圧倒的におもしろいメディアが十勝を救う

CATEGORY

最新記事

TAG

タグリスト

カルチャー

帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『馬橇の花嫁』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.49

帯広で映画を観た!シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。今週の映画は『馬橇の花嫁』です。

前回のコラム「帯広で映画を観た!」はコチラ

祝!『馬橇の花嫁』地元での2週間限定上映!

十勝の農家出身の母に「馬橇の花嫁なら見たことあるよ」と言われ「そら映画やない! 本物や!!」と突っ込まずにはいられなかった……逢坂芳郎監督の短編映画『馬橇の花嫁』(本編30分・白黒)です!!

監督がますやパンの本店で見た、帯広市の写真家・荘田喜與志さん(故人)が撮影した一枚の写真からインスピレーションを受け作られました。

シネマ太陽帯広にて3月6日まで上映中。
鑑賞料金は一律1,000円です。

――って私、今回少しソワソワしております。

それは、監督が高校の同期だから!!

とは言っても1学年360人いた学校の、何も知らないも間柄なんですが。接点もなければ、何のエピソードも持っていないんですが。
(それなむ真っ赤な他人と言ひける)

何しろ私、人の顔と名前が覚えられない陰キャのオタクなので……!!
総統
総統

 

監督との接点はゼロと言いつつも、今回は客観的にお伝えできる気がしません!
と、まるで今まで客観的だったことがあるかのような言い草。

このくらい冷静さを欠き、浮き足立っています。

出演者に縁のある方がずらり!

『馬橇の花嫁』は、協力からエキストラから、十勝の人々が多数関わっています。1930年代の十勝の農と馬との繋がりを伝えつつ、芸術的な表情を見せる意欲的な短編映画です。

シネマ太陽帯広には、撮影で使用された白無垢などが展示されていました。

大事なことなので繰り返しますが、私はあくまで「ダチよ、ダチ!」どころか「私が育てた」みたいに大きな顔をできるほどの何も持ち合わせていない、通りすがりの同期生です。

別に嘘は言っていないのだけれど、ノーエピソードで「同期です」って「詐称に近いな……」という自覚は、あります。

エンドロールの方が、知っている人達の名前がずらりと並んでいました。

何なら監督より、主人公の兄夫婦の娘役ちゃんの方が、まだ縁がある方で……。
(多分あの子は中学同期の娘ちゃん>お母さんと同じ顔をしていた)

舞台挨拶付きの回で鑑賞。当日は馬そりの体験搭乗も

一方、逢坂監督については「十勝出身」というより、地元が好きで帰ってきて「十勝在住」になっているだとか、新聞やクラファンの記事で触れられている程度のことしか知りません。

エキストラ参加もしてみたかったけれど、それすら協力できておらず……。時代設定が昭和30年代という作品で、エキストラでもサイズを聞かれて当時らしい服が用意されるというので、それは申し訳なくて、出られませんでした。
(求職期間中と撮影が重なり、いつ面接とか就職が決まるか分からなかったもので……)

薄っぺらい接点といえば、同期として(?)この映画製作のためのクラウドファンディングに名を連ねていることくらいでしょうか。
(しかしエンドロールに乗るほどではありません)

そこで大変申し訳なさに、関係者らの舞台挨拶付きの回に行ってまいりました!

当日は、映画館横の帯広駅北多目的広場に、映画の主要キャスト「アオ」を演じた「モモ姫」も登場。

作品中で使用した馬そりの体験搭乗も行われていました!

30分の短編映画。フォトジェニックな白と黒のコントラストが綺麗でした

しかしこの作品、読めないのは

「そもそも興味がない人が1,000円払って、全30分の自主製作映画を見に行くのだろうか?」という点です。

・地元の文化や農耕の歴史
・懐かしさ(農家の祖父母の昔の家と納屋のよう)
・知り合い出てる

といったフックが私にはあるし、エモさでしんみりじんわりくるシーンもありましたが。

下手したら大半の人にとっては、往復の移動時間の方が長いと思うんです……。

「約2時間別世界に浸ることができる」長編が大勢の中、これで満足感はどうなんだろう……?
とちょっと心配しています。

白黒映画といえば時々、いつも撮ってるカラー映画での感覚でモノクロ作品を撮影し、白と黒のコントラストが「微妙〜……」な感じになって映像が見にくくなってしまっている作品がありますが、この作品はスクリーンサイズでも綺麗に撮られていたように思いました。

むしろ前売券についていたポストカードのように、見せたいそれぞれのシーンがフォトジェニックだな〜と感じました。

短い物語に、十勝の文化や歴史が詰まっている

逢坂監督は潔い。

『馬橇の花嫁』はやろうと思ったら、もう少しカサ増しできたはずなのに(義姉との関係性や、豊と一子の進展など)
エピソードを欲張ったり膨らませたりせず、必要最低限に留めた作品です。

訴えたいものを大切に、馬橇を引く馬や馬との生活にフォーカスして、余計なものを足さない。

スーパーストイックだと思う。

エンタメを意識した勢いとどんでん返しの『カメラを止めるな!』や、愛と熱量の激しい『侍タイムトリッパー』とはまた別種のスタイルで。

だからといって、『馬橇の花嫁』に感動ポイントがないわけではなく、会話やドラマよりも絵の力で押してくるスタイルだと感じました。

逢坂作品の特徴は、外国の人が見たときの目線に対する意識だと思います。
(そんなに会話劇を重視していないというか、視覚情報重視というか)

本作でも、十勝の文化や歴史を、世界に発信したいという意気込みが伝わってきました。

私には刺さったし、いい作品だと思います。
総統
総統

 

動くモノクロ写真集と言いたくなる絵面の美しさだとか。

30分の短編の中で多くを語らず、物語の空白部分は想像に任せることで奥行きを出しているところとか。

地域の歴史を学ぶ教材としてもおすすめ。機会があれば多くの方に見てほしいです。

しかし「見て、見て!」したくても、地元民ですらどこまでのどんな人に刺さるのかは全くもって分かりません!!

ただ、映画としてビジョンがワールドワイドな一方、「あれは何をやっているところでしょう?(脱穀とかニオ積みとか)」学校での地域史の教材として、地味に向いているのではないでしょうか?

『馬橇の花嫁』は3月6日までシネマ太陽帯広で上映中。

ほか、シアターキノ(札幌)でも4月5日〜4月11日に上映が予定されています。

販売中のDVDは、本編より特典映像の方が長くてお得(?)です。『馬橇の結婚式回想インタビュー』として、先日93歳で亡くなられたJA帯広かわにし組合長・有塚利宣氏らのお話も入っています。

映画の中でも、有塚さんの語るエピソードが元になったシーンが登場していますし。
帯広市街地で「馬車BAR」に乗車した際に教わる「馬の賢さ」に関する逸話も入っています。

贔屓目かもしれませんが、例え映画館でなくとも、どこかで機会が合えば目にしていただきたい作品です。

PROFILE

三崎 裕美子 | 腐女子 / 総統
1980年生まれ。北海道帯広市出身|釧路→新橋のサラリーマン(港区女子)→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。
















































十勝の会社と人材を結ぶ
求人Webメディア「TCRU」

  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
三崎 裕美子

三崎 裕美子

腐女子 / 総統

1980年生まれ。北海道帯広市出身|釧路→新橋のサラリーマン(港区女子)→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。

  1. 帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『ミッキー17』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.55

  2. 帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『トリリオンゲーム』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.54

  3. 帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『白雪姫』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.53

  4. 帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『忍たま乱太郎〜ドクタケ忍者隊最強の軍師』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.52

  5. 帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『ウィキッド ふたりの魔女』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.51

  6. 帯広で映画を観た!シネマ de 十勝 映画『室町無頼』〜腐女子の“迷い”道案内_Vol.50

スマヒロ最新記事

タグ一覧

  1. 16タイプ性格診断
  2. Discover hokkaido
  3. event tokachi obihiro
  4. ise festival
  5. Lake of the Sky
  6. NEW OPEN
  7. TCRU
  8. TIP
  9. tokachi obihiro winter hokkaido snow
  10. UIJターン
  11. waoje
  12. インタビュー
  13. インデアンカレー
  14. おびひろ平原まつり
  15. おびひろ氷まつり
  16. クラフトジン
  17. クリスマスマーケット
  18. サウナおすすめ
  19. スパイスカレー 新得
  20. ソフトクリームラリー
  21. たかまん
  22. とかちイノベーションプログラム
  23. とかちの講師ガイド
  24. ビアガーデン
  25. ファーマーズマーケット
  26. プチ移住
  27. フライフィッシング
  28. ふるさと納税
  29. ポツンと一軒家
  30. ますやパン
  31. マッチングサイト
  32. マッチングシステム
  33. モール温泉
  34. 上士幌町
  35. 人材紹介
  36. 依田勉三
  37. 六花亭
  38. 北海道グランピング
  39. 北海道サウナ
  40. 北海道温泉
  41. 北海道移住
  42. 北海道観光
  43. 北海道観光おすすめ
  44. 十勝 イベント クリスマス お花
  45. 十勝イベント
  46. 十勝スロウフード
  47. 十勝ドリームマップ
  48. 十勝バス
  49. 十勝求人
  50. 十勝牛
  51. 十勝産小麦100%
  52. 十勝石
  53. 和牛
  54. 国産小麦
  55. 国際農業機械展
  56. 地方創生
  57. 地方移住
  58. 地方起業
  59. 天然素材
  60. 天空の湖
  61. 山忠祭
  62. 帯広
  63. 帯広アロマ
  64. 帯広イベント
  65. 帯広おにぎり
  66. 帯広カフェ
  67. 帯広グルメ
  68. 帯広コーヒー
  69. 帯広サウナ
  70. 帯広スイーツ
  71. 帯広そば
  72. 帯広ドーナツ
  73. 帯広パスタ
  74. 帯広ハンバーガー
  75. 帯広パン屋さん
  76. 帯広ピラティス
  77. 帯広ラーメン
  78. 帯広ランチ
  79. 帯広三大祭り
  80. 帯広喫茶店
  81. 帯広寿司
  82. 帯広市
  83. 帯広整体
  84. 帯広映画
  85. 帯広求人
  86. 帯広牛
  87. 帯広神社
  88. 帯広移住
  89. 帯広蕎麦
  90. 帯広藤丸
  91. 帯広豚丼
  92. 広小路マーケット
  93. 書評
  94. 求人セミナー
  95. 満寿屋商店
  96. 焼肉の日
  97. 熱気球
  98. 牛とろフレーク
  99. 物流拠点
  100. 田舎暮らし
  101. 登録支援機関
  102. 秘湯 北海道
  103. 移住体験コラム
  104. 経済界
  105. 経済界大賞
  106. 美学
  107. 美学者
  108. 育児休業
  109. 芽室東工業団地
  110. 蕎麦屋
  111. 藤丸閉店
  112. 街頭テレビ
  113. 街頭放送
  114. 豊西牛
  115. 豊頃町
  116. 豚丼
  117. 豚丼レシピ
  118. 豚丼帯広
  119. 逢坂芳郎
  120. 音更町
  121. 高橋まんじゅう屋
  122. 鹿追町
  123. 麦音
  124. 黒曜石

記事ランキング

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

イベントや商品・サービスを取材します。

スマヒロでは十勝のヒト・モノ・コトを取材・掲載します。イベント、サービスや商品についてお気軽にご相談ください。
取材を希望する