕事や家事に追われ忙しい日々を過ごしている人も多いでしょう。私自身もミハエル・シューマッハのような生き方をしているので、そんな人たちの気持ちはすっごく理解できます。

だけど、この本を読んで知ったんです。

急いでいると見えないものがあり、実はそれが大切なんだと。

この本に綴ってあるひとつひとつのエピソードは、誰でも体験しているような何の変哲もない日常で、全然ドラマティックじゃないんです。だけど、いいやだからこそ、その日常をここまで温かく記録できる陽道さんの愛情には頭が上がりません。

日々を流れるように生きていくのか、ひとつひとつの出来事をかけがえのない時間として受け取るのか。

それだけでこんなにも変わるのかと思い知らされました。

速読はせず、コーヒーを飲みながらゆっくり読もう!

この本は、一気に読まなくてもいいし、急いで読み進める必要はありません。むしろ、ゆっくりじっくり、自分の中の浸透させるように読み進めて欲しいです。

そしてたくさんある〝心に響く言葉〟を取りこぼさずに受け取り、自分のものにしてほしいんです。

例えば〝体温と心臓の鼓動が直に伝わるのが、おんぶの良さでもある〟

みなさんはここまで考えて、ここまで感じようとしておんぶをしていますか?この文章を読んだ時、感動しすぎて鳥肌が立ちましたよ。

その他も今までの自分の雑さ、鈍さを痛感させられる文章が盛りだくさんでした。子育て中の方は育児についての〝背骨〟になること間違いありません。

この本は、著者の人柄が溢れ出ていて馴染みやすいですね!

Eテレの「おかあさんといっしょ」のエンデング曲「きらきら ぽん」の作詞も担当しているんですよ!

文字だけではなく、写真、そしてその裏の情景まで楽しめるこの本は、時間をゆっくり、そして贅沢にしてくれる1冊です。

Profile

小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当

楽しく生きるためのヒントが詰まったこの1冊は、未来の自分に期待をさせてくれるかもしれません。























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