圧倒的におもしろいメディアが十勝を救う

CATEGORY

最新記事

TAG

タグリスト

カルチャー

帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『室町無頼』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.50

帯広で映画を観た!シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。今週の映画は『室町無頼』です。

前回のコラム「帯広で映画を観た!」はコチラ

気になる方はお早めに!『室町無頼』

多分このコラムが掲載される日が帯広での上映終了日かもしれない!
シネマ太陽帯広では3月6日まで上映中『室町無頼』。

見た順はこちらの方が先だったのですが
「地元監督の『馬橇の花嫁』を先に紹介しなくては!」
と思っていたらこんなことに……。

こんなに早く上映終了するとは思ってなかったんです!!

だからといって、我が北海道のスター・大泉洋主演作を紹介しない訳にはいきませぬ!!

垣根涼介の歴史小説が原作の映画作品『室町無頼』。

大泉洋は、日本史上初めて武士階級として初めて〇〇した牢人(ろうにん)蓮田兵衛を演じています。
※史実だし各方面で書かれてはいますが、話の肝なので何となく伏せました
※※当時は浪人ではなく牢人

もしかしたら大泉洋史上、最も格好いい役かもしれません。
しかし飄々としたところは良くても「果たして自分は、大泉洋に剣の腕といった格好よさを求めているのだろうか?」という点は、ちょっとよく分からなくなりました。

痒いところに手が届かない「かゆさ」がある

この作品、上下巻の原作小説の方では登場人物の内面描写が多く、悩みなど現代人と共通する部分を多く感じられます。

一方映画版は、ちょこちょこ、いやかなり原作と違っています。

主として映画作品としての盛り上げやカタルシスを作るための変更かと思い、それはそれで納得。
(例えば原作では史実に沿って複数回行われている京都での戦いを、1回で済ませているところなど)

応仁の乱前夜。
「京都では『先の戦』とは応仁の乱を指す」いう嘘か誠か分からない『京都ジョーク』で言われる「先の戦争」前のお話です。
室町時代中期を描いた歴史小説の映画化は珍しいし、在りし日の相国寺の七重大塔の姿を見ることができて、余は満足じゃ。

ただ、どこか全般的に「かゆい」。
全体的には、紹介するに足る映画だとは思っていても、痒いところに手が届かない「かゆさ」を感じる映画でした。

これは脚本の練りが足りないのか何なのか分かりません。
総統
総統

 

登場人物の人となりや関係性が変わる過程をもう少し見たかった

人の顔と名前が覚えにくい私でも、『十一人の賊軍』はキャラクターが立っていて分かりやすかったんです。

しかし『室町無頼』は、恐らく私にとって登場人物が多過ぎました。
約2時間の映画に、文庫本では上・下巻になる原作から整理して人を整理するどころか、さらに登場人物を増やされて辛かったです……。
(所属俳優を少しでも出したい芸能事務所への配慮だったりするのでしょうか?)

もう少し、エピソードと人物を整理してくれてもよかったように思います。

それでいて、才蔵(長尾謙杜)以外の登場人物たちの関係性が、作中で出来上がった状態で見せられ、お互いが交わることで何ら変化しないのも、かゆかったです……。

特に、兵衛と骨皮道賢(堤真一)、高級遊女・芳王子(松本若菜)の関係性が。

個人的には、他の登場人物やエピソードを減らしてでも、映画版は映画版なりの兵衛と道賢(&芳王子)の関係性が成立する過程だったり何だり、それぞれの人となりが伝わる話をもう少し見たかったなーと思ったり。

なんかよく関係性の分からない人たちのことを深掘りしたい人は原作を読めば補完できますが、映画は映画として描いてほしかったです。

例えば、『ゴジラ -1.0』での敷島と橘のような激重感情までいかなくとも。
あの二人を、大戸島のエピソードなしに対立構造が出来上がった状態から見せられても、そのあと関係性が変わるエピソードなしに平坦に終わられても、困るんですよね……。

人と人とが交わっても、その摩擦による変化が0だと、心の心電図が触れないんです!

つまり、萌えない……。
(他の人にはかなりどうでもいいことかもしれませんが、私にとっては大事なポイントであります)
総統
総統

 

世紀末を感じる世界観は面白かった!

さて『室町無頼』の面白かった点は、作中での時代描写が『マッドマックス』を彷彿とさせる荒廃した世界観を出してきたことです。

応仁の乱前夜にふさわしい世紀末感といいましょうか。
『マッドマックス』的時代劇も、それはそれでいいと思うんですが。

その割には、音楽が微妙に軽い。

またクライマックスの大人数を使ったアクションシーンで、いてほしいところにカメラがいないのも、かゆかったです……。
(ジョージ・ミラー監督はどんなに込み入った戦闘シーンを描いていても、どこで誰が何をやっているのか分かりやすいなーと改めて感嘆しました)

そして登場人物が多いがゆえに、私にはもうクライマックスでそれまでに登場してきた人たちがクローズアップされても「この人どこの誰だっけ?」と誰が誰やら分からなくなってしまったのでございます……。(それで余計に、誰がどこにいて何をやっているのか、分かりにくくかったのだと思います)

良いところも多いだけに、脚本と音楽の軽さがもったいなかった

『室町無頼』の文句ばかり言ってるようですが、『十一人の賊軍』ほどスッキリしていなくても、最近見た中では秀作だったと思うんです。

ただ、低予算の自主制作映画で素晴らしい熱量と脚本の妙を見せてくれた『侍タイムスリッパー』を見た後だと、申し訳ないけれど「制作費かけてる割には、話の練りが足りないというか、もう少しできることがあったのでは?」と、どうしても見る目が辛くなってしまいました。

時代劇がもっと増えてほしいしし、この監督さんならもっとできるはず、という期待の意味もあります。

セットも殺陣も良い、衣装や人物の汚しも気合が入っている。
大泉洋、堤真一、長尾謙杜、松本若菜の演技良し!(この中の誰かが目当てなら、かっこいいところが見られることでしょう)
総統
総統

 

ただその他のスタッフさんの力の込め具合に対し、脚本と音楽の軽さがとても勿体無いなーと思った作品でした。

PROFILE

三崎 裕美子 | 腐女子 / 総統
1980年生まれ。北海道帯広市出身|釧路→新橋のサラリーマン(港区女子)→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。

















































十勝の会社と人材を結ぶ
求人Webメディア「TCRU」

  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
三崎 裕美子

三崎 裕美子

腐女子 / 総統

1980年生まれ。北海道帯広市出身|釧路→新橋のサラリーマン(港区女子)→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。

  1. 帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『ミッキー17』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.55

  2. 帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『トリリオンゲーム』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.54

  3. 帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『白雪姫』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.53

  4. 帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『忍たま乱太郎〜ドクタケ忍者隊最強の軍師』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.52

  5. 帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『ウィキッド ふたりの魔女』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.51

  6. 帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『室町無頼』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.50

スマヒロ最新記事

タグ一覧

  1. 16タイプ性格診断
  2. Discover hokkaido
  3. event tokachi obihiro
  4. ise festival
  5. Lake of the Sky
  6. NEW OPEN
  7. TCRU
  8. TIP
  9. tokachi obihiro winter hokkaido snow
  10. UIJターン
  11. waoje
  12. インタビュー
  13. インデアンカレー
  14. おびひろ平原まつり
  15. おびひろ氷まつり
  16. クラフトジン
  17. クリスマスマーケット
  18. サウナおすすめ
  19. スパイスカレー 新得
  20. ソフトクリームラリー
  21. たかまん
  22. とかちイノベーションプログラム
  23. とかちの講師ガイド
  24. ビアガーデン
  25. ファーマーズマーケット
  26. プチ移住
  27. フライフィッシング
  28. ふるさと納税
  29. ポツンと一軒家
  30. ますやパン
  31. マッチングサイト
  32. マッチングシステム
  33. モール温泉
  34. 上士幌町
  35. 人材紹介
  36. 依田勉三
  37. 六花亭
  38. 北海道グランピング
  39. 北海道サウナ
  40. 北海道温泉
  41. 北海道移住
  42. 北海道観光
  43. 北海道観光おすすめ
  44. 十勝 イベント クリスマス お花
  45. 十勝イベント
  46. 十勝スロウフード
  47. 十勝ドリームマップ
  48. 十勝バス
  49. 十勝求人
  50. 十勝牛
  51. 十勝産小麦100%
  52. 十勝石
  53. 和牛
  54. 国産小麦
  55. 国際農業機械展
  56. 地方創生
  57. 地方移住
  58. 地方起業
  59. 天然素材
  60. 天空の湖
  61. 山忠祭
  62. 帯広
  63. 帯広アロマ
  64. 帯広イベント
  65. 帯広おにぎり
  66. 帯広カフェ
  67. 帯広グルメ
  68. 帯広コーヒー
  69. 帯広サウナ
  70. 帯広スイーツ
  71. 帯広そば
  72. 帯広ドーナツ
  73. 帯広パスタ
  74. 帯広ハンバーガー
  75. 帯広パン屋さん
  76. 帯広ピラティス
  77. 帯広ラーメン
  78. 帯広ランチ
  79. 帯広三大祭り
  80. 帯広喫茶店
  81. 帯広寿司
  82. 帯広市
  83. 帯広整体
  84. 帯広映画
  85. 帯広求人
  86. 帯広牛
  87. 帯広神社
  88. 帯広移住
  89. 帯広蕎麦
  90. 帯広藤丸
  91. 帯広豚丼
  92. 広小路マーケット
  93. 書評
  94. 求人セミナー
  95. 満寿屋商店
  96. 焼肉の日
  97. 熱気球
  98. 牛とろフレーク
  99. 物流拠点
  100. 田舎暮らし
  101. 登録支援機関
  102. 秘湯 北海道
  103. 移住体験コラム
  104. 経済界
  105. 経済界大賞
  106. 美学
  107. 美学者
  108. 育児休業
  109. 芽室東工業団地
  110. 蕎麦屋
  111. 藤丸閉店
  112. 街頭テレビ
  113. 街頭放送
  114. 豊西牛
  115. 豊頃町
  116. 豚丼
  117. 豚丼レシピ
  118. 豚丼帯広
  119. 逢坂芳郎
  120. 音更町
  121. 高橋まんじゅう屋
  122. 鹿追町
  123. 麦音
  124. 黒曜石

記事ランキング

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

イベントや商品・サービスを取材します。

スマヒロでは十勝のヒト・モノ・コトを取材・掲載します。イベント、サービスや商品についてお気軽にご相談ください。
取材を希望する