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「学校」という枠を超えて、自己肯定感・自己効力感を育てるプログラムがSTART!~ジェネレーションプロジェクト~

2024年7月27日、一般社団法人 帯広青年会議所が主催する「ジェネレーションプロジェクト」が十勝ヒルズで開催され、十勝管内の高校生13名が集まりました。このプロジェクトは9月までに計4回開催され、プログラムで得た知識と体験を「学校」という枠を超えて、発信することで自己肯定感と自己効力感を高めていきます。今回はプロジェクトの第1回目のレポートです。

広い視野を得て、学びを深める機会の場

ジェネレーションプロジェクトは、自己肯定感と自己効力感を高めるために必要な成功体験を積む場所です。

プログラムは、十勝管内の高校の授業で行われている「総合探求」の授業をヒントに構成されています。地域の課題を研究し、学んだ内容を学内の発表に留めるのではなく、学外にも発信することで、広い視野から学びを深められる機会になると考えられたプロジェクトです。

キックオフでは、冒頭、帯広青年会議所の加藤貴裕理事長が「今日一日がこれからの人生のなかで貴重な一日になることを約束します」と挨拶しました。

続いて、帯広青年会議所のジェネレーション開発委員会の佐々木広太委員長がプロジェクトの趣旨を説明します。

「生まれ住んでいる故郷、十勝だからこそ体験できる、食のありがたみや、命の大切さを自身の五感で存分に学び、インプットしてください。そして、すべてを自分事として捉えて、プロジェクトに挑戦してください」と、生徒たちが積極的に取り組むことを期待しました。

高校生が小学校の教壇に立つまでのプログラム

高校で行われている「総合探求」の授業では、学んだ内容を学内で発表して終わりますが、ジェネレーションプロジェクトでは、学外への発信として「高校生たちが小学生に教える」ことをゴールにしています。

9月までに開催される、計4回のプログラム内容は次の通りです。

第1回目では、授業の内容になる知識をインプット。2回目の8月17日には、1回目で得た知識を小学校の授業としてアウトプットするための授業案の作成とディスカッション、先生と生徒役に分かれて行うロールプレイングを通して、効果的な伝え方を学びます。9月には高校生が教師役となり、子ども食堂や小学校で実際の授業を行います。

プログラムの内容について、帯広青年会議所ジェネレーション開発委員会の嶋木正副委員長は自分を認める『自己肯定感』と、自分を信じる『自己効力感』は、成功体験を積み重ねていくことで高まります過程で失敗があってもそれに向かって進み、実現していくことが、成功体験です。高校生だからこそ伝えられる視点で、授業案を考えて、小学生に伝えてください」と話していました。

授業のタネ探し

プロジェクトの初回は「授業で教えたいこと」を探すため、次のような時間割になっていました。

1時限目「ふるさと愛と夢を育てる学校の取り組み」

2時限目「アジア初、食べる国宝の繁殖に成功した『マンガリッツァファーム』の見学」

3時限目「酪農王国、十勝で乳業の6次化に先進的に取り組む広瀬牧場の講話」

まずは、プログラムの最後に教壇に立つ小学校のひとつ「大正小学校」が取り組んでいる、「ふるさと愛教育」について学びます。その後、帯広青年会議所が選りすぐった、十勝ならではの現場を間近で見たり、先進的な取り組みをしている企業の話を聞いて知識をインプットします。

1時限目「ふるさと愛と夢を育てる大正小学校の取り組み」

プロジェクトに参加する高校生たちが9月に授業を行う小学校のうちのひとつ「大正小学校」には、「ふるさとを愛し、夢を育み、子どもが主役の楽しい学校の創造」という経営理念のもと、4つの教育方針があります。

今回、高校生たちが教壇に立つことは、教育方針のひとつ「特色ある教育を通し、学びを深める児童の育成」に関わることになります。

そこで「特色ある教育を通し、学びを深める児童の育成」として、大正小学校が実際に取り組む「ふるさと愛を育てる『大正JAGA育(じゃがいく)』」の授業内容を田中善久校長が説明しました。

小学校の敷地内に「じゃがまる農園」を作り、育て方を地域の人々に教わっていることや、教わったことは学年関係なく教え合える環境になっていること、獲れた野菜を使ってフェーリエンドルフのシェフに料理を教わる取り組みがあったことなどを話しました。

2時限目「アジア初、食べる国宝の繁殖に成功した『マンガリッツァファーム』の見学」

世界で唯一食べられる国宝と言われる「マンガリッツァ豚」。この豚を飼育する「マンガリッツァファーム」に移動しました。牧場には3系統のマンガリッツァ豚500頭が放牧されています。マンガリッツァ豚は外と小屋を自由に行き来することができ、ストレスを与えない環境で育てられています。

放牧の様子を見ながら、小林牧場長が、マンガリッツァ豚とマンガリッツァファームの特徴や、堆肥の循環、餌へのこだわりを説明。最後は、出荷前のマンガリッツァ豚がいる場所に移動し、出荷時の重量や出荷までの管理方法も話しました。

小林牧場長は「ここにいる豚には常に触るようにしており、ペットのように接している」と飼育しているときの気持ちを話します。

見学した高校生たちは、一般の飼育豚とは、様子や環境が全く違うマンガリッツァ豚を興味深く見たり、仔豚とじゃれ合う小林牧場長の様子を見て、マンガリッツァ豚にかける愛情を感じていたようです。

3時限目「酪農王国、十勝で乳業の6次化に積極的に取り組む広瀬牧場の講話」

乳業の6次化に真っ先に取り組んでいる広瀬牧場の広瀬文彦代表が「先進的な十勝の農業」というテーマで、6次化に積極的に取り組んでいくことになった経緯を話します。

広瀬代表が自身で牧場経営をしていくうちに、生産現場を知らない消費者との間に距離があることに気づいたそうです。これを機に、搾乳体験や農業に関する講話を行う「十勝農楽校(とかちのうがっこう)」を開校。

次第に、遠方の消費者から「広瀬牧場の牛乳や乳製品を食べてみたい」という声が寄せられるようになり、乳製品の加工と販売を行うアイスクリームショップ「ウエモンズハート」をオープンしたことを話します。

「教えたいこと」を書き出すグループワーク

お昼休憩後、授業の中身になる「教えたいこと」を書き出すためのグループワークが始まりました。

2チームに分かれ、マンガリッツァファームでの体験や、広瀬牧場の話を聞いて、自分たちが初めて知ったこと、感じたこと、気づいたことを模造紙に書いていきます。

なかなか書き出せない高校生たちに、更別農業高校の菊池直樹先生や青年会議所のメンバーから「自由に書き出してね」「些細なことでいいんだよ」というアドバイスをします。

模造紙に書かれていく内容に「いいね!」という掛け声も入り、ぎこちない雰囲気が徐々にほぐれて、笑い声も上がるようになってきました。

感想を書き出した後は、ステージ上で発表します。

まずは、チーム名「ハズキルーペ」が、感想を「学べたこと」「伝えたいこと」「やりたいこと」に分けて、次のことを発表しました。

・マンガリッツァ豚を「ペット」と思って飼育するという言葉に多くのことを考えてると思った。
・すべての食べ物には多くの人が関わっているということを知った。
・優しい人が多くて参加しやすかった。

もう1チームの「豚愛好家」は、マンガリッツァ豚の感想に特化した発表。

・放牧されている。
・餌には道産のものが使われている。
・たくさんの愛着を持っても食用に出荷しなければならないという現状があり、命の尊さを学ぶことができた。

各チームの発表後は委員長の佐々木さんが講評をします。

「飼育から出荷されるまでの話を聞いた中で、命の尊さを学べたことは素晴らしいことです。そして、十勝の食が多くの人々の協力や、つながりがあるおかげで、食材や料理として行き渡っていることの気づきがあったことも嬉しいです」と、話しました。

今回出した感想を基に、次回のプログラムで「授業の内容」を組み立てていきます。

プログラム終了後の変化を楽しみにする声


参加した高校生からは今後のプログラムやプログラムを終えた後の姿を楽しみにする声が聞こえました。

「学んだことを他の人、子どもたちに教える企画では説明する力も身に付き、自信が持てそうだと思いました

「管理栄養士を目指していて、食に興味があり、十勝にいるからこそできる経験を積みたいと思い参加しました。非日常的な体験ができて、人に教えることを通して、積極性を身に付けたいです」

大人たちが優しかったので、楽しく学べた」

次回は、「授業の組み立て方」を更別農業高校の菊池先生から学び、本日書き出した「気付き、感想」を子どもたちにどのように教えるのかを考えます。

▼プロジェクトの全体スケジュール

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ありとよ

ありとよ

ライター

1987年生まれ。約10年東京に住み、2020年にUターンで帯広に戻ってきた。料理と食べることが好きで、Instagramは食べもので埋め尽くし、食べた時に感じたことを書いている。事務とSNSの運用代行、ライター、食関係の仕事をしており、料理を通したコミュニケーションプレイスを作ることを思い描き中。読んだ人の「きっかけ」になることを願いながら、体験して感じたことを、心の底から素直に紡いでいきます。

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