十勝石は、北海道十勝の人なら誰しもが知っている「とかちの石」だから「とかちいし」。ではありません。正式名称は「黒曜石(こくようせき)」と言って、産地は十勝に限らず、関東や九州でも採れちゃいます。ではなぜ「十勝石=とかちいし」と言われているのでしょう。
※今回は、小中学生向けの解説記事なので文体変えています。
十勝石=黒曜石ってどんな石?
皆さん、「十勝石(とかちいし)」って知ってますか?これ、正式には「黒曜石(こくようせき)」という名前なんです。でもね、北海道の人たちはこれを「十勝石」と呼んで親しんでるんだよ。だから、十勝に住む子どもも大人も皆が、十勝石を見たらワクワクして拾っちゃうんです。
黒曜石は英語ではObsidian(オブシディアン)と呼ばれ、見た目が黒くてガラスみたいに光る石。ケイ酸分がたくさん含まれていて、火山活動の中で急激に冷え固まったものなんだ。
この黒曜石、北海道だけじゃなく、九州の佐賀や大分、長崎、熊本などでも採れるんだよ。でも、特に北海道の十勝北部や白滝村、上士幌町、置戸町、赤井川村で採れる黒曜石は「十勝石」と呼ばれて、とっても有名!
十勝石ってどうやってできたの?
十勝石ができたのは、今からおよそ220万年前のお話です。北海道の大雪山の火山活動のおかげ。マグマ(溶岩のこと)がケイ酸分たっぷりで急激に冷えると、黒くてガラスみたいな石ができるんだ。
十勝石=黒曜石は基本的に黒色がベースだけど、冷える過程で黒色の溶岩の中に鉄分を多く含む溶岩が流れ込んだりして、赤い筋模様が生まれるんだそう。他にも、光を当てると色んな色に輝くものもあって、さっきの赤い筋模様の石を「紅十勝」という名前も付けられているんだって。
太古の時代の十勝石は大活躍だった
昔の人は、この石を道具や武器として使ってたんだ。なんでかというと、割れるとすごく鋭く、加工も簡単だったからナイフや矢じりなどにピッタリだったんだ。北海道では、寒い氷河期から縄文時代(本州では弥生・古墳時代)まで石器時代の生活必需品として大活躍していたよ。
どうして十勝石(とかちいし)と呼ばれているの?
全国で採れる十勝石。なぜ「十勝石(とかちいし)」と呼ばれるようになったんだろう。
石を集めるのが大好きなITエンジニア「ケン」に聞きました。
「ハイ、こちら北海道直送のお知らせ!実は北海道の黒曜石さん、とっても人気者なんですよ。どれだけ?北のサハリンから南の新潟、山形まで、各地の遺跡でその姿をチラリ。これも昔の人々の交易のおかげで、黒曜石が日本各地を旅していたんです!さらに、2010年には「白滝ジオパーク(紋別郡遠軽町)」という、日本最大級の黒曜石のステージで、大スターとして選ばれました!この場所は、黒曜石と人々のロングラブストーリーを伝えているんです」(ケン)
十勝石なのに紋別郡とは遠くで有名になっちゃいましたね。
そうそう。なぜ十勝石と呼ばれているかです。
北海道の黒曜石、いろんなニックネームで呼ばれてたんです。「十勝石」や「モンベツ石」、「アンチ(これ、アイヌ語なんですよ!)」、そして「黒玉石」とか。
でも、明治時代に「十勝石細工」という名の商品が大ヒット!それからは、みんな彼を「十勝石」と呼ぶようになったんです。まさかの流行りってすごいですよね!
十勝銘菓店「柳月」に十勝石というお菓子があったとか!なかったとか
なぜ十勝石と呼ばれているのか。それは流行りだった!というオチでした。
さて、この十勝石、実はお菓子としても存在してたんだ。スイーツ王国 十勝の銘菓店「柳月」というお店が昔、「十勝石」という和菓子を作っていたんだそう。これは、十勝石をイメージして作られたもので、見た目はすごく甘そうな羊羹だったんだって。
十勝石のパワー!はすごい。しらんけど……。
ここからはスピリチュアルな話だから、信じるか信じないかはあなたしだい!
十勝石はただの石じゃない!と言うのは、自称:昔宝石商だったノボルさん。
「昔から、この石は人々を守ってきたんだよ。十勝石は、巨大な地球の力『火山活動』で生まれたことからパワーストーンとしても知られているんです。そして、十勝石には物事の本質を見抜く力や、未来を見通す力があると言われているんです!それを信じている人は魔除けとして身につけている人もいるくらい。信じるかは君しだい」(ノボルさん)
皆さん、こんなに面白くて歴史的な背景を持つ「十勝石」、ぜひ手に取ってみてください!そして、その光る輝きと歴史の深さを感じてみてください!まずは河原で探してみるのも楽しいかもね。
最後に十勝石を探すなら、四大原産地と呼ばれる遠軽町白滝、置戸町、上士幌町十勝三股、赤井川村付近で探そう。とはいえ、十勝の河原でも見つかったりもするから、今度の休日はパパと十勝石探索も面白いね。バイバイ。