開拓者精神と十勝農業を体感
参加者たちは帯広市内の荒川農園を訪れ、トウモロコシやトマト、ナスなどの収穫体験を楽しみました。
荒川農園は明治29年に福井県(越前)より荒川鶴吉がこの地に入植したことに始まる畑作と酪農を複合させた『百年農家』。米国出身で現在は芽室町在住の参加者は「十勝は、空気や水、景観などすべてが美しく、魅力あふれる場所です。今でもSNSを通して十勝を伝えていますよ。5万円以上のツアーがあっても参加者はいると思う」絶賛。開拓の歴史と文化を聞きつつの農業体験は十勝ならではのものとなるでしょう。
雨天でも楽しめる代替プラン
当初予定されていた馬車体験は雨天のため中止となりましたが、その代わりに中札内村のフェーリエンドルフで十勝産蜂蜜を使ったレモネード作りを体験。参加者たちは農園で収穫した新鮮な野菜や十勝産食材を使った食事も堪能し、十勝の食文化に触れる貴重な時間を過ごしました。
十勝のインバウンド誘致はこれから
JCI帯広の加藤貴裕理事長は、「インバウンド誘致による地域活性化に向け、アドベンチャートラベルの推進に取り組んでいます。今回のツアーはその一環であり、外国人の視点から十勝の魅力を再発見する機会となりました」とコメント。
また、JCI帯広のムーンショット開発委員会の津田祥平委員長も「十勝の自然と食文化を最大限に生かし、全世代の来訪者に感性を育む体験を提供することが重要です」と述べるとともに、十勝の観光資源とビジネスチャンスについて「十勝のインバウンド向け基盤がまだ整っていない理由は、農業経済基盤が強く、地元が潤っているからです。しかし、観光資源が豊富な十勝にはこれから大きなチャンスがあります。地元の民間企業が中心となってツアー開発を進めることで、さらに魅力的な観光地となるでしょう」と語りました。
参加者の感想と今後の展望
参加者たちのコメント
「ファミリー層をターゲットにした素晴らしいツアーだった」や「十勝の新たな魅力を感じることができた」という感想が多く寄せられたほか、今後のツアーに向けた提案として、「釣りや料理体験などの追加アクティビティ」「食事制限に対応したメニューの準備」などが挙げられました。
ほかにも、荒川農園での農業体験が特に好評で、参加者たちは自分で収穫した野菜を使った食事を楽しみ、十勝の食材の新鮮さと美味しさに感動していました。また、フェーリエンドルフでのレモネード作りや十勝産食材を使ったディナーも大好評で、参加者からは「次回もぜひ参加したい」という声が多く寄せられたそう。
「地域の一体感と持続可能な観光への期待」
ツアーの成功により地域の一体感が高まり、インバウンド観光の受け入れ体制を強化する必要性が再認識されたことを受けて、加藤理事長は「十勝はインバウンドを含めたツーリストの受け入れ体制がまだまだ不十分です。地域全体で魅力的なデスティネーションを作り上げるために、官公庁や団体の協力が不可欠です。」と課題感をあげます。
また、津田委員長からは、「今回のモニターツアーは地域の観光事業者の方々にご協力いただいて実施しました。アドベンチャートラベルの考え方も勉強し、十勝の開拓精神や自然から学びを得られるような内容にしたいと思い企画しましたが、なかなか伝えるのは難しくブラッシュアップが必要だと感じました。今後も十勝の観光資源を最大限に生かし、地域全体で観光客を迎える体制を整えることが重要だと考えております。地元の企業や団体が一体となり、持続可能な観光地を目指していきたいし、十勝の自然や食文化を通じて、訪れる人々に感動と満足を提供できるようなまちになるよう帯広青年会議所としても貢献していきたい」など、今後への手応えを感じた様子でした。
インバウンド観光の未来
今回のモニターツアーを通じて、十勝の自然や食文化の魅力を再発見し、インバウンド観光の可能性を広げる重要な一歩が踏み出されました。JCI帯広の加藤理事長と津田委員長のリーダーシップのもと、地域全体が協力し、十勝の魅力を国内外に発信する取り組みが進められています。今後も、多くの訪日客が十勝の美しい自然と豊かな食文化を楽しみ、心が豊かになる体験を提供するために、さらなる努力が続けられることでしょう。