快挙!帯広市が「美食都市」に選ばれました。「美食都市研究会」と雑誌「料理王国」が創設した「美食都市アワード2024」の受賞5都市のうち、帯広が選出されたんです。しかも、第1回の受賞都市として!同アワードは、地域の食材を活かした独自の料理や食文化の発展が評価の対象。その他の美食都市として、山形県鶴岡市、石川県金沢市、京都府京丹後市、長崎県雲仙市が選ばれました。
帯広が「美食都市」に!北の屋台やとかちマルシェなど評価
2024年、日本で初めて美食(食の豊かなあり方)の観点から都市を表彰するアワード「美食都市アワード」が誕生。選ばれた5大美食都市として帯広市が食を通して地方都市の価値を高める取り組みで選ばれました。このアワードは、「美食都市研究会」と雑誌「料理王国」により新設されたもので、地域の食材を活かした独自の料理や食文化の発展が評価の対象となったそう。
帯広市は、冷涼な気候と広大な土地を生かした農業や畜産業が盛んで、特に豚丼やチーズ、スイーツなど地元産の食材を用いた料理が注目。また、毎年市内で開催される「とかちマルシェ」や「北の屋台」などの食のイベントも、地域経済に寄与し、多くの訪問者を引き寄せる要因として評価されました。
豊富な食やマルシェ評価 雑誌「料理王国」など創設
「美食都市アワード2024」は、食文化と地域振興を組み合わせた新しい都市開発の取り組みとして、ガストロノミー(美食術・食文化)を活用したまちづくりなどを考える美食都市研究会(橋爪紳也大阪公立大特別教授が会長)と人気雑誌「料理王国」との共同企画により設立。
このアワードは、橋爪教授が率いる5名の審査委員によって選ばれ、51の候補都市から厳選された10の都市が最終審査の舞台となりました。審査では、各地域に根差した革新的なシェフやレストランの存在、地域の特産品や生産者、さらには自治体の食文化に対する取り組みが評価の中心とされたそう。初回の受賞都市には鶴岡市、帯広市、金沢市、京丹後市、雲仙市が選ばれ、それぞれが独自の食文化を活かした地方創生のモデルとして表彰されました。
ちなみに、アワードの対象は、10万から20万人程度の中規模都市に限定されており、100万人を超える大都市は原則として対象外です。この基準により、より地方都市の魅力と可能性を世界に示すことが目指されています。特に帯広市のような都市は、地域固有の食文化を活用した成功例として、他の地方都市にとっても貴重な参考事例となり得ますね。
帯広以外の美食4都市の評価
第一回目となった「美食都市」選定。北海道帯広市のほかに石川県金沢市、山形県鶴岡市、京都府京丹後市、長崎県雲仙市の4都市が同時に認定され、これらの都市が持つ独自の食文化や地域振興への貢献が高く評価されました。以下は評価内容です。
山形県鶴岡市
2014年に日本で初めて「ユネスコ食文化創造都市」に認定された鶴岡市は、出羽三山の精進料理や地元で伝承されてきた在来作物が特徴です。地域の産官学を巻き込んだ食文化の振興活動は、「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフを中心に展開され、全国的にも模範とされています。この活動により、地域固有の食材を活かした料理が評価されました。
石川県金沢市
金沢市は、加賀料理や料亭文化など伝統ある食文化とともに、金沢カレーやおでんなどの新たな名物料理も楽しむことができる食の都市です。日本海からの新鮮な魚介類を使用した料理は特に有名で、近江町市場ではこれらの食材が手に入り、市場自体も観光地としての魅力を持っているのを評価。
京都府京丹後市
京丹後市では、そのしろ寿しなどの伝統的な発酵食品が健康長寿に貢献していると評価されています。また、地域の食材を生かした独創的な日本料理が充実しており、特に「魚菜料理 縄屋」のような料理店は、観光客にとって訪れる価値が高いとされます。豊富な魚介類と米の栽培、有機野菜の生産も地域の食文化を支えていることが評価。
長崎県雲仙市
雲仙市は、明治時代からの歴史を持つ雲仙温泉や小浜温泉で知られ、これらの地で提供される独自の洋食や蒸し料理が人気です。地元で持続可能な農法を実践する岩崎政利氏をはじめとする農家や、野菜料理を専門とするレストランが集まることで、地域の食文化が豊かになっています。また、「オーガニック直売所タネト」では地元で栽培された在来種野菜が購入でき、訪れる人々に高い評価を受けました。
4都市は、それぞれが持つユニークな食文化や食材の活用により「美食都市アワード2024」での評価を受けました。食を通じて地域の魅力を国内外に発信し続けることが、今後の更なる発展に繋がるでしょう。
東京は世界の「美食都市」の代表
今回の「美食都市アワード2024」とは関係ありませんが、世界中の食通が「食の都」と聞いて思い浮かべるのはどの都市だと思いますか?日本国内では多くが海外都市を想像するかもしれませんが、国際的に見ると「食の都」の答えは多くの場合、東京です。これは、ミシュランガイドのレストランとホテルに与える星の数が、世界で最も多い都市が東京だからなんです。
御存知の通り、フランス発祥の『ミシュランガイド』は、美食を評価するための基準として世界中で広く認知されており、特にその星評価はレストランの品質を示す重要な指標となっています。このガイドブックが初めてアジアに進出したのは2007年、その地は東京でした。『ミシュランガイド東京 2008』の発行以来、東京はその美食の質と多様性で世界の注目を集め続けているんです。
星の都・東京がずっと世界1位
現在、東京は『ミシュランガイド』で星を獲得したレストランが最も多い都市として、フランスのパリやアメリカのニューヨークをしのぎ、連続して世界1位の座を守っています。特に「ミシュランガイド東京 2023」では、200軒ものレストランが星を獲得しており、その数と質は他の追随を許さないレベルです。この成功は、良質な食材と一流の料理技術が融合した結果と言えるでしょう。
日本の食文化の多様性と強さ
そして、前述の「美食都市」のほかにも、東京だけでなく、京都や大阪もトップ5にランクインするなど、日本全体が世界的な美食の目的地としての地位を確立しているんです。日本の食文化は、四季折々の食材を活かし、それぞれの地域が持つ独自の食文化を大切にしています。このような文化的背景が、国内外の食通たちを惹きつけ、日本の美食の場が国際的に高く評価される理由なのでしょう。
「美食都市」が揃うわが国「にっぽん」は、ただ単に料理の技術が優れているからだけでなく、食に対する深い理解と尊敬が根底にあるからです。この都市では、食は文化であり、芸術であり、生活そのもの。東京や大阪、京都だけでなく、帯広や鶴岡など、地方都市においても食文化に秀でる日本を世界にどんどん伝えていきたいですね。