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【書評】本の虫 小川の本棚 「そんなときは書店にどうぞ」presented by Book cafe & bar Sen 077

作品名:そんなときは書店にどうぞ
著者:瀬尾まいこ
出版社:水鈴社

著者とタイトルのWパンチでノックアウト

この本の出版を知ったのは、読書記録アプリ「ブクログ」の新刊情報を眺めていた時のことだ。気になる本がないかと画面をスクロールしていたところ、「瀬尾まいこ」の名前と「書店」という単語が目に飛び込んできた。その瞬間、私の中で何かが弾けるような予感がしたのを覚えている。

それはまるで、焼肉と寿司が一緒に出てくるようなスペシャル感。気になる要素が掛け合わさった結果、「これは買わなきゃ」と心が決まった。まさに、気になる×気になる=即購入、という方程式がの通り、すぐに書店に足を運び、早速購入の手続きを済ませ。それだけでなく某書店では、この本がなんと目立つ場所に大量に積まれているのを発見。びっくりするほどの存在感に、これは書店も注目し、応援している作品なんだなと確信した。

その後、家に帰り、ワクワクしながら表紙を開くと、気づけば時間を忘れて夢中にページをめくっていた。物語の世界に引き込まれ、気がつけば数時間が経ち、いつの間にか最後の一行を読み終えていたのだ。その読後感は、心地よい余韻とともに、「また書店に行きたい」という衝動に駆られるものだった。

この本を読んでから、オンライン購入の便利さに頼るのをやめ、地元の書店で本を買う楽しさをもっと大切にしようと思うようになったのだ。やはり、書店という空間には本だけではなく、特別な出会いと感動が詰まっているのだと実感させてくれる一冊。

オンラインの便利さもあるけれど、書店の良さもありますよね!
地元の書店も減ってきているので応援の意味も兼ねて、書店で買います!

 

既刊の作品が100倍楽しくなるエッセイ

瀬尾まいこさんのエッセイ『そんなときは書店にどうぞ』は、まるで「瀬尾まいこ図鑑」のような一冊。この作品を読むと、「あ、普段は関西弁なんや!(…って、なんか自分も関西弁がうつってる)」とか、「意外とネガティブなんやな」といった具合に、彼女の人となりや生態が次々と明らかになる。

さらに興味深いのは、彼女の小説の背景も垣間見えること。たとえば、中学生の駅伝を描いた『あと少し、もう少し』は教員時代の経験が基になっているらしい。また、映画化もされた『夜明けのすべて』は、PMS(月経前症候群)とパニック障害に悩む2人の物語だが、実は彼女自身のパニック障害の体験が反映されているのだとか。

その事実を知った途端、ボクは彼女の過去作品をもう一度読み返したい衝動に駆られたのだ。でも、まずはこのエッセイを読んでから、「この人の小説も読んでみたい!」と進んでいくのも一つの楽しみ方かもしれませんね。
いずれにせよ、書き手との距離がぐっと縮まるエッセイというのは、ほんまに「めっちゃおもろい」もんやねん。

作家の想いを繋いでいきたい

この作品が生まれたきっかけは、「お世話になっている書店に何かできないか」という心からの想いから作られたという。そう考えると、この作品はまさに「恩返し」の結晶と言えるのだ。本を開けば、その気持ちがじんわりと伝わってきて、心が温かくなるのを感じる。

それだけではありません。読んでいると、「きっとこの本は素晴らしい仲間たちと一緒に作られたんだろうな」と想像せずにはいられない。その想いとプロセスが、作品の端々に滲んでいるからだ。そして気付けば、読者である私たちもその仲間の一員になったような気分にさせられる。

改めて考えてみると、書く人、作る人、売る人、そして読む人。この4つの存在があって初めて本は成り立ち、出版業界が回っていくのだと実感する。それぞれが役割を果たし、力を合わせて「ひとつのチーム」となっている。この事実に思いを巡らせると、自然と「もっと本を読んで業界を応援したい」「さらに素敵な本が生まれる環境を支えたい」といった気持ちが湧き上がってくる。

この本には、ただ面白いだけでなく、そうした想いを読者に気付かせる力があるのではないでしょうか。読むことで、何か大切なことを教えられているような気さえします。

さらに、この作品の巻末には、あの名作『幸福な食卓』のその後を描いた短編小説が収録されている。大切に読み終えた人へのご褒美のようなこの一編は、作品全体を締めくくる素晴らしい余韻を与えてくれるはずだ。初めての人も、既に『幸福な食卓』を読んだ人も、間違いなく心に残るものになる。ぜひ、この一冊を通じて、著者と本作に込められた深い想いを感じ取ってみてください。

この作品の収益も寄付されるようですね。
そうなんです。著者印税と収益は、書店文化振興のために活用されるようです。

 

買うだけでも書店も応援になるこに作品は、買ってよし、読んでよしのいいところしかない素晴らしい1冊です。

Profile

小川 洋輝 | ブックカフェ「Sen」オーナー
1985年、北海道幕別町出身。高校を卒業後、福祉施設にて勤務。知的障がい者の入所施設や就労支援施設、障がい児の通所施設の経験を経て一般社団法人青鳥舎を設立。 障がい者の親が安心して死ねる社会を創るために 障がい者雇用のコンサルテーションや障がい福祉サービス事業所のコンサルテーションを行う。2015年10月より自ら障がい児の通所施設を開設。障がい福祉や子育て関連の専門書などが並ぶブックカフェ「Sen(せん)」は2022年4月オープン。23年、絵本『やっちゃれ ほっちゃれ もっきっきー!』(みらいパブリッシング)か出版。毎週金にスマヒロで書評を担当

楽しく生きるためのヒントが詰まったこの1冊は、未来の自分に期待をさせてくれるかもしれません。  












































































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