帯広で映画を観た!シネマ de 十勝は、帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女子が、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民として、十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格の実力を発揮しつつ、帯広・十勝の話をしつつ、映画を語るコラムです。
前回のコラム「帯広で映画を観た!」はコチラ
実は劇場版3作目
主人公は、母親の作るご飯がゲキマズだったため、給食を愛するようになった教師・甘利田(市原隼人)。
函館に赴任した真の目的は、給食のイカメシ狙い!
昭和から平成に入った1989年の函館が舞台の、給食スペクタクルコメディです。
コナンくんの映画の上映が続いている中、引き続きすごいよ函館市!
市長の弟が主役を演じている『ディア・ファミリー』を入れたら、関連映画同時3本上映じゃないですか!?(関係ない)
本作品はシーズン3を締めくくる、劇場版『おいしい給食』 の3作目に当たります。
私、日本のドラマ・映画に疎いので、たいへん申し訳ないことに『おいしい給食 』について何ら存じ上げず……。
ドラマはシーズン3まで放送されているとか、劇場用映画もこれまで2本が作られているとか、そんな事前情報0で見に行ってしまいました……。
それでも途中参入しやすい親切設計! とっても面白かったです!!
終始給食の話で、山場も何も給食絡みです。予告編にも入っていたシーンですが、甘利田先生が楽しみにしていたイカメシを「手元がすべってお汁粉に――!?」という、そんな給食シーンで緊迫感を出せるの、逆にズルいわ〜〜!!
映画『おいしい給食 Road to イカメシ』
時代としては、私が小学校中学年の頃の、中学1年生&先生たちのお話。
同じ帯広出身者でも「ストーブが教室にあった」という同期もいるので、この辺は年代差や地域差というより、学校による差と言えるでしょう。
ですがこれは現実を超えたコメディというかファンタジーともいえる作品なので、例えこの先よりシーズンが進んで「もうその時代になったらストーブはないだろう……」という時代まで下ろうとも、給食をより美味しくいただくために堂々と教室に置かれていてほしい……いや、むしろそれを活用して飲食してみたかったー!! と思わされる作品でした。
食缶や、あの給食用プラ容器だけでも「エモい」のに、あの頃流行っていた遊具等まで登場する、懐かしさのフルコース!
「無くなり次第配布終了」の入場者プレゼントとして「甘利田先生と、イカメシ愛共有の証」キラキラステッカー『イカメシール』を頂いたんですが、そのデザインすら、どこかで見たことのある懐かしさでした!!
いや、ビッ◯リマンシール!? ビック◯マンシールですよね、これ!!??
あまりにストレートすぎて、口に出して言っていいのか迷って思わず伏字にしてしまいましたが。
何もかもが懐かしさを感じる作品でした。
初めてなのに懐かしい!?シーン3選!!
・「ふざけた食べ方はやめなさい」と町長が生徒に詰め寄った直後の甘利田先生の反応!
「北海道といえば」の名セリフが、思わぬシーンで飛び出しました!
緊迫感あるシーンをシリアスで終わらせない気概に感銘を受けました。
・給食を食べながら悶絶したり大暴れしている甘利田先生
奇行でしかないんですが。(あの吹っ切れた躊躇のない動き、素晴らしい!)
マッツ・ミケルセンの出演映画を見ている時の私、まさに内心この状態!!
行動に移さないだけで、自分で自分に冗舌に語らずにはいられないくらい、心の中では大騒ぎなので。
好きなものを前にしての反応「わかる〜〜〜」となりました。
(そんなレベルでは収まらない、より愛と業深き人達が、エネルギーを薄い本作りに向け始めるのだと思われ)
・ラスト、ある昭和の遊具を試す甘利田先生
できる人があの動き、逆に難しそう……!
二日酔いの時の酔拳のような動きといい、体を張っている!!
甘利田先生自身も給食で「ととのって」いましたが。
シリアスシーンの真剣な表情&低い声と、はっちゃけている時の温度差。
見る方も、サウナのようにととのいました!
「甘利田先生の奇行、最初生徒たちにスルーされているから、あくまで本人の心象風景で現実には起こっていないことなのかな?」と思っていた不明を恥じます。
市立中学なのに町長選挙に巻き込まれているのも、コメディらしくていいです。
改選を控えた現町長が、学校給食を政治利用しようとして「お残しを許さない」「給食は栄養が採れればいい」「美味しさや楽しさは必要ない」と張り切りだすお話で、甘利田先生の勤務校が給食完食のモデル校に指名され町長と衝突するという。
あくまで「給食」以上でも以下でもない、軸にブレのないお話しでした!(逆に、政治の話題に限らず、物語の進行にそんなに関係ない思想の強い発言をお金を払って聞かされるのは苦手としてをります……)
ホテルテトラリゾート十勝川
十勝と函館の繋がりといえば、十勝川温泉地区にある「ホテルテトラリゾート十勝川」。
函館発祥のホテルテトラグループの温泉ホテルで、ユニークな「ハゲ割」制度があります。
以前からこちらのホテルシェフのファンでして、とにかく何を食べても美味しい!!
先日は「父の日」イベントで予約制だった「十勝牛ステーキ弁当」をいただきました。
宿泊時の朝食バイキングは、函館発祥のホテルのためタラコ(先日Xでバズっていた)とイカの塩辛が美味しいのは言うまでもなく、品数は厳選されていても朝食に必要なものが揃っていて、それが何でも美味しいです。
テトラさんの朝食バイキングで特筆すべきは、『おいしい給食』でも重要な存在感を見せた「お汁粉」。
お団子もモチモチで、美味しいんですよ〜〜〜。
給食から離れて久しいですが、あの頃に培われた風習なのか、甘利田先生でなくとも「色んなものを合わせて楽しみたい」方です。
だから、それほど食べられなくなっているというのに、「食べたいものを欲しいだけ」なバイキングに惹かれてしまうときがあります。
ましてそんなときに、給食のお皿を思い出す丸くて仕切りの入ったタイプになんて遭遇したら、嬉しくなっちゃって、つい自分のキャパシティ以上に載せすぎてしまいます……。
公平に配らなくてはならない(自分の好きなものだけを好きなだけ盛れない)という長年の積もり積もった抑圧の蓄積が、暴走行為を後押しするのでしょう。
美味しすぎるのも罪です……。
欲望の抑制が効かないのも…………。
時に、函館といえば『ソフトクリームスタンプラリー 2024』に参加中の「函館 美鈴」のコーヒーソフトも、美味しいんですよね。
頭の中でどれだけ薀蓄を語ろうが、美味しさに悶絶しておかしな動きをしようが、知り合いに聞かれたり見られさえしなければ無問題なので。
美味しく食べ続けるためには、体を壊しては元も子もありません。
参加されている方は、糖尿病とおなかの具合に気を付けながら、安全にお過ごしください!!
PROFILE
三崎 裕美子 | 腐女子 / 総統
1980年生まれ。北海道帯広市出身|釧路→新橋のサラリーマン(港区女子)→などを経て基本帯広で働く腐女子。「総統」と呼ばれた女。しかしてその実体は、身の回りの幸せ(美味しいご飯・趣味・脳内妄想など)で足るを知る小市民。十勝の観光文化検定(とかち検定)上級合格。同年生まれのハリー・ポッター氏が通うホグワーツ・スリザリン寮に組み分けされたかったゲラート・グリンデルバルド信奉者。