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インタビュー

空の上で熱気球おじさんをインタビューしたら空と大地と感動がありました。

ある冬の朝、熱気球クラブ「十勝空旅団」の観光アクティビティを体験した観光客は、興奮気味に「北海道を連想する高い大空と広い大地は十勝で気球に乗れば体感できます。世界観が変わりますよ」と話します。百聞は一見に如かず。みなさん熱気球でフワフワ空の旅はいかがでしょうか。熱気球おじさんこと、十勝空旅団(2023年法人化して十勝空旅舎に変更予定)の篠田博行代表に、熱気球の魅力と十勝で飛ぶことの素晴らしさを伺いました。

空でインタビュー!熱気球よりも熱い十勝空旅団(舎)篠田さん

十勝空旅団の結成は趣味を継続するためでした

「当初は事業化による熱気球活動の持続可能化(主に経費面)が目的でした」と語るのは、2022年に「第49回北海道バルーンフェスティバル」の競技で、5位入賞を果たした熱気球クラブ「十勝空旅団」の篠田博行代表です。

上下で風向きや風速の違う風を読みながら正確に気球を操る熱気球。「無風では進みませんが上昇することで実は風が吹いているのでそれを捕まえて進むんです」(篠田代表)

少年時代に父親が保有していたモーターボートに乗ったことで、動くアクティビティの魅力にはまった篠田さん。大人になり、ハンググライダーの「技能証」を取得することで、徐々に風を読む楽しさを覚え、気づけば熱気球の魅力に取り憑かれていったのだそう。

2008年に雪の舞という中古の熱気球を購入し「チーム雪の舞」として熱気球の社会人サークルを立ち上げ活動を始めましたが、熱気球のフライト・運用には、熱気球そのものの価格が高価なうえ、運搬用の車両・ガス代・保険料・ガソリン代・メンテナンス費用等々・・・。サラリーマンの趣味としては、なかなか贅沢な遊びでした」と振り返る篠田さん。

「経費面を補うことが目的でした」と話す通り、趣味を継続するためにも「やりたいことで稼ぐ」を決め、イベントや予約客を乗せるようになっていきます。

そして、2019年に北海道バルーンフェスティバルで優勝(前述の前回大会は5位)したことがきっかけで「趣味での競技参加」から「熱気球による観光事業」に舵を切り、贅沢な遊びだった熱気球の運用資金の事業化に取り組み、熱気球活動を持続可能なものにすることを決意し、起業を志します。

「お客さまが私の想定以上に喜んでいただけること。わざわざ熱気球を目的に十勝へ来ていただけること。私の気づかない十勝の良さを感じていただけること。いつしか、もっと熱気球に乗ってもらい、十勝の素晴らしさを伝えたいと強く思うようになっていきました」(篠田代表)

そして今では、趣味の持続可能から「お客様を楽しませたい。十勝の魅力を空から伝えたい」と、趣味集団「十勝空旅団」からアクティビティ会社「十勝空旅舎」へと変わっていったそうです。

十勝は熱気球を飛ばすのに適しているんです

なぜ十勝で熱気球なのか……。熱気球おじさんの篠田さんはこう語ります。

「熱気球そのものの魅力は、飛行機と違って風がなければまったく進みません。風まかせなので、毎回ルートも変わりますし、ベテランになっても思い通りにいかないところが飽きないんです。練習によってストライクをとれるボーリング競技というわけにはいかないのが魅力です」。

十勝で熱気球を続けることの意義は「十勝が全国でも珍しい通年上げられる地域だから」だそうです。

そもそも、帯広(おびひろ)の語源であるオベリベリというアイヌ語の意味は「川が多い」という意味。熱気球の離発着に必要な安全な場所を確保できる「広い河川敷がたくさんあるからこそ熱気球を通年飛ばせるんです」と篠田さんは説明してくれます。

今回インタビューした冬場は、畑が雪に覆われているため、畑に降りることができます。ところが、夏場の作物を耕している畑には降りられません。するとどうしても冬に限定されてしまいますが、広い河川敷がたくさんある十勝や帯広では自由に離発着ができるというわけです。

外部の人に教わった十勝の魅力が原動力となりました

前述した通り、十勝で生まれ育った篠田さんが熱気球を仕事にしようと考えたのは趣味を継続するために稼ぐことでした。

ところが、お客さんを乗せることで大きく気持ちが切り替わったと言います。

「熱気球のフライトはとても稀な体験で面白いのですが、十勝で育った私かからすれば常に当たり前の風景でした。ところがお客さんを乗せている思いもよらない感想が返ってきました」

中でも、一番印象的だったのは、東京から来た20代の3人組だったそう。

篠田さんが「熱気球は関東でも乗れるところがあるんですよ」と案内すると3人組は声を揃えて「やっぱり北海道で乗らなきゃ~!何もかもがちっぽけに見えるほど広がる大地とどこまでも続きそうな高い青空はここでしか体験できません」と満面の笑みで返してきたそうです。

他にも「本当に道路が真っ直ぐ」や「海外に行かなくても海外を体験できた」など、篠田さんにとって当たり前が、多くのお客さんにとっては予想以上の非日常でした。中には、篠田さんが「十勝のどこが良いのですか」と聞くと、東京からのお客さんは「何もないところ」と答えたそうです。

同じ日本人でもここまで違う価値観に篠田さんの考えは一変。「こんなに魅力的な場所であればもっと広めていきたい」と十勝の魅力を広める伝道師になろうと決意します。

十勝空旅団から十勝空旅舎へ

決意した篠田さんの行動は矢継ぎ早でした。

熱気球を中心とした十勝のスポーツアクティビティ会社の起業を決めると、十勝地域で起業・創業する方や、既存事業の競争力・生産性向上に取り組む挑戦的な企業をより多く輩出することを目的に、「新たな価値」を創出しようとする起業家や、先導的な「ものづくり・サービス」に取り組む中小企業などに資金を支援する「令和4年とかちビジネスチャレンジ補助金(とかち財団)」に応募。見事に採択され300万円(補助率:10/10)を手にします。

篠田さんは、採択後について「フライトは基本的に一日一回、風の穏やかな早朝のみしかできず一度に搭乗できる人数がネックとなっていましたが、補助金を活用することで、ゴンドラを大型化し対応人数をアップしました。また、扉付きゴンドラとすることで足のご不自由な方や車いすの方も搭乗可能とし、今まで搭乗を諦めていたお客様にもご利用いただけるようになります。熱気球は早朝フライトが条件となるため前泊が必須です。そのため、早朝アクティビティ体験後の十勝観光も可能です。その他、広告を活用したご当地キャラクター等の宣伝や学生チーム支援、イベント・学校・福祉施設での係留体験など、本事業の活用により十勝の滞在型観光客の増加や十勝=熱気球のブランド化、熱気球の裾野を広げる活動にも効果を波及させていきます」と熱く語ります。

北川 ヒロシ
北川 ヒロシ
今後の具体的な活動は?

・約1時間のフリーフライト(遊覧飛行)
・イベント等(お祭り・学校・福祉施設等)での係留フライト
・熱気球操縦士免許取得のためのトレーニングフライト
・熱気球の風船部分への広告
・海外富裕層へのVIP的フライト
・熱気球の広告を利用したキャラクター開発
・風船部分への映像技術の開発
・燃料やバーナー装置の環境対策

熱気球のように熱い男。十勝空旅団改め、十勝空旅舎の篠田博行代表の挑戦は始まったばかりで「十勝にきたら、絶対!熱気球で空と大地を体感しないと意味がない」と言われる日も近いのではないでしょうか。2023年4月からは平日も予約開始!

【PROFILE】
篠田 博行|HIROYUKI SHINODA
十勝空旅舎 代表
1967年生まれ。小中は十勝の本別で過ごし、池田高校に入学。卒業後は地元池田のHANNAN食肉へ入社。バブル真っ只中の会社が熱気球を購入したことを機に熱気球の免許を取得。十勝池田熱気球協会に所属し熱気球を続けるも、転職を機にお金のかかる熱気球活動を休止。しかし2008年には熱気球を自前で購入し活動を再開する。2019年上士幌バルーンフェスティバルでの優勝を機に副業としてゲストフライトを実施。2023年には仕事を辞め、十勝の魅力的な観光コンテンツとして、北海道の熱気球振興の担い手として事業を本格化する。

 

【INFORMATION】

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北川 宏

北川 宏

SUMAHIRO 編集長

記者12年→編集者8年→広報→起業|2022年7月『圧倒的におもしろいメディアが地方を救う』を掲るメディア会社 株式会社スマヒロの代表。新聞・経済誌の記者、雑誌編集者(日本)、週刊誌(海外)編集長、広報を経て2022年夏に起業。北海道十勝出身。東京13年→バンコク7年→北海道。

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