帯広駅前を歩いていると聞こえてくる「き〜る〜も〜の〜や♪」や「ちえん♫ちえん♫」など、文字に起こすと意味不明な街頭放送の声。帯広出身者ならば誰しもが知る街頭放送です。家にテレビのない時代の街頭テレビとは違います。NHKの街録インタビューでもありません。街頭放送です。今回は、帯広が誇る日本でも珍しい街頭放送のパイオニア「時事タイムス放送社」を深掘りします。
昭和21年創業の時事タイムス放送社とは
帯広駅周辺、飲食店街、2023年1月31日に122年の歴史に幕を閉じた「藤丸百貨店」前、アーケード街となっている広小路商店街などなど、帯広市中心街を歩くと聞こえてきます♫
それが、街頭放送です。
帯広市に住むひとなら誰しもが知る「マジジョカル♫ マジョカル♫」「ホテルテルテル♫大平原〜」などなど、数十年間も耳にしてきた街頭放送コマーシャル。
「一体、誰が流しているの?」と疑問を抱いたことはありませんか?
答えは「時事タイムス放送社」です。
同社は、昭和21年の終戦直後に誕生した会社。設立当時は「道東タイムス」という社名で新聞を発行していましたが、戦後の資材不足で休刊。時事タイムス放送社に商号を変え、街頭放送を昭和24年に開始。それが今に繋がっているわけです。
新聞発行から街頭放送と業態変化を遂げた時事タイムス放送社ですが、その後は釧路、札幌(札幌は別商号)と3都市に広げるとともに、帯広と釧路で有線放送業務を開始。平成6年(1994年12月)には、グループ会社の株式会社おびひろ市民ラジオ「現FMウイング」を開局します。
「設立当初は街頭放送がメイン事業でしたが、時代の変化とともに弊社も多角化し、現在はそれほど大きな比重(街頭放送事業)を占めているわけではありません。それでも歴史ある事業ですし、帯広市民の皆様やクライアント様から長年、親しまれていることは誇りです」(時事タイムス放送社の八巻部長)
「きるものや」に認められて一人前
そんな八巻さんに、街頭放送の現在を伺いました。
Q街頭放送はどうやって流しているのですか
Q時事タイムス放送社から流しているんですか
Qここでひとつ疑問です。「街中で音を流してよいの?」
Q放送内容はどうやって作っているんですか
Q収録は時事タイムス放送社で行うのですか?
Q放送時間は?
脳が覚えている!恐るべし街頭放送のチカラ
帯広で生まれ育った人なら、誰しもが一度は聞いたことがある街中の街頭放送。思い出の広告は数あれど、皆さんはどんな放送を思い出しますか?
40代男性「やっぱりマジョカルでしょう!」
「マジジョカル♫ マジョカル♫不思議な力を持ってる〜♫マジョカルカードはニッセンレン」
20代女性「ドラえもん風のクレジットカード!」
「欲しいものがあるけど〜お金がない。どうしよ〜う♫」「大丈夫だよ!そんな時でももう安心!NCカード!」
ちなみに、八巻さん曰く「ホテルテルテルでお馴染みのホテル大平原さんの放送は2020年で休止しています」とのことですが、多くの人から「えっ!最近も聞いた気がします」と答えが返ってくるそうです。それだけ帯広市民の耳に残っているんですね。
他にも、放送内容のトレンドについて聞くと「2人以上の掛け合う内容が増えています。歩行者に話しかけるような感じもいいですね。あとは音声にエコーをかけた方が脳裏に残るようですよ」とのこと。
皆さんも、帯広で広告やプロモーションを打つなら、街頭放送はいかがでしょうか。時代が変化しても多くの人が、広告(放送)内容を覚えているほどのインパクトがあります。帯広最強の「すりこみ効果」はいかがでしょうか。
【INFORMATION】
株式会社時事タイムス放送社
所在地 080-0802 北海道帯広市東2条南11丁目3番地
電話番号 0155-25-3603
公式サイト