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フライフィッシングとは。聖地と呼ばれる北海道十勝でプロのガイドになった下森さん

「北海道十勝はフライフィッシングの聖地です」とプロフィッシングガイドの下森雅文さんが言う通り、十勝は日本各地から名だたるフライフィッシャー達が集まる聖地。下森さんに、トラウト王国十勝の魅力を聞きました。

東京暮らしと海外放浪を経てJターン

北海道中央部から南側を指す十勝は、平野を取り囲むように日高山脈、大雪山国立公園の山々に囲まれた地域であり、釣り人たちが「無限に広がるフィッシングフィールド」と表現するほど、1年を通じて釣りを楽しむことができる地域なのだそう。

先ずは、十勝の中心都市である帯広市を拠点にプロフィッシングガイドとなった下森雅文さんの話からしましょう。

北海道広尾町出身の下森さんは、中学を卒業後に十勝を離れ、函館ラ・サール高校へ入学。卒業後、東京にある国際基督教大学の教養学部国際関係学科に進学しました。卒業論文は自然環境保全に関する国際機関で、世界自然遺産の登録等にも携わる国際自然保護連合(IUCN)に関して。

「大学進学を機に上京しましたが、都会の雰囲気に馴染めず、大学2年生の夏に一度は主退学し、約1年半に渡り海外バックパッカーとして放浪。海外で視野と見聞を広めた後に、改めて大学へ通い、卒業しました」(下森さん)

大学を卒業間際の下森さんは、当時の自分自身を「 “モラトリアム人間”でした」と評するほど、自分が仕事として何をしたいのか、何を軸に生きていけば良いのかが、決められず就職活動に力が入りませんでした。

それでも、一旦は東京で就職することを決め、製造業界でいち早く海外展開をしていた横河電機株式会社に入社します。「海外事業部があったのでいずれは海外駐在して、さらなる見聞を広げられると思ったんです」(同)。

ところが、下森さんは会社から期待されながらも約3年で退職。地元北海道に戻ることを決意したそうです。

「都会での暮らしは自分には合わないと感じていたのと、いつか地元の北海道に戻って、豊かな自然の中で暮らしたいという強い思いを優先した結果ですね」

当時の下森さんは、最も理想的な働き方を、SOHOやノマドワーカーのように、人や時間、場所などに制約を受けず、自然豊かな環境の中で自分の裁量・ペースで働くことと考えていたそうです。それを実現するために北海道を選んだわけです。


プロフィッシングガイドになる前は、地元十勝の公務員

ところが、退職後すぐには北海道へ戻らず、ニュージーランドの南島で約3ヶ月間、放浪の旅をはじめます。その旅の目的は、トラウトフィッシングでした。

「もともと釣りは、幼い頃に父親から教わったのがきっかけで、子どもの頃の遊びといえば釣りでした。休日になると、自転車に乗ってお決まりの十勝港や近郊河川に行き、夢中になって魚釣りをする生活でしたね。まさに原体験がそこにあったのだと思います」

3ヶ月が過ぎ、ようやく日本へ戻ると帯広市役所に転職。自分が願う働く環境を整えるために行政職として、先ずは社会の仕組みを知りたいと考えたそうです。

そして、北海道十勝にJターンしてから約10年の月日が流れます。

社会の仕組みを知ったことで、「稼ぐには?」「効率的に地元で生活するためには」「十勝には何が足りないか」などを知り得るまでに成長した下森さん。

10の経験を経て、2021年に満を持して立ち上げたのが、フィッシングガイドを通して十勝の魅力を発信する「Redband Artworks」でした。

「公務員時代に立ち上げたフィッシングをテーマにしたInstagramのフォロワーも5万人を超え、ファンになっていただいた方々が十勝を訪れるようになっていました。また、十勝をアウトドアの聖地に!を目標として掲げる十勝版DMOのデスティネーション十勝のアドバイザーの話もあり、タイミング的には良かったと思います」

地元でも知られていない、フライフィッシングの聖地十勝

自分の好きを仕事にした下森さん。プロのフィッシングガイドとなり、国内外から集まるフィッシャーたちを相手に釣りのスポットだけではなく、大好きな十勝の魅力を伝えるまさに伝道師としても活躍しています。

「十勝のフィールドは本当に素晴らしいんです。釣れる魚は、レインボートラウトを中心に、ブラウントラウト、イワナ、オショロコマ、ヤマメなどです。2022年現在、ガイドサービスは5つほど用意しています。ビギナーからベテランの方まで、お客様のレベルに応じて幅広くお楽しみいただける内容となっております」と目を輝かす下森さん。まさに天職を見つけたようです。

今さらながら、下森さんが大絶賛するフライフィッシングについて説明しましょう。日本で釣りといえば、海釣り、川釣りであり、釣り堀同様に餌で魚を釣るものと思っていまいますが、フライフィッシングは欧米では歴史のある権威ある釣りで、古くは15世紀頃から記述が見られ、19世紀にはほぼ現在の形に近いものになったと言われているそうです。

イギリスでは貴族の遊びという側面が強かった時代もあり、現在でも事業家や経営者の間で愛好家が多く、世界的なアウトドアメーカーのパタゴニア創業者や下森さんもガイドしたこのあるヤフージャパンの小澤社長など、フライフィッシングが趣味だと公言する著名人も多いそうです。

フライフィッシングはゲーム性の強さが病みつきに

フライフィッシングの釣り方は、その名の通り、川面を流れるカゲロウなどの水棲昆虫を捕食する魚の食性を利用したのが起源で、それらの虫に見せかけた毛ばり(=フライ)を流し、魚を釣るということからフライフィッシングと呼ばれています。

フライは、羽の生えた水棲昆虫の成虫をはじめ、川底にいる幼虫や小魚を模したものまで、鳥の羽や鹿の毛などを用いた様々なパターンが世界中で開発され、愛好家の多くはフライを自作して楽しんでいるほど。

楽しみ方も奥が深く、先ずは自然観察からはじまります。つまりは、魚は季節によって捕食する食べ物(虫など)が変わります。だからこそ、季節に応じて魚がどんな所に棲んで、どんなものを食べているのかを観察しながら、季節と場所にあった毛ばり(フライ)を用意しなくてはなりません。そして、フライをいかに本物のように魚が勘違いするのかを知り、投げ方(キャスティング)を練習しなくてはいけません。

「だからこそ、自分の考えたフライとフィッシング技術で大物を釣り上げたときの感動はひとしおです。そこには一種のゲーム性があると思っています」(下森さん)

いかがでしたでしょうか。意外に知られていないフライフィッシングの聖地としての十勝。下森さんのInstagramWebページを見るとさらに魅力に引き寄せられること必至。Instagramでは、釣れた魚が水の中でどう動いているかを撮影した動画や写真など、フォトグラファーとしての下森さんの姿も垣間見られるので要チェックです。

【PROFILE】

Redband Artworks代表 | フィッシングガイド アウトドアアドバイサー
下森 雅文 | しももり まさふみ

北海道広尾町出身。函館ラ・サール高校卒業後、国際基督教大学に進学。大学生時代に約1年半の海外バックパッカーを経験。大学卒業後は、横河電機株式会社に就職し、海外事業部に配属。約3年で退職。その後、ニュージーランドで約3か月間のトラウトフィッシングを経験後、北海道帯広市へJターン。帯広市役所に約10年間勤務の後、独立。現在Redband Artworks代表を務め、十勝のアウトドア・トラウトフィッシングの魅力を発信、ガイドも行っている。また、フィッシングコンテンツを企画・立案するアドバイサーとしてデスティネーション十勝の業務にも従事し、十勝をアウトドアの聖地にすべく、アウトドア・トラウトフィッシングの魅力発信や、フィッシングガイドの価値向上のために尽力している。

【INFORMATION】
Redband Artworks

公式サイト 
公式Instagram

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
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北川 宏

北川 宏

SUMAHIRO 編集長

記者12年→編集者8年→広報→起業|2022年7月『圧倒的におもしろいメディアが地方を救う』を掲るメディア会社 株式会社スマヒロの代表。新聞・経済誌の記者、雑誌編集者(日本)、週刊誌(海外)編集長、広報を経て2022年夏に起業。北海道十勝出身。東京13年→バンコク7年→北海道。

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