10月21日(土)、帯広のとかちプラザで日本アンガーマネジメント協会北海道支部主催の基調講演会が開催され、代表理事の安藤俊介氏が「コミュニケーションとアンガーマネジメント」についての講演を行い、約100人が参加しました。安藤氏は、家庭や職場で怒りの感情コントロールの難しさを感じている人々に向けて、怒りの背景にある「考え方のクセ」に気づき、怒りのコントロールや伝え方を学ぶことでストレスを軽減するアプローチを提供しました。約100人が参加!
アンガーマネジメントは怒らないは間違い!
安藤氏は冒頭、「アンガーマネジメントとは、怒りの感情を適切に理解し、その管理や表現方法を学ぶ心理トレーニングのことを指します。怒りは人間の基本的な感情であり、時にはそれがミスコミュニケーションや関係の断絶につながることもあります。しかし、アンガーマネジメントのテクニックを利用することで、怒りを適切に表現し、より健全で効果的なコミュニケーションを実現することが可能になります」と説明。
その上で、安藤氏によれば、ミスコミュニケーションは簡潔で明確なメッセージを伝えることで避けられることが多いです。
例えば、「ここにペットボトルの水が1つあります」というメッセージは、それ以上でもそれ以下でもないので、ミスコミュニケーションは少ないでしょう。しかし、家庭や職場のようなコンテキストでのコミュニケーションは、しばしば「なんで伝わらないんだろう?」という疑問や、「自分が伝えようとしたことがうまく言葉にできない」という問題に直面します。
ミスコミュニケーションを防ぐためにアンガーを学ぶ
前述した通り、アンガーマネジメントは、怒りをコントロールするための方法を提供するだけでなく、怒らないことを強制するものではありません。安藤氏は「だって僕は怒ります。一般的に言えば、怒りにくく、イライラしないわけではない。してもよい。そのときに選択がいっぱいあるよね。自分で選択できる。よりよい選択ができる」と述べています。
アンガーマネジメントを理解することで、コミュニケーションは変わり、より良い選択が可能になり、円滑なコミュニケーションの実現につながります。安藤氏の提供するアンガーマネジメントの視点から、怒りの感情と上手に付き合いながら、効果的なコミュニケーションを学びましょう。
互いの「べき」を理解し、尊重することが重要
コミュニケーションは送り手と受け手の共同作業であり、両者が協力して進めるものだと安藤氏は強調します。コミュニケーションにおいては「事実」が最もシンプルで伝えやすいエレメントであり、しかし日常のコミュニケーションにおいては、感情や思い込みが加わることで、伝えたいメッセージが難解になりやすいと指摘。
安藤氏はさらに、「感情」と「思い込み」がコミュニケーションを難しくしてしまう要素として挙げ、これらの要素が介在することで、情報の受け手が送り手の意図を誤解しやすくなると解説しました。
例えば、前述の「ペットボトルがある」という単純な事実に対しても、思い込みや感情が介入することで、意図しない反応を引き起こす可能性があると説明。
また、安藤氏は「べき」という言葉を重要視し、これに関連する価値観の違いがコミュニケーションの障壁となることを指摘しました。
異なる価値観を持つ人とのコミュニケーションでは、互いの「べき」を理解し、尊重することが重要であり、その受け入れが円滑なコミュニケーションにつながると強調しています。
質よりも量、時間よりも頻度が重要
安藤氏はまた、「質よりも量、時間よりも頻度」がコミュニケーションにおいて重要であると提言し、頻繁にコミュニケーションをとることが関係の修復や距離感の縮小につながると語っています。そして、個人として自分が生きたいことに集中し、どのように生きていくかを考えることが、コミュニケーションの質を高める一助となると述べています。
参加者からは、
という感想や、
というフィードバックが寄せられています。
これらのコメントは、安藤氏のアプローチが参加者にとって新しい視点を提供し、コミュニケーションの質を改善する手助けとなる可能性を示しています。
最後に、安藤氏は11月の「アンガーマネジメントファシリテーター養成講座」の開催を告知し、参加者にアンガーマネジメントの技術をさらに学び、社会に貢献する機会を提供しました。
この講座は、アンガーマネジメントの技術をさらに深め、効果的なコミュニケーションを促進するための手法を教え、協会認定の「アンガーマネジメントファシリテーター」になるためのプラットフォームとなっています。