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移住体験コラム⑥ 北海道で移住体験!郊外暮らしを満喫してみた(上士幌町編)

2022年7月から始まった移住体験。9月から4カ月半、『上士幌町』というまちに居場所を移して暮らしました。当町は、知る人ぞ知る、「ふるさと納税」の神的存在。そして、それを原資にした「子育て環境を重視」しているまち。人口5000人のまちで双子はどう暮らしていくのか。リアルなまちの情報をレポートします。

十勝の引越しはみんなの力をお借りして

2022年9月初旬。体験移住させていただいていた豊頃町さんのすごく快適やった住宅で、ひたすら荷造りに励んでいた我々夫婦。次なる目的地は、同じ十勝エリアの「上士幌町」。昨年、私は会社の有志を募り、『勝手にワーケーション』と題して、様々な部署のメンバーが混在した形で、ワークとバケーションをしてみたらどういう効果があるか、というのを実践していました。

その時のメインに訪れたまちの一つがこの「上士幌町」さんでした。色んな場所を視察させていただいて、『子供が産まれたら、来年育休取ってこの町で体験移住してみたい!』と強く感じてしまったのです。移住者が多いことでも有名なこのまち、体験移住の申込もかなり多いようで、当たるのか、、、と思っていたら、見事当選!悩みに悩み、豊頃町さんと共に二つのまちの暮らしを体感するというのも面白い!と思い、上士幌町にもお世話になることに。

荷造りも終わり、引越しについては、本当に色々な方にお手伝いいただきました。豊頃町に来るときにもお世話になったYさん、Kさん、そして、十勝では知らない人はいない会社のS社長さんご夫妻に、すごく我々夫婦のことを気にかけてくださっているSさんご夫妻。他にもうちの双子の遊び相手、妻の話し相手にと、本当にいろんな方が遊びに来がてら、荷物運びを手伝ってくださいました。

豊頃町から上士幌町まで片道およそ70キロ。僕は3日間で結局5往復することとなり、フラフラになりました(笑)

上士幌町は、北海道の地図でほぼど真ん中!!実は素晴らしい温泉があるまち。

上士幌町は、十勝エリアの北部に位置する人口約5,000人ほどの酪農・農業が盛んなまち。十勝エリアのなかでも群を抜いて有名なのが、『ふるさと納税』。ふるさと納税の金額が日本国内でも最上位ランクなんです。そのふるさと納税の寄付の大半を子育て施策に充てたことにより、0歳~18歳までの子供の教育・医療に関する費用は基本無料、ということをいち早く導入されたまちということで、子育て層の移住がかなり増えたというまちです。

地図で言うと、北海道のちょうどど真ん中に近い場所に上士幌町は位置しています。町の中心部は南側で、北側はほとんどが大雪山国立公園内にあり、携帯の電波も届かない国道273号線(通称ぬかびら国道)を北に走り抜けていくと、三国峠があり、そこからさらに北上すると、有名な層雲峡(上川町)の方に抜けていきます

私個人としては、上士幌町と言えば、温泉。糠平温泉郷にある中村屋旅館さんは、DIYで少しずつ改装されているお部屋がステキで、何よりご飯もおいしく、ロビーの囲炉裏であぶるポテトチップスの美味しいこと。宿に籠るなら、本当におすすめのお宿です。また、糠平温泉郷から北へ10キロほど進んだところに、一軒ぽつーんとたたずんでいる風情溢れる幌加温泉。こちらは、自炊の宿で、素泊まりで宿泊したこともありましたが、携帯も完全に圏外、ただただ夜中に露天風呂で星を眺めながら3時間入浴、みたいな時が止まる経験が出来たりも。鹿の谷という名前がついているのですが、その名の通り、エゾシカがそこかしこにいて、運が良ければエゾシカを愛でながら、露天風呂を楽しめます

そして、更に数キロ北上すると、もう林道が決壊してしまい、行けなくなった岩間温泉という野趣あふれる秘境の無料露天風呂も。国道からダートの道を20キロほど走り、最後は自分の足で川を渡って、ようやくお風呂に入れるという非常に面白い立地にあった温泉でした。

また、糠平湖は、「タウシュベツ橋梁」でも有名ですが、全面が凍る1月~3月頃限定で、凍った湖面の辺りに限定カフェ「Sift Coffee」さんがオープンし、湖面でも散策したり、ワカサギ釣りをしたりと楽しめます。更に!この冬から、なんと、糠平湖氷上サイクリングまでスタートしています。残念ながら1歳児を連れての参加は難しかったので、体験できませんでしたが、この季節にしか体験できない糠平湖を存分に楽しめる取組みがたくさんありました。

上士幌の市街地はぎゅっとまとまってます。あれこれ徒歩圏で済ませられる便利な立地

人口5,000人のまちで、中心となる市街地は一つ。必要なものがギュッと詰まっている上士幌町。中心地に人口の約8割4000人ほどが住んでいるそう。この中心地にはスーパーもコンビニサイズながら二つ、喫茶店や飲食店もたくさんあります。そして、コインランドリーに温泉に、バスターミナルに・・・と言い出すときりがないくらい生活利便施設がそろっています。もちろん僕が大好きな地域のインフラコンビニ、セイコーマートもばっちりあります!中心地から少し離れると、ナイタイテラス、十勝しんむら牧場のカフェ、小学校跡地を活用したハンバーグが絶品のトバチ、ほっこり空間がすっごくステキな豊岡ヴィレッジなどなど、5000人のまちとは思えないくらい色々なものが揃っています。

そして、なんと、この12月1日から、自動運転の巡回バスが本格稼働している、なんていうすっごい先進的なことまで起こってしまっているのが、このまちの特徴。これまで、ドローンで宅配の実験など、日本でもなかなかそこまでやっているところはないで~というくらい、先進的な取組みがたくさんなされているまちでもあります。

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上士幌町では移住者の定期的な集まりも。ママのホットステーションというステキな集いの場も

上士幌町は過去から移住者が多いまちとして有名なのですが、移住された方、体験移住中の方などが集まる「誕生会」と呼ばれる持ち寄りのお食事会が月1回開催されています。毎回来られる方は違うので、移住されている方がすごく多い、というのがよく分かります。

持ち寄りのレベルもすごく高く、私たちは出来合いのものを買って持っていくくらいやったのですが、育児で自分たちの食事のことに時間が割きにくい立場としては栄養補給という意味でもすごくありがたいひとときとなっていました(笑)

更に、上士幌町といえば、すごくありがたい取組みが『ママのホットステーション』。だいたいにおいて、育児の場合、子供たちが主役になり、「子育てサロン」として開催されるわけなのですが、この取組みの主役は『ママ』。ママが子供たちを連れて、ゆっくりしたひと時を過ごすことができる場を元保育士の倉島さんなどが企画・運営されていて、今や全国的にも注目される取組みになっています。実は、上士幌町で移住体験がしたかった一番の目的は、この『ママのホットステーション』を妻に体験してもらいたかったこと、倉島さんの取組みをしっかり体感したかったことにありました。ほぼ毎週のように参加させていただいた妻は本当に大満足で、ママ同士の交流も楽しんだようです。

NPO法人さんが移住相談窓口。どんどん突っ込めばいろんな情報が!

上士幌町は、豊頃町とは異なり、NPO法人上士幌コンシェルジュさんが運営する「かみしほろ情報館」が移住関係の問い合わせ・フォロー窓口になります。こちらには名物コーディネーターである川村さんがいらっしゃって、あれこれ教えてくださいます

ただし、上士幌町のスタンスとしては、まずは自分から動いて情報を取りに行くことを前提とされています。私はお客さんやと思って待っていても、情報は入ってこないので、どんどんまちに出て、「かみしほろ情報館」の方に分からないことは聞いてみましょう!我々家族は双子の育児でかなり大変やったので、聞いて回るということもあまりできず、ママのホットステーションと誕生会以外は個人的にウロウロしてお友達を増やしていきましたが、行政サービスなど、聞かないと分からない情報がたくさんあると思いますので、うまく活用すべし!

移住体験住宅は10戸以上あり。長期滞在用は築年数は少し古いものが中心

僕たちが暮らした移住体験住宅は、2LDK75㎡&納屋・駐車スペース4台分付という広さ。豊頃町の体験住宅に比べるとやや狭いものの、やはり都会では考えられない広さでゆったり暮らせました。住宅としては、現役の教職員住宅(異動の多い学校の先生向けの公務員宿舎)でした。平成の建物で、冬の寒さにも全然問題ありませんでした。ただ、少し水回りが傷み始めていたので、ぜいたくを言えば、お風呂や洗面コーナーがもう少し良ければ100点!やったかなと思います。とはいえ、家賃は月額36,000円で水道・電気代が込みと考えると破格の条件かもしれません(暖房・給湯などの灯油代は別途実費負担)。

立地は、まちの中心からは徒歩10~15分ほど。ベビーカーを押して動ける季節には、何度も散歩がてら出かけましたが、ちょうどいい距離感でした。南側は開けた空き地になっていて、日当たりもすごくよくて、冬の寒い日も、晴天率が高いため、日光で室内はいつもぽかぽかになっていました。これも、都会に暮らしていると気づかないことが多いですが、やっぱり、日光ってすごく大事なんやなぁと改めて感じた次第です。

上士幌町は利便施設が集中していて、暮らしやすい!

 上士幌町は、ふるさと納税や、先進的な無人運行バス、ドローンを活用した配達など、暮らしというより、取組みばかりが目についていたのですが、実際暮らしてみて思うこと、それは暮らしやすい。中心市街地にギュッとまとまって買い物・食事・公共施設が揃っていて、基本徒歩でも可能。更にコミュニティバスなども走っていて、車がなくとも、生活自体は十分可能な気がしました。これから自動運転バスも本格稼働し始めると、更に便利になるんじゃないかなと
 
そして、移住してきている人も多く、起業されたり、新潟県本社の超有名企業で働いているのに、なぜか居住地は上士幌町やったり、十勝しんむら牧場さんのように、元々上士幌町にお住まいの方なのに、新しい取組みをバンバンされていたり、面白い暮らし方がそこかしこに。
 
また、上士幌町さんは新築住宅を建設する際の補助があるのですが、子育て層にはさらに手厚くなったり、太陽光発電設備などへの補助もあるためか、新築住宅の建設も結構たくさん見ました。これはこれとしていいと思うのですが、移住検討の人からすると、まずはお安くお家を借りられることが大事やったりもするので、今ある古い住宅をリノベーションしたり、古い公営住宅を例えばチャレンジスペース的にカフェやお花屋さんなどで借りられるような仕組みがあったりすると、新規建設よりもエコやし、今よりもっと面白い人たちが移り住める可能性が高まるんとちゃうかなぁと感じました。

 上士幌町で過ごした4か月ちょっとの期間は、当初45キロほど離れた帯広市内の方で用事があることも多く、まちの方との交流も少なかったですが、後半になり、たまたまカフェで出会ったKさんご家族とは、お家に呼んでいただいて、お庭でテントを張って、焚火をして。糠平湖畔のカフェ「ヒグマ珈琲」さんを運営されている鈴木さんには上士幌町のあれこれをたくさん教えていただいて、焼肉三千里も2回も行かせていただきました。

すごくおいしいスパイス「旅するキッチン」シリーズをつくられている齊藤さんには双子ともよく遊んでいただいて、今もスパイスすごくおいしく使わせていただいています。個人的につながっていきたいなと思う人も数多くいる上士幌町、これまで以上にもっともっと面白くなっていける、そんな気がするまちでした。

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小正 茂樹

小正 茂樹

不動産屋 / 移住ライター

暮らし方探求者。日本最大級の不動産会社に属し、主に自社物件管理・運営に従事。無印良品とコラボしたリノベーションプロジェクト、グッドデザイン賞を受賞した「暮粋(くらしっく)」など数々のリノベーションや、賃貸でもDIYを楽しめる「DIY住宅」を確立。WEBマガジン「うちまちだんち」の編集を担当。現在は双子が産まれ、約1年の長期育児休業を取得。2022年7月から約半年間『移住体験』の制度を活用して大好きな北海道にプチ移住を体験。

  1. 移住体験コラム⑥ 北海道で移住体験!郊外暮らしを満喫してみた(上士幌町編)

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  3. 移住体験コラム④ 北海道・十勝に移住体験して思い知ったレベルの高さ(イベント編)

  4. 移住体験コラム③ 北海道で移住体験!郊外暮らしを満喫してみた(豊頃町編)

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  6. 移住体験コラム① 育児休業と移住体験を組合せて、大好きな北海道で暮らす

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