北海道の土地面積の約70%を占める森林。しかし、個人が山を持っていても管理が行き届かず、価値を生み出す事が難しいのが現状です。スイスなどでは森の機能を維持しながら林業経営を行う森づくりの方法があるそうです。それを池田町で目指しながら事業を起こし、30haの森の管理をしている、元池田町地域おこし協力隊の2人、「minotake(ミノタケ)」の川瀬千尋さんと頓所幹成さんにインタビューしました。
塚田 玲央. All Rights Reserved
川瀬千尋|かわせちひろ(左)
北海道様似町出身。投資家として知られるロバート・キヨサキに感化され、経歴を辿るようにまずは自衛隊に入隊。その後帯広の不動産会社に就職。大好きな森にいる時間を増やしたくて、林業推進枠で募集されていた池田町の地域おこし協力隊になる。不動産、民泊、hakonoko(生キクラゲ生産)など、複数の事業を手がける。きのこと山菜が好きな男。
頓所幹成|とんどころみきなり
長野県中野市出身。東京農業大学森林総合科学科卒業後、町おこしを推進する、フリーミッション型の地域おこし協力隊として池田町に移住。エゾシカ革専門の革製品ハンドメイドブランド「TanDecor(タンデコール)」を立ち上げ、狩猟・解体・皮なめし・製品製作までを一貫して行う。鹿と木登りが好きな男。
池田町の地域おこし協力隊の先輩を追いかけた
ーー2023年に森林環境を保全しながら経済性を追求し、伐採や剪定などを行う会社「minotake(ミノタケ)」を立ち上げたそうですが、お二人の出会いは池田町の地域協力隊との事。池田町の地域おこし協力隊になるまでの経緯を教えてください。
川瀬:自衛隊を退職後、帯広の不動産会社へ転職し不動産経営を学んでいました。きのこと山菜が大好きで、もっと森にいる事が出来ないか?と考えて林業について調べていたところ、経済性と環境保全を両立する自伐型林業に辿り着きました。そのタイミングで池田町が自伐型林業を推進する地域おこし協力隊の募集を行っていたため、応募しました。
頓所:長野県で生まれ育ち、そこで祖父母が果樹を育て生活していました。子どもの頃からお小遣いをもらう為に手伝っており、木は身近な存在だったんです。果樹園を継ぐことも念頭に、高校は農業高校へ行き大学も東京農業大学森林総合科学科へ進学。
大学の卒論のテーマに狩猟を選び、都内で行われていた狩猟のフォーラムに参加し始めた所、当時池田町の地域おこし協力隊だった方の活動を知ったんです。この人のいる池田町に行きたいと、後を追うように池田町の地域おこし協力隊となり、狩猟ライセンスを取得。最初の1年間は彼にピッタリとくっついて狩猟から解体、皮のなめしなどを教えてもらい、2年目に独り立ちして鹿撃ちを始めました。