帯広で映画を観た!シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。
前回のコラム「帯広で映画を観た!」はコチラ
『バッドボーイズ RIDE OR DIE』
6月某日、あまりに帯広が暑かったので、避暑がてら映画を見に行ってしまいました〜。
再び、釧路まで。
夏場は、日が落ち切るまでに釧路(片道約120km)まで日帰りできるのが、ありがたいですね!
浦幌など十勝東部の人だと、釧路のイオンも休日の行き先として選択肢の内でしょうし!
帯広でも8月30日から上映されますし!!
というわけで、先んじて見て感想を上げても無駄にはならない――はず!! と、勝手に進めさせていただきます。
『日米あぶない刑事祭り』と銘打ち『帰ってきた あぶない刑事』と『バッドボーイズ』のコラボレーション宣伝動画が公開されていたのを見たんです。
これは『あぶない刑事』と併せて「見ねばなるまい」とは思っていたんです。
誰かに強制されているわけでもなければ、「ねばならない」ということもないのに、この感情はどこから湧いてくるのかは分かりません。
シンプルな映画で気分転換はいかが?
そんなこんなで、マイアミ市警「バッドボーイズ」コンビ、父親から財産を受け継いだお金持ち刑事マイク・ローリー(ウィル・スミス)と、相棒マーカス・バーネット(マーティン・ローレンス)の事件を見てきました。
安定して危険に巻き込まれ撃ちまくっている、バディものです。(時々コメディチックな掛け合い&タフガイ)
亡き上司の冤罪を晴らそうとする過程で、バッドボーイズも陥れられ、逃亡する側に!
といっても、この映画の良さは、シンプルな分かりやすさにあり!!
見ていても見た後も「考えさせられることがあって頭が疲れた〜」といった小難しさのない、ジェットコースタームービーです。
でも自分から何かをする気力が湧かない!
といった人に最適の、受け身の娯楽なのではないかと思います。
日々の疲労+運転で疲れ切っていた体には、丁度よかったです。
(説明しよう! 前にいる車が良きペースメーカーになってくれないどころか、自分が遅い自覚なしにずーっと走行車線を占拠したりされると、正直しんどい)
『バッドボーイズ』は、現実の刑事が関わっていたとしたら、アメリカであっても問題になりかねないレベルで撃ったり何だりしています。
そこがいい。
力と物量で押して来るスタイル、嫌いじゃない。
その上、登場人物たちに躊躇や悔悟の念はあるのかというと微塵もなく平気で眉間とか狙っていくし、話はサクサク進んでいくのでエンタメ作品としてテンポがいいです。
フィクションにはそういう作品もあっていい。悩むのは『オッペンハイマー』とかに任せておけばいいのだし。
娯楽作品に徹するかとか、何を優先するかを大切にしてほしいです。
だってフィクションだもの。
やりたいこと・訴えたいことと表現が合致していればいいじゃないか、フィクションだもの。
世の中には、銃や殺人・暴力を扱った創作物を見ると「安易に銃を使って! 殺人を肯定している!」だとか「子供がこれを見て真似しかねない! 不謹慎!!」と、まるで「それ自体が存在してはいけないもの」のように作品批判をする人がいます。
でも作品は、悪くないんです。
どんな犯罪が起ころうと加害者がどんな創作物を好もうと、悪いのはあくまで境界線を踏み越えた人。
親や周囲の大人の仕事は、言葉・表現・作品狩りではなく、子供達が創作物を見たときに虚構と現実の違いを理解できる分別を育むことなのではないのかと思う、今日この頃です。
大人になっても現実とフィクション、実際にやっていいこととダメなこと区別がつかない挙句、創作物含む他者のせいにする人がいたら、それは「その人が責任転嫁型の他責の人で、何も反省していないだけ」という話でしかないと思うんです。
しかし何でもかんでも自己責任とは言い切れないので、「こんな人には不向きかも!?『バッドボーイズ RIDE OR DIE』3つの注意点」をお話しさせてください。
・銃での打ち合い、殺人、暴力シーンが苦手な人
『バッドボーイズ』の見どころは、バディものとしての掛け合いと、ハチャメチャな撃ち合い。
それをスポーツ観戦あるいはゲーム感覚で見守る醍醐味、だと思っています。
(作中でも、主人公たちが他の人物の戦いぶりをモニター越しにハラハラしながら見て応援しているシーンがあり「メタ構造っぽい」と思ったなど)
そんなわけで、例え創作物であっても「家に銃を持って侵入しただけで、殺したり撃つのは酷すぎる」という感覚の人には楽しめる訳がないので(悪役達はもっと躊躇なく殺るし)、お勧めしがたい作品です。
・スピリチュアル系の話を耳にするだけでも嫌いな人
ホットドックだとかスナック菓子とかジュースとか、ジャンクフードばかり食べている不摂生が祟り(?)本作では冒頭でマーカスが心停止で死にかけます。
その臨死体験(走馬灯に加えて、大自然の映像が挟まってくるあたり、笑いどころだと思う)を経て、急激にスピリチュアル発言を連発するように!
「(心停止していたから)脳に血が行っていない時間が長かったんだな……」などと相棒のマイクに呆れられますが、マーカスが発する『本人は目覚めたと思っていても周囲の人には寝ぼけているようにしか聞こえない』妄言めいた発言の数々……一つはラストの鍵になるといえ、ちょっとクドい気がしました。
「魂のレベルが上位」とか何とか「ウザっ!!!!!」とかサブイボが立たず、我慢しきれそうな人はこの門をお通りください。
・ジョーズ系の映画が苦手 or ワニを目にするだけでも怖い人!
本作品は『水の関係する「ジュラシックパークか?」な廃業テーマパークで、獰猛なワニさんが出てきてこんにちは――からのパニック映画のテイストも入ってくるよ!?』な、何を言っているか分からないと思いますが、見たら分かるギリギリを攻めております。
要は、残虐な直接描写はそんなにないけれど、ワニに人が喰われるシーンが出てきます。
そうしたスプラッタな設定が生理的にNGな人には絶対向いていません。
腐女子視点での感想
『日米あぶない刑事祭り』としては、私はヒューマンドラマでもあり見たいものが揃った『あぶない刑事』に軍配を上げたいと思います!! ブロマンス的なものが色濃いのも、勿論『あぶ刑事』!
『バッドボーイズ』も決して悪くはないんですが、腐女子としてはそんなに萌えないのと、スピリチュアル発言がちょっと冗長でテンポを乱していた気がして、評価を下につけました。あと「こんな話だっけ?」と思ったら、忙しくて映画見てるどころではなかった大いなる空白時代に見逃している作品があったのでした!
全作品履修済みなら、もっと楽しめたとは思いますが。
全部が全部見ていなくても、必要な過去の因縁は作中でほのめかしてくれるので「あー、そうなんですねー」「そういうものかー」と受け止めることができる人は、シリーズの前作品を未視聴でも無問題でしょう。
ともあれ『バッドボーイズ』は「やはり暴力! 暴力が全て解決する!」系の娯楽作です。
なので、そういうのを「痛快」と感じない人には肌に合うはずがないので。
伏線が仕込まれていて最後に「やられたっ!」というどんでん返しが見たい人や、人権とか贖罪・人生について考えさせられる作品がいいとか、情緒たっぷりの作品が見たいという人は、これじゃないデス!
ええ、予告編・ポスターを見たら作品のテイストは何となく分かるんじゃないかとは思うんですけどね……。
こういうアメリカ〜ンな作品を見るときは、ポップコーンのような健全なものよりも、シュワシュワな飲み物と油と塩(もしくは油と砂糖でギトギトなもの)をキメたくなる。ポテチとか。
登場人物がジャンクフードを食べてる映画は、家でジャンクなものを食べながら見るのが、むしろ正式なお迎えスタイルなのではないかと――それは年齢的にも毎回はやってられないので、完全に気のせいとか詭弁なんですが。
それにしてもウィル・スミスも、全然変わらないしいい腕っぷしをしてると思いましたらば、御年55歳!?
キャラクターの設定上でも、孫がいても息子がいても「バッドボーイズ」。
だいぶ前から「ボーイズ」ではないかもしれませんが彼らがバッドボーイズである限り、44歳、引き続き腐「女子」やモガ(モダン「ガール」)を名乗り続ける自信が持てました。
十勝・緑ヶ丘公園
さて十勝とこじつけようにも……バナナワニ園もないし、大都会の高層建築群も、ビーチバレーとかのできる砂浜もないし、まいったー。写真も困った―。
と思ったら、案外映画のラストに近い(ようで近くはない)イメージ画像がありました。
ティラノサウルスさんのいる緑ヶ丘公園の遊び場が、たいへん近い感じです!(近くはない)
映画にはBBQシーンもあって、字幕版では「焼き奉行」なる単語が登場していました!
十勝でもこれからが外焼肉シーズンが本格化。
今までできていた場所が、利用者のマナーのせいで禁止にならないよう、気をつけていきたい!
そこで、十勝地域のフリーペーパー 「Chai」の2024年7月号(P.21)の登場です。
みどりと花のセンター・副センター長が紹介する緑ヶ丘公園での外焼肉マナーが掲載されています。
焼肉の可能な場所や、炭の後始末(ごみと炭は持ち帰る!)など、大事なことが書かれています。
公園での外焼き肉、その前にぜひご一読ください!
PROFILE
三崎 裕美子 | 腐女子 / 総統
1980年生まれ。北海道帯広市出身|釧路→新橋のサラリーマン(港区女子)→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。